小川ーマクガフで完封！決勝アーチは隠れパンチャー西浦！

ヤクルト１－０DeNA

開幕投手同士のマッチアップと言うことで、エース同士の投げ合いとなったのだが、正直この展開は予想していなかった。打線がしっかり繋がらなければ厳しいゲームになると予想していたのだが、小川が前回の登板に続いて好投すると最後は石山の代わりにクローザーに指名されたマクガフが一打同点のピンチを招きながらも何とか凌ぎ切り、１－０という痺れるようなゲームを制してみせた。１－０というスコアも決勝点となった西浦のホームランも予想外だった。

先発の小川に関しては、前回の中日戦で完封勝利を収めていたのだが、あくまでもバンテリンドームでの現在の中日相手の完封劇と言うことでこれくらい投げてくれて当たり前という主旨の記事を書かせてもらったのだが、今日の神宮でのDeNA打線相手の8回無失点という投球については、「好投」とか「快投」という言葉を使うことが出来ると思っている。
ストレートを軸に投球を組み立てられるときの小川は調子の良い小川の姿であり、本来小川が目指している投球スタイルなのだと思う。今日は正にストレートを軸に組み立て、変化球がいいアクセントになっていた印象である。味方打線が援護してくれた得点は、3回の西浦のソロホームランによる1点だけという緊迫した試合展開ではあったのだが、最後まで集中力を切らさずにテンポよくDeNA打線を封じてくれた。8回で100球を投げ、被安打3、与四死球1の無失点という数字にも表れているのだが、完封勝利を飾った前回以上に内容のある投球だったように思う。7回にソトを三振に斬って取った高めのストレートなどは若き日の小川が戻ってきたのでは？と思わせるような見事なボールだった。
9回に関しては、１－０というスコアで試合が推移していたこと、ここの所クローザーの石山が9回を上手く締めくくれないゲームが続いていたこともあり、小川が続投するのでは？と予想していたのだが、高津監督が9回のマウンドに送ったのはマクガフだった。不調の石山がベンチを外れる中で、9回を任せるならマクガフと言うことになっていたとは思うのだが、嫌な形で連敗を喫している中での最少得点差での登板と言うことでマクガフには大きなプレッシャーがのしかかったと思われる。しかも先頭の桑原にいきなり2ベースを浴びると自らのワイルドピッチも重なり、0アウト3塁という大ピンチを招ていてしまった。しかしここからのマクガフの投球が見事だった。普段からどんな場面でも表情変えずに淡々と自分のピッチングに終始出来る投手なのだが、今日もこのピンチで関根、佐野、オースティンと力のあるボールを中心に抑えきってみせた。石山に9回を任せることが難しいようならこのマクガフが担うのが適任なのかもしれない。1点でも奪われてしまえば、嫌な形で連敗してしまったゲームを引きずるようなゲームになってしまう可能性があっただけに、よくぞ無失点で締め括ってくれたという所である。

打線は今日も山田、村上に当たりがなく、DeNA先発濱口の前に抑え込まれてしまっていたのだが、意外な男の一発が勝負を決めることとなった。その男が隠れパンチャーの西浦である。コンスタントさには欠けるのだが、確かなパンチ力のある打撃は、西浦の魅力の一つである。忘れた頃に一発を放つことがある西浦なのだが、今日の一発も皆がそこまで期待していない中で飛び出したある意味西浦らしいホームランとなった。濱口のインコース低めのストレートを上手く拾い上げると打球はレフトスタンドにそのまま飛び込んだ。完璧な一振りとなった。
こういう打撃を見せられると西浦に夢を見たくなってしまうのだが、こういう打撃が長続きしないのが、西浦である。それでも時折放つ大事な場面でのホームラン含めた長打は魅力的である。


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