ドラフト関連の過去記事の中で私は『今年のドラフトに関してはチームとして「覚悟」というものを問われることになると思う。1回のドラフトでチームを好転させることはほぼ不可能ではあるのだが、スケール感のあるチームを作るために「覚悟」を持って各選手を指名する必要があると感じる。上記4つのポイントを挙げたのだが、最終的には球団としての「覚悟」が伝わってくるドラフトになるか否か?という部分に注目してみたいと思う。』と書かせてもらっていた。
本日行われた実際のドラフトでも、1位松下(法大)、2位松川(城西大)という指名にチーム再建へ向けた「覚悟」を感じることが出来た。この点に関しては大満足である。3位以降の指名に関しては、私の考えとはズレる部分もあったのだが、満足できる結果にはなった。昨年のドラフト直後は「大満足」という言葉を使っており、その時に比べれば満足度はやや劣るかもしれないが、高津監督から池山監督に監督が交代となる中で、ここからチームを変えていかなければならないという気持ちは十分に伝わってくるドラフトとなった。
今年のドラフト関連のブログ記事
・2025ヤクルトのドラフト(1) | ヤクルトファンの日記
・2025ヤクルトのドラフト(2) | ヤクルトファンの日記
・2025年FIYS的1人モックドラフト | ヤクルトファンの日記
昨年の指名に関するブログ記事
・2024ヤクルトドラフト指名選手 | ヤクルトファンの日記
2025年指名選手
1位 松下歩叶(法大)右右 内野手
2位 松川玲央(城西大)右左 内野手
3位 山崎太陽(創価大)右右 投手
4位 増居翔太(トヨタ)左左 投手
5位 鈴木蓮吾(東海大甲府)左左 投手
6位 石井巧(NTT東日本)右右 内野手
7位 飯田琉斗(ENEOS)右右 投手
育成ドラフト
1位 小宮悠瞳(川崎総合科学)左左 投手
1位の松下に関しては、今年のドラフト№スラッガーの評価を受けた立石とは少しタイプが違ってくる選手ではあるのだが、ボールを上手く掴まえられる打撃技術があり、走塁、守備という部分でも一定の能力を有している選手だけに、1位入札したことには何の不満もない。昨年の時点でももしかすると松下が立石と評価を二分する可能性もあると思っていた選手である。最終的にはそこまで立石との差を詰めることは出来なかったかもしれないが、まだまだ伸びしろがあるタイプの選手に感じる。まずはプロのストレートに力負けしないだけのスイングを作ってもらいたい。この部分をクリアすることが出来ればある程度プロの世界でも通用するはずである。
桐蔭学園ー法大というエリートコースでしっかり経験を積んできたことも武器になるはずである。「神宮の申し子」と呼ばれるような選手になってもらいたい。
2位の松川に関しては、今季は怪我で本来のプレーを披露することは出来なかったが、昨年の時点では非常に魅力的なアスリートタイプの遊撃手だと感じていた。右肘の靱帯損傷ということで、その影響が心配されるのだが、183㎝とサイズがあり、スピードも抜群であるため、見ていて非常に面白い選手である。内野手で勝負するのかスピードを活かして外野手に転向するのか分からないのだが、もしかするとポスト塩見としてヤクルトフロントが白羽の矢を立てた可能性もあると思っている。まずは怪我をしっかり治して、全力プレーが出来る状況を作ってもらいたい。
即戦力が期待できる投手も残っている中でよくぞ松川の指名を選択したと感じる。
3位の山崎は、身長193センチの高身長投手である。正直この選択にも驚きを感じた。ヤクルトはこういった素材型の本格派投手の育成を苦手としており、特に高校生は育てきれないことが多い印象が強いのだが、その中で経験値は決して高くない大学生を3位という高評価で指名してきた。短い切り抜き動画でしか見たことがないのだが、投げるボールの威力は伝わってくる。投手経験はまだまだ浅いとのことで、これからの投手である。首脳陣がしっかり育て上げることが出来るだろうか?この投手を育てることが出来れば、今後のチーム作りにも影響を与えそうである。ヤクルトにとってチャレンジングな指名になったことに違いはない。
