満身創痍の中での激闘

ヤクルト7-7阪神(延長12回)

12連戦の最後のゲームは総力戦の激闘となった。坂口、バレンティン、石山、上田と離脱しており、只でさえ戦力不足の状況なのだが、そんな中での総力戦ということでフィジカル的にもメンタル的にもキツいゲームだったと想像できる。そんなゲームで8回に5点差を追いつき、12回にも2点差を追いついたのだから、選手達には「ありがとうございます。」という言葉を送りたい。様々な事があったゲームだったのだが、本当によく闘ってくれた。ここ数年阪神戦はどうも不穏な空気になりやすいのだが、いい意味で熱い戦いを見せてもらいたい。阪神戦は熱くいこうよ!

今日のゲーム展開は正直勝てる要素はほぼないと思っていた。初回に高橋が阪神打線に掴まり、いきなり3点を失ってしまい、打線は阪神先発岩田の前に抑え込まれてしまった。山田哲が今日もブレーキとなってしまい、どう足掻いても厳しいゲーム展開だった。しかし6回に岩田が青木に頭部死球を与え、退場となった事をきっかけに何となく試合が動き始めた。それでも8回に五十嵐が糸原に2点タイムリー3ベースを浴びてしまい、0-5となってしまったところで万事休すと感じていた。
しかししかし、8回にヤクルト打線が突如として繋がり始める。5点差となったため起用されたと思われる福永から太田、宮本、青木の3連打で0アウト満塁のチャンスを作ると不振の山田哲に2点タイムリー2ベースが飛び出し、ジョンソンを引っ張り出すと、そのジョンソンから雄平が2点タイムリー2ベース、村上が犠牲フライを放ち、同点に追いつく事に成功する。完全に阪神の継投ミスではあるのだが、この回の5得点は各選手の熱い気持ちを感じる事が出来る攻撃となった。
そして9回からは両チームのリリーフ陣が得点を許さなかったのだが、12回に2イニングス目となった近藤が中谷に2点タイムリー2ベースを浴び、今度は流石に苦しいなと感じたのだが、何とその裏山田哲のレフトポール直撃のソロホームランと代打中村のタイムリー2ベースで同点に追いついてみせた。1点差に詰め寄ったものの2アウトランナーなしとなってしまったため、敗色濃厚な雰囲気ではあったのだが、村上の死球後の盗塁で阪神外野陣を前に出す事で得点の確率を上げる事ができた。結果的には村上の盗塁が非常に大きかった。
どの選手も本当に良く集中して打席に入り、ボールに喰らい付いてくれた。こういう姿勢を見せてくれるとファンは嬉しいものである。

タイトルに「満身創痍」という言葉を使わせてもらったのだが、選手のコンディションが気になる場面がいくつかあったので少しだけ触れてみたい。まずは青木の頭部死球の影響が心配である。その後も試合に出続けヒットも放ったため少し安心はしたのだが、メジャー時代に頭部死球からの脳震盪に悩まされていた時期もあっただけに明後日からの出場は慎重に判断してもらいたい。
2つ目は最後に代打で登場し、同点タイムリー2ベースを放った中村の状態である。今日は元々休養日だったとの話しもあるのだが、最後に中村に代わって代走風張が起用されたという事は中村にも下半身に何らかのコンディション不良が出ている可能性が高いのではないだろうか?昨日ゲームで代走が送られたときもちょっとした違和感を感じたのだが、今日の起用法を見ると何らかのアクシデントがあったのではないか?と考えるのが普通だと感じる。登録抹消されているわけではないため大事ではないと思うのだが、少し心配である。
3つ目は山田哲である。これは私の思い過ごしであれば良いのだが、ナゴヤドームでの中日戦辺りからスイングに何か違和感を感じるのは私だけなのだろうか?今日はライトオーバーの2点タイムリー2ベースとレフトポール直撃のホームランを放っているため、大丈夫だと信じたいのだが、何かボールに上手く力を加えられない様子が伺える。手首などにアクシデントが起きていなければ良いのだが…というのが私の心配事である。

明後日からの巨人戦、山田哲、青木、中村の力は絶対に必要である。しっかりコンディションを整えてゲームに臨んでもらいたい。

そして今日は若手もしっかりアピールしてくれた。先発の高橋は初回に3点を失ってしまったが、中6日で100球近い球数をしっかり投げられた事を評価したい。タイプ的にも現状の実力的にも長いイニングを投げてもらうのは難しいと感じるのだが、5回~6回までしっかり試合を作ってくれれば十分である。今日の投球は十分評価に値する投球だったと思う。
そして9回、10回と2イニングを任された梅野も力強いボールを軸に阪神打線を抑え込んでみせた。若くして堂々とした投げっぷりであり、クローザーとしての素質を感じさせてくれる。
野手陣では今日も村上がジョンソンからしっかり犠牲フライを放ったり、12回に同点に繋がる盗塁を決めたりと考えて野球が出来る選手である事を証明してくれた。首脳陣、ファンからの評価はうなぎのぼりなのではないだろうか?

