プロ初白星、プロ初黒星

ヤクルト３－７巨人

試合後、「プロ初白星」というワードが聞こえてきたのだが、それはヤクルトのドラ1ルーキー吉村に向けられたワードではなく、巨人の高卒5年目横川に向けられたものだった。横川は、プロ初先発のヤクルト戦で勝ち投手の権利を得ながら、勝ち星を逃し、その後プロ初勝利を上げるまで、2年以上が経過していた。当時の横川と現在の吉村とではチームの中で置かれている立場が違うので、吉村が同じように初白星を上げるまでに時間がかかってしまうということはあり得ないと思うのだが、野球は数字のスポーツであり、メンタルスポーツという一面がある。先発投手であれば、早く1勝が欲しいものである。昨シーズンは西武のドラ1ルーキー隅田が、開幕直後に1勝を上げた後、様々なかみ合わせの悪さもあり、1勝10敗という成績でシーズンを終えるということがあった。隅田は先発としてまずまずの投球が出来ていたと思うのだが、1勝10敗という数字ばかりフォーカスされてしまう部分はあったのではないだろうか？隅田は今シーズン連敗を止めたのだが、その際には涙ぐむ場面があった。それ程までにメンタルも試されるのが、プロ野球の世界なのだと思う。
吉村の現在までの成績は、4試合に登板し、0勝1敗、防御率5.66という数字が残っている。この数字は、吉村の投球を追っている人であれば、「数字以上に投球内容は良い。」ということが分かるのだが、ヤクルトの試合を追っていない人であれば、野球好きであっても「ルーキーが苦しんでいるな。」程度の認識にしかならないと思う。そういう空気感が出来上がり始めている中で、吉村はこの空気感を打破することが出来るだろうか？

今日の吉村も吉村らしい投球は披露してくれていたと思う。多彩な球種でストライクを取ることが出来、四球から崩れることもなかった。しかし登板を重ね、データが揃ってくる中で、巨人打線にしっかり研究され、対応されてしまった印象である。もしかすると中6日で先発ローテを守る中で疲れも感じているかもしれないし、様々な部分でプロの壁にぶつかるゲームとなってしまった。岡本和、大城、ブリンソンに浴びた一発は、今後の反省材料になるだろう。
現状吉村については、自分の実力は出し切ってくれていると思う。キャンプの際に練習試合の登板を1回回避したことがあったと記憶しているのだが、ある程度コンディションが整っているのであれば、このままローテを守ってもらいたい。今日は、各打者にしっかり対応されてしまっていたため、ボールのキレ自体も落ちていたのかもしれないが、次回の登板までに回復、修正することが出来るだろうか？とにかく１つ勝ち星を付けたい所である。
リリーフ陣に関しては、昨日同様ビハインドゲームの6回から継投となったのだが、山本が役割を果たせなかった以外は、大西、小澤がしっかりイニングを喰ってくれた。この辺りは、やはりヤクルトのストロングポイントになりそうである。

打線は、今日も繋がりに欠け、開幕から19試合連続で2桁安打が出ない状況が続いている。4回にサンタナに2ラン、7回にオスナにソロホームランが飛び出したのがせめてもの救いとなった。サンタナは、おそらく開幕前にコンディション不良があり、ゲームに出ながら実践感覚を取り戻していたと思うのだが、打撃に関しては、ようやく本来の状態に戻ってきたのではないだろうか？コンディション面での不安は付き纏うが、今日ホームランも飛び出したことで、気分的にも乗って行けるのではないだろうか？
オスナも4番の村上が苦しむ中でも結果を残し続けてくれている。村上は状態が悪くても、四球で出塁する場面はたびたび見られるため、その後ろでオスナが結果を残してくれると得点につながりやすくなる。
本日山田も1軍に合流したということで、近日中に復帰する可能性もありそうである。私の予想では、来週には、2桁安打を記録するゲームが出てくると踏んでいる。村上は悪いなりにベンチで前に出て声を出す姿が見られているし、守備、走塁も疎かにはしていないと感じる。どこかで状態を戻してくれることを期待したい。

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