連敗を止める見本のようなゲーム

ヤクルト0-6阪神

タイトルはもちろん阪神側の視点に立ったものである。ヤクルトのチーム状態は良くないのだが、それ以上に深刻なのは阪神である。この試合が始まる前の時点で3勝19敗1引き分けというにわかには信じられない数字が並んでいた。4連敗中であり、ビジターゲームでは開幕から1試合も勝てていない状況だった。ここまで負けが込んでしまうと逆にプレッシャーも強くなり、深みにはまっていくことはよくあることである。精神的に厳しい状況にあったはずである。相手先発はエースの青柳だったのだが、それでも精神的にはヤクルトの方が優位に立てるゲームでもあった。
しかし初回に大山の2ランで2点を失うと、打線は青柳の前に沈黙してしまい、数少ないチャンスも活かすことが出来なかった。7回には、初登板となったコールが4点を失ってしまい、ゲームが決まってしまった。大型連敗を止めるときは先制点を奪い、エースが快投し、中押し点、ダメ押し点をしっかり奪い、メンタル的に落ち着いた中でゲームセットを迎えるのが理想的である。今日のゲームは阪神にとって理想的なゲームだったのではないだろうか?

スコア的にも展開的にも完敗なのだが、試合を面白くできそうな場面は2つほどあった。2点を奪われた直後の1回裏の攻撃と、膠着状態となっていた6回裏の攻撃である。
初回は、先頭の太田がヒットで出塁し、2アウト後村上、宮本が四球を選び、2アウト満塁のチャンスを作ったのだが、長岡が三振に倒れ、チャンスを逸してしまった。青柳はここ数年安定感が増し、攻略することは難しいのだが、コロナでの離脱もあり、調整が難しかったという部分はあったはずである。今シーズン2度目の登板ということで、立ち上がりは安定感に欠けていた。ここで1点でも返すことが出来ていれば、また違った展開になったはずである。しかし長岡は三振に倒れてしまった。ツーシームを続けられた後の外スラということで、まだ1軍のゲームに出始めたばかりの長岡は完全に翻弄されてしまった。長岡自身はプロの凄みを改めて感じたのではないだろうか?
もう1つ試合の流れを変えるチャンスがあったのは、6回裏の攻撃だった。スコアは、0-2のまま膠着状態で推移していたのだが、ここで先頭の青木が2ベースを放ち、チャンスメイクしてみせた。一瞬流れが変わりかけたのだが、ここで流れを渡さなかったのは青柳だった。山田、村上が連続三振に倒れ、反撃の空気が萎むと、宮本もピッチャーゴロに倒れてしまい、1点を返すことすら出来なかった。ここぞの場面だっただけに山田、村上には特に期待したのだが、今日は阪神のエースに上回れてしまった。

ヤクルト先発の高梨は、初回に2アウトランナーなしから佐藤輝に2ベースを浴びると、続く大山も追い込みながら甘く入ったフォークを捉えられ、先制2ランホームランを許してしまった。その後は6回まで無失点で抑えることが出来ていたからこそ、もったいない失点となってしまった。大山のホームランに関しては、完全に失投であり、追い込んでいただけに抑えなければならない場面だった。
6回2失点という数字は先発投手として十分合格点なのだが、数字ほどの安定感を感じることは出来なかった。
高梨が粘って何とか試合を壊さずに終盤に突入したのだが、7回にマウンドに上がったA.Jコールが誤算だった。先頭の近本を歩かすと、送りバントの後に佐藤輝にタイムリー2ベース、その後のピンチではロハス・ジュニアに3ランホームランを浴び、1回4失点で試合を壊してしまった。
清水が登録抹消されてしまった中でコールがリリーフとしてハマるとありがたいと感じていたのだが、今日の投球を見る限りでは、もう少し球速が上がってこなければ厳しいかな?という印象を持った。元々パワー型の先発タイプとの触れ込みだったと思うのだが、短いイニングでも想像していたような球速は表示されず、ボール自体も阪神打線に余裕を持って見極められてしまっていた印象がある。今日の投球を見ただけでは良さが感じられなかった。もう少し様子は見たいが、心配になる内容だったことは確かである。

今日の負けは、ヤクルトにとっては現実を思い知らされる敗北となったのではないだろうか?明日は石川で何とか勝ちたい所である。明日負けてしまうと今度はヤクルトの雲行きが怪しくなって来そうである。どんな形でも勝利が欲しい。

P.S 私は、今年のCREWユニフォームが好みです。このユニフォームを着てプレーする選手を見てより好きになりました。私がヤクルトファンになったのは1988年からですが、それ以前に着用していたホームユニフォームに似ていますかね?グッとくるオールドファンの方もいるのではないでしょうか?

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コメント

  1. 超匿名 より:

     青柳ということで苦戦は予想していましたが、完封とは狭い神宮でもあるので、見事と言うしかありませんね。
     山田もさっぱりでした。こういうのを見るとスタメンを外すという考えも、わからなくはないと思えてきます。それでも神宮では、少し間違えたらスタンドに入ってしまうという重圧を与えるために、長打力があることですし外して欲しくはありません。去年は高津監督に対してキレてしまいましたが、甲子園での対戦では、ベンチスタートもありかもという考えに傾いています。しかし超一流打者が故障や体調不良ではなく、単に苦手投手だからという理由で、スタメン落ちする光景を受け入れるのは簡単にはいきそうにありません。

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    青柳対策は首脳陣も色々考えているでしょうからね。もちろん私も山田ほどの選手であれば、相手投手関係なく先発起用というのが基本線だと思っています。

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