今日で12連戦は終了である。何とか6勝5敗1引き分けという形で1つの勝ち越しを作って終える事が出来た。チーム状況は良くないのだが、それでも今日のように気持ちのこもった戦いを披露し続けてもらいたい。今日は心揺さぶられるナイスゲームだった。

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コメント

  1. タラちゃん より:

    まず選手、首脳陣。
    12連戦お疲れ様でした。
    6勝5敗1分けとまずまずの結果。十二分ですね。

    そして、
    熱くなりすぎず、報復合戦でけが人とかしなかったのは感謝です。
    これが自分だったら、梅野か福原コーチ、矢野監督に殴り掛かっている案件なんでね。
    そして報復のデッドボールを梅野か福留、糸井のだれかに当てていただろうし。
    ナベQ監督潮崎投手コーチならやるね(笑)。

    ただ、島本のデッドボールに関しては警告試合なんで坂口も骨折させているわけで退場が相当だったと思いますね。
    ここはおいらが打撃コーチなら島本に殴り掛かっている案件なんでよく耐えたなと。金森、高橋慶彦、デーブならヤバかったね(笑)。

    高橋は初回ダメでしたが、5回3失点で上手くまとめたなと。
    梅野も2回ピシャリ。
    村上も犠牲フライに12回の盗塁、そしてマウンドに行ってエラーしたとしても投手に声かける姿。
    宮本も粘って出塁など、
    見るべきところ多いですね。

    中村や青木の状態心配ですね。
    来週火曜水曜の2連戦で、3連戦、移動日、2連戦、移動日、3連戦、移動日で楽になるので、上手く体調管理してほしいものです。

    最後に、
    昨日の試合。
    代打中村、代走風張、サヨナラヒット打った選手のヒーローインタビュー見たかったです。

    山田哲人復活してきたなと。しばらくは楽な日程なんで期待しましょう!
    4番でなく3番で!!

    打順間違ってるぞ!
    相手からしたら1番太田で2番荒木や山崎だったら楽だなって。
    ここで1アウト計算してってことになるし。

  2. k より:

    ケガ人続出の中で12連戦で負け越さなかったのは素晴しいですね。
    この試合も負けゲームをよくドローに持ち込んだと思いますね(今シーズンは諦めない姿勢がチーム全体に感じで終盤に奇跡を起こしてるので秋まで楽しめそうですね)。
    高橋に関しては初回は配球ミスですね、打者3人に全て真っ直ぐは打たれますよね。
    その後は変化球を交えて阪神打線に全く危なげなかったので彼に必要なのは経験と駆け引きだけですね(この打者はどうやったら抑えられるかが分かれば二桁勝てるようになるでしょうね)
    あと山田にホームランと打点が付いたのはひと安心ですね。このまま不振が続けば連敗の可能性が高かったですから得意の東京ドームでも打てる気配が出てきましたね。
    それと宮本は粘り強いのとレフトも出来そうなので2番で起用してもらいたいですね。
    最後に死球の件ですが藤浪・岩田・岩貞・島本と、この四人が複数のヤクルト打者にぶつけていて基本コントロールがよくないですよね(昨年はさすがに青木が頭部に受けたときに糸井に報復してましたが、村上への死球は報復対象の可能性あるので次の甲子園では誰かにありそうですね)
    次は巨人ですがヤングマンには苦手意識はないので今の打線でも得点は出来そうかなと小川もシュートを投げて坂本と岡本など右打者を抑えたら勝機はありそうですかね。

  3. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    タラちゃんさんは、結構血の気が多いタイプなんですね(笑)。

    若手に見るべきものが多いゲームでもありましたね。

  4. FIYS より:

    > kさんへ

    この12連戦は厳しい状況の中でもよく耐えましたね。ただこのままでは苦しくなるのは目に見えているので、心配ではありますよね。

    山田哲は私はフィジカル面で何かアクシデントがあるのでは?と心配したのですが、大丈夫そうですかね?

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