阪神にとっては「これしかない！」という勝ちゲーム

ヤクルト０－１阪神

昨シーズンのチャンピオンである阪神はやはり強い。今日はヤクルト先発のヤフーレが好投したことによって、阪神にとっては厳しいゲームになったはずなのだが、それでもチーム内での序列がそれ程高くないであろう先発ビーズリーがしっかり役割を果たして「1－0」で勝ってしまうのだから、称賛せざるを得ない。5回裏に打席が回ったからという部分もあったかもしれないが、5回でスパッとビーズリーからリリーフ陣に継投し、「1－0」という勝ち方を想定した中で戦っているように感じた。今日のゲームの勝ち筋を逃さなかった岡田監督の采配は見事である。

まずは、阪神先発のビーズリーについて触れていきたい。正直強力な阪神投手陣の中では、組みし易い相手かな？と感じていたのだが、思った以上にカットボール、スライダーが邪魔になる球種なのかもしれない。右バッターに対しては、外中心の配球であり、狙い球は絞りやすそうにも感じたのだが、それでも抑えるということは、ビーズリーなりの必勝パターンを確立しているということなのだろう。今日のゲームでは、まだボールにバラつきがあった初回と2回に長岡と村上という左バッターがヒットを放ったのだが、私の中では、左バッターを苦手とするタイプでもないのかな？という印象が残った。カットボールでインコースを突けるし、外角からスライダーを入れることも出来るため、左打者用の配球も確立できていそうである。左バッターが今日のビーズリーの投球をどう感じたのか興味深いところである。上手く抑え込まれてしまった。
リリーフ陣に関しては、質も量もハイレベルである。今日は桐敷ー石井ーゲラー岩崎の前に川端がゲラから放った内野安打1本に抑え込まれてしまった。このリリーフ陣を擁していれば、岡田監督はゲームマネジメントがしやすいだろう。いわゆる計算が立ちやすいチームである。
昨日のゲームではヤクルト打線が阪神バッテリーにプレッシャーを掛けることが出来たのではないか？と感じたのだが、今日は逆に阪神投手陣の前にプレッシャーを掛け返されてしまった。

そんなゲームではあったのだが、ヤクルト先発ヤフーレは、独特の雰囲気があるであろう甲子園での初めてのゲームでも「らしさ」を見せ付けてくれた。4回の失点に関しては、中野、近本への連続四球が絡んでしまったため、擁護できる失点ではなかったのだが、大山のタイムリーについては、コースヒットであり仕方ないものであった。今日もボールを散らしながら、ナックルカーブも効果的に使って阪神打線を抑え込んでいった。今日のブログ記事では相手先発のビーズリーについて触れたのだが、ビーズリーがカットボーラー的な投手なのに比べて、ヤフーレは、様々な方向に「曲げて落として」という感じで投球の多彩さを感じさせてくれる。DeNA戦での大乱調もあり、どこか期待せずに見守っていた部分もあったのだが、その後巨人戦で9回完封、同じく巨人戦で7回1／3を2失点、阪神戦で6回1／3を1失点と先発として素晴らしい数字を残してくれている。どの球団もそろそろヤフーレのデータは出揃って来ていると思うため、それでも結果を残すヤフーレの私の中での期待値は高くなるばかりである。26歳でこれだけ多彩な球種を操れる投手も中々いないだろう。今後も楽しみである。
リリーフ陣では、0－1の8回のマウンドに開幕戦以来の登板となった田口が上がった。開幕戦に比べれば出力も上がっているように見えたし、伝家の宝刀スライダーにもキレも感じさせてくれた。また一人頼もしい選手が帰ってきてくれた。少しずつリリーフ陣の選手層が厚くなってきていることを感じさせてくれた。

P．S　今日の1回表に阪神の梅野がワンバウンドの難しいボールを捕球し、2塁ランナーの長岡を牽制で刺したシーンがあった。素晴らしいプレーなのだが、およそ30年程前にこういったプレーでランナーを刺しまくっていた古田の凄さを改めて思い出すことが出来た。やはり古田は、NPBにおける捕手のプレースタイルを変えた選手ということになるのだろう。