「旬」の大勢に黒星を付ける

ヤクルト4-3巨人

「旬」のルーキー大勢を打ち崩し、逆転勝利で東京ドームで25年ぶりのカード3連勝を飾ってみせた。東京ドームでのカード3連勝がこんなに長い期間に渡ってなかったことに驚いた。
今日のゲームはどちらかというと押し気味のゲームであり、負けたとしても投手陣に関しては収穫ありのゲームだと感じながらテレビ観戦していたのだが、9回の見事な攻撃で逆転勝利に繋げてみせた。

打線は、明らかに調子が良くなかった巨人先発高橋を打ち崩せずに、濱田のタイムリーによる1点を奪ったのみで継投に持ち込まれてしまった。7回に今村の自滅もあり、山田の犠牲フライで1点を返したのだが、打順の巡り的にも9回は厳しいイニングになると考えていた。「高橋を崩せなかったことが全て。」というゲームになってしまったかな?と感じていた。
しかし9回に巨人のルーキークローザー大勢に対して、1アウトから代打中村が2ベースで出塁すると、続く塩見が内野安打で続き、1アウト1,2塁とチャンスを広げることに成功する。ここで7回から青木の代走として試合に出場していた山崎に打席が回る。その山崎は、初球のストレートに力負けせずに弾き返すと、打球はレフト立岡のグラブをかすめる、逆転2点タイムリー2ベースとなった。巨人の外野陣が前進守備を敷いていなかったため、打った瞬間はレフトフライかな?と感じたのだが、予想以上に打球が伸び、立岡もグラブには当てていたのだが、ボールはそのままグラブをはじき、フェンスまで到達した。サイドハンドから150キロ後半を記録する大勢のストレートは凄みを感じるボールなのだが、山崎はこの試合の最初の打席のファーストスイングで155キロのストレートにアジャストしてみせた。打者心理からすると少し様子を見てからスイングを掛けたい場面だと思うのだが、山崎は初球からきっちり強いスイングを掛けることが出来ていた。この辺りは、山崎がこれまでのプロ野球生活の中で培った経験がモノを言ったのではないだろうか?しっかり準備して打席に入っていたからこその逆転タイムリー2ベースだったと感じる。
その後のチャンスでオスナ、濱田が変化球を多めに使った配球の中で連続三振に倒れてしまったように、大勢の実力は本物であることを感じることも出来たのだが、だからこそ、代打中村の追い込まれてからのバッティングとこの試合初打席となった山崎の初球のバッティングは秀逸なものだった。飛ぶ鳥を落とす勢いで投げ続けてきた大勢にブレーキをかけることが出来たという意味でも大きなイニングとなった。

投手陣は、各投手がそれぞれ特徴を出してくれた。特に先発のサイスニードは、これまでの登板の中でもかなり調子は良かったのではないだろうか?常にストライク先行の投球で、ゾーン内で勝負しながら巨人打線を抑え込んでいった。球数も少なく、このまま行けば、7,8回くらいまでは投げられそうな展開だったのだが、6回に先頭の丸を歩かせると続くウォーカーに2ランホームランを浴びてしまった。その後岡本に死球、ポランコにヒットを打たれたところで降板となってしまった。球数がまだ60球台だった6回に崩れてしまったことは、今後の不安材料でもあるのだが、投球内容自体は非常に良かったと思う。サイスニードに期待するのは、今日のような攻めの投球である。
リリーフ陣はピンチで登板となったコールがこの回のピンチを何とか凌ぐと、7回は梅野、8回は木澤が無失点で抑え、9回の逆転劇に繋げてみせた。木澤にはプロ初勝利が転がり込んだ。木澤は昨シーズン1軍登板機会がなく、フェニックスリーグでは大炎上してしまっていたこともあり、かなり厳しい状況にあるのかな?と思っていたのだが、高速シュートを軸とする投球スタンスを確立するとコントロールも安定し、結果も付いてきている。ここまで自責点0というのは運が味方している部分もあるのだが、気迫を全面に押し出す投球スタイルに木澤の覚悟を感じることが出来る。
そして9回はいつものようにマクガフがきっちり締めくくってみせた。野手陣の状態が上がり切らない中で、投手陣は本当に良く投げてくれている。

P.S 巨人のウォーカーは面白い選手ですね。日本球界の指導では出て来なかったであろう、アプローチで投手に対峙している印象があります。一見穴が多そうに見えて、難しいボールもしっかり捌くことが出来る打者ですね。今日のサイスニードのインコースのストレートを捉えたホームランなど敵ながら惚れ惚れしてしまいました。日本球界のセオリー通りの攻めが通用しないタイプの打者のように感じています。もう少しデータが出揃って来てからが勝負ですね。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     非力に見える山崎が大勢の直球を打ち返したのは驚きでした。新人クローザーに黒星を付けたことは、巨人にダメージとなったでしょう。ドームでの三連勝が25年もなかったとは、珍しく感じるのも無理ありませんでした。
     首位に立ったままでカードを終えました。ここからが大変でしょう。過去の優勝はどちらかと言えば攻撃力を背景にしたものが多く、今の状態が最後まで続くかわかりませんが、今季のビジターに強かったり、防御率がリーグトップだったりがストロングポイントというケースは、ヤクルトとしては初めてだと思うので、今後どうやって優勝まで辿り着かせるのか楽しみですね。

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    東京ドームでのカード3タテが25年ぶりというのは正直驚きました。全くと言って良い程勝てなかったシーズンも多く、良い印象は持っていませんでしたが、ここまで長い間3タテがなかったのは意外でした。

    シーズンの道のりはまだまだ長いですからね。

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