4位の増居はアマチュア球界、ドラフト界隈の有名人である。私も2018年にこのブログで取り上げている。「第90回センバツ振り返り | ヤクルトファンの日記」
その際には「一冬越してストレートの球速、キレが格段に増しており、ストレートで空振りを奪える投手となっていた。ここまで伸びるとは思ってもいなかったため驚いた。初戦の慶応戦でも9回までノーヒットピッチングを披露した花巻東戦でも素晴らしいボールを投げ込んでいた。今年ソフトバンクに育成ドラフトで入団した大竹耕太郎の濟々黌時代を思い出した。」と書かせてもらった。
慶大、トヨタ自動車でも実戦派の投手としてしっかり試合を作り続けていただけに、プロでもその役割が求められる。今の実力がプロで通用するかどうか?1年目から正念場である。
5位の鈴木は、しなやかな腕の振り、安定した投球フォームに特徴のあるサウスポーである。高校の先輩にあたる村中恭平の高校時代に比べると身長差もあり、投げるボールの威力に関しては村中に軍配が上がると思うのだが、身体のキレ、ボールのキレという意味では、十分に村中と勝負出来る投手のように感じる。まだまだこれからの投手であるが、育成1位の小宮と切磋琢磨しながらレベルアップを図ってもらいたい。
6位の石井は、日本ハムの石井一成の弟である。高校時代から打撃でも高く評価されていた兄に比べるとどこかこじんまりした印象があるのだが、堅実に守れるところが石井のアピールポイントになるはずである。チームに必要不可欠なバックアップメンバーとして1年目から常に1軍に帯同してもらいたい選手である。守備、走塁を確実にこなしながら、徐々に打力を付けていくことで石井自身は将来的にはレギュラーを狙えるだけの選手に成長してもらいたい。
内野陣を見渡した時にピンポイントで補強したい選手を獲得できたのではないだろうか?
7位の飯田は、横浜商科大時代からパワー型の右腕としてドラフト候補に上がっていた投手である。来年は27歳になる年齢であるため、このタイミングで指名されたことに驚いた。1年目からリリーフとして1軍で投げてもらわなければ困る投手である。飯田自身も増居同様1年目から正念場となるはずである。ドラフト7位という下位での指名であり、覚悟を持ってプロの世界に飛び込むことになるのではないだろうか?憧れ続けていたであろうプロの世界で存分に暴れ回ってもらいたい。
育成1位で指名された小宮に関しては、夏の大会後辺りから、ヤクルトのスカウト陣が評価しているとの報道がなされていた高校生サウスポーである。大きな実績はないのだが、少し腕を下げた角度から投げ込まれるボールのキレ、腕の振りの柔らかさに特徴のある投手である。昨年個人的に評価していた冨士(西武ライオンズ)に比べると劣る印象だが、5位指名された鈴木とともに4~5年計画で育て上げたい投手である。
今のヤクルトが1回のドラフトでチームを作り直すことは困難であることは理解しているつもりである。しかし来シーズンを捨てることはプロ野球球団として許されないことも分かっている、だからこそ増居、飯田というオールドルーキーを指名したということなのだろう。正直山崎、増居、飯田という大社の投手の選択に不安を感じないわけではないのだが、今年のヤクルトのドラフトに関しては「覚悟」を感じられるかどうか?を1つの判断基準にしようとしていたため、その「覚悟」が伝わって来たことはしっかり評価したいと思う。
P.S 1位入札でDeNAとソフトバンクが佐々木麟太郎(スタンフォード大)に向かったのには驚きました。ドラフト後のコメントを見るとヤクルトも1位指名を検討したと感じられるものもあり驚きました。もちろんそれだけの逸材だと思うのですが、もしヤクルトが佐々木麟太郎に入札していたら…私はどんな感情を抱いたのだろうか?今のヤクルトが佐々木に向かうのはそれこそ相当の覚悟が必要ですからね…。
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