このブログでは毎年シーズン前に私なりのヤクルトのポイントを挙げさせてもらっている。振り返りの記事は書いたり書かなかったりとその年によって違うのだが、折角自分なりにポイントを挙げているので、出来れば振り返りの記事も書いておきたいと思っている。昨年は、シーズン後のタイミングで振り返りの記事を書いたのだが、今年も同様にこのタイミングで振り返っておきたい。
過去記事はこちらから→「2025年シーズンのポイントは? | ヤクルトファンの日記」
それではポイントごとに振り返ってみたい。
①投手陣の整備
・チームは最下位に沈み、チーム防御率に関してもセリーグ最下位の3.59という数字に終わってしまったため、高い評価をすることは出来ないと思っているのだが、個人的にはシーズン前に想定していた程度には頑張ってくれたという評価をしている。相対評価となってしまえば、他球団に比べて明確に数字が悪いため、評価はし辛いのだが、シーズン前の私の中の想定とはそれほど差はなかった。
先発投手に関しては、高橋、吉村が左右のエースとして結果を残してくれることを期待していたのだが、高橋は、怪我に苦しみシーズン通して8試合の登板に終わってしまった。強いて言えば、この高橋の離脱はチームにとって非常に痛かったと感じている。しかし吉村に関しては、多少の躓きはあったものの、22試合に登板し、8勝6敗、防御率3.05とまずまずの数字を残してみせた。もちろんもっともっと高みを目指してもらいたいのだが、及第点を与えられる投球は見せてくれていたのではないだろうか?
ランバート、アビラの助っ人外国人投手に関しては、両者ともに防御率4点台ということでここだけを切り取れば褒めることは出来ないのだが、苦しい投手事情の中でランバートもアビラもある程度のイニングを喰ってくれたことはプラスに捉えたいと思っている。
ここに不確定要素の強かった奥川が18試合に登板(先発は17試合)し、シーズン100イニングを達成してみせた。ここまでイニングを重ねてくれるとは思っていなかったため、この結果を来シーズン以降に繋げてもらいたい。
その他には高梨、小川、山野がシーズン通しての活躍とはいかなかったが、それぞれが離脱も繰り返しながら何とか先発として試合を作ってくれた。この3投手に関しては、もう少し安定して結果を残せると大きかったのだが、そこまで高い期待を抱くわけには行かない状況ではあったため、ある程度は想定内の数字だったように思う。
ルーキーの中村優は、私の期待していたような数字には程遠いものになったし、大ベテラン石川もこれ以上を期待することは難しい状況になってきている。
先発全体を見渡した中では、高橋の離脱と中村優の数字が伸び切らなかったことが、私の中の想定外ではあったのだが、その他の投手に関しては、開幕前に想定したくらいの数字には落ち着いたように思う。
リリーフ投手に関しては、事前記事を書いた際には、実績のある清水、田口、小澤に新外国人投手のバウマンという4枚が軸になることを期待したのだが、この4投手に関しては、期待していたような数字を残すことが出来なかった。2021年、2022年の連覇に大きく貢献した清水、田口は勤続疲労もあってか今シーズンも昨シーズンに続いて思ったような数字を残すことが出来なかった。小澤も明らかにボールを制球出来ていない場面が目立ち、本調子には程遠かったし、期待のバウマンは、シーズン前にコンディション不良で離脱してしまうこともあり、16試合の登板に留まってしまった。この4投手が結果を残せなかったのは、誤算だった。
それでも実績のある大西や石山、ルーキーの荘司、現役ドラフトで加入した矢崎、後半戦では松本健、星も結果を残してくれたため、上記4人の穴は何とか埋めてくれていたようにも感じる。もちろん上記4人が結果を残した中で他の投手も結果を残せたのであれば、阪神や中日のリリーフ陣とも勝負出来るような布陣になった可能性があるのだが、そこまで求めるのは酷だろう。しかし、大西以外の石山、荘司、矢崎、松本健、星の活躍ぶりはシーズン前に私が想定していた以上の投球を披露してくれた。この辺りのリリーフ陣の頭数については、高津政権だからこそ整備されたと感じている部分もある。
先発、リリーフともに優勝争いを演じるのであれば物足りないが、チーム状況からすればまずまずの結果に収まったというのが私の評価である。
②村上のスタッツ
・ヤクルトの最大のストロングポイントである村上のスタッツはチームの浮上の為には欠かせないものであることは、誰の目から見ても明らかだった。その村上の数字は以下の通りである。
56試合 187打数51安打 打率.273 22本塁打 47打点 4盗塁
56試合で22本塁打という数字は、村上の凄さを感じさせる数字なのだが、チームとして最も注目しなければならない数字は、出場試合数56という部分である。143試合の内の56試合にしか、主砲の村上が出場出来なかった事により。チームは大きなダメージを被ってしまった。
2019年にレギュラーに定着して以降、大きな離脱なくプレーし続けてきた村上を欠いた影響はあまりにも大きかった。
しかし、来シーズンは、この村上がチームを離れることになる。村上がチームに残っている間にチームとしても優勝回数を増やしたかったと思うのだが、それは叶わなかった。これほど影響力の大きな選手は歴代でも稀であるため、来シーズンは新たなチーム像を作っていく必要がある。
ラストイヤーだっただけに期待したのだが、そう上手くは行かないものである。
③山田、塩見が不在でもその存在をカバーするチームに
・この部分に関してもポイントというよりもチームの課題として挙げたのだが、やはり山田、塩見ともに全盛期の活躍を期待することは難しくなっている。塩見に関しては、神宮最終戦で顔を見せてはくれたのだが、試合に出場することなくシーズンを棒に振ってしまい、山田も108試合の出場に留まってしまった。この2人の穴を埋めることは容易ではなかった。
内野陣では、FAで獲得した茂木が前半戦で結果を残してくれた時期もあったのだが、結局は怪我で長期離脱となり、山田の穴を埋めるには至らず、そんな中で長岡まで離脱してしまい、伊藤や武岡、赤羽、北村恵、北村拓らも与えられた出場機会の中で必死にプレーしてくれたが、チームの勝利を増やすような活躍までには至らなかった(明確にレギュラーを奪取する選手が表れなかった。)。
塩見の穴埋めという部分に関しては、サンタナも離脱する中でセンターは岩田、レフトは内山が出場機会を増やし、内山は規定打席にも到達してみせた。この2選手に関しては、シーズン通して試合に出続けたという意味で、今後の飛躍に繋がるシーズンになったと思う。しかし、やはり塩見やサンタナの穴を埋めるという意味ではまだまだ数字は物足りない。内山は来シーズンは内野に挑戦するとの報道も出ているが、とにかく打撃でチームを引っ張れるだけの存在に成長してもらいたい。
チームとしての課題が来シーズンにも残る形となってしまった。
④捕手の打率
・山田、塩見の穴埋めという部分で「打てる捕手」が誕生すれば多少なりとも得点力不足という課題を補えるのではないか?という意味を込めてポイントに挙げさせてもらった。最も期待した内山に関しては、外野手での起用がメインとなり、マスクを被る機会はほとんどなかった。そんな中で古賀と中村悠が主にマスクを被ることとなった。
若手の古賀は、元々コンタクト能力という部分に関しては非凡なものを持ち合わせているように感じたのだが、今シーズンはそこにパワーが加わり、速球に対して強い打球を引っ張れるだけの力が付いてきた。印象に残る一打も記録するなど成長は見せてくれた。是非来シーズンに繋げてもらいたい。ベテラン中村悠に関しては、打率は.230なのだが、出塁率は古賀と全く同じ数字である.319を記録しており「らしさ」は見せてくれた。
メインでマスクを被った古賀、中村悠が打撃でも実力を発揮してくれたと思うのだが、チームを浮上させるまでの数字を残すには至らなかったというところだろうか?
振り返ってみて感じることは、今シーズンはあまりにも主力の離脱が多かったということである。元々怪我で苦しむシーズンが多いチームではあるのだが、その中でも今シーズンの主力野手陣の離脱は、異常に感じる程だった。村上の長期離脱はあまりにも痛かったし、塩見がシーズンを棒に振ったこと、サンタナ、長岡、茂木もシーズン半分以下の出場に留まってしまった。山田も全盛期とは程遠い姿であり、この戦力で勝てる程プロの世界は甘くないということを実感することが出来た。若手がまだまだ育ち切っていない中で来シーズン以降を考えても非常に苦しいチーム状況にあると感じる。シーズンが切り替われば、新たな気持ちで戦えると簡単に言えるような戦力ではないことは明白である。今シーズンを振り返ることで、改めて来シーズンも厳しい立場に置かれた中で戦わなければならないことを再認識することとなった。
野球太郎No.057 2025ドラフト総決算&2026大展望号 (バンブームック) [ ナックルボールスタジアム ] 価格:2400円 |
にほんブログ村

コメント