WAKUWAKUさせてよ

ヤクルト３－５DeNA

別に中山美穂のヒット曲からタイトルを頂戴した訳ではない（中山美穂の曲は「WAKUWAKUさせて」）。私がここ数年、最もワクワクしながら投球を見守った先発投手が高橋奎二なのである。このブログでも初めて1軍で登板してからここまで同じようなことを書き続けてきた気がする。ヤクルトの先発投手としては珍しく、ボールのキレと威力で打者を圧倒できるタイプの投手であり、登板前は、調子が良ければノーヒットノーランや完封、2桁奪三振が期待できるのでは？という気持ちを持って高橋の投球を見守ってきた。若さゆえの波の大きさや粗削りな部分も含めて魅力的に映ったものである。しかし質の良いボールを投げ込むのとは裏腹に、中々結果が付いてこなかった。失望した回数もそれなりに多かったのだが、それでも2021年シーズンの後半から覚醒し、リーグ優勝、日本一に貢献すると2022年シーズンも安定した投球を披露し、WBC日本代表に選出されるまでの投手になった。ここから全盛期を迎えるのかな？と感じていたのだが、2023年シーズンは本来の投球が影を潜めてしまい、今シーズンも思うような投球が出来ていない。1度2軍で調整し、今日の登板を迎えたのだが、結果は散々なものになってしまった。

最初に高橋の今日のスタッツを振り返っておきたい。
4回1／3で89球を投げ、被安打7（被本塁打1）、与四死球3の4失点。奪三振は0である。ストレートの球速こそ140キロ台後半をコンスタントに記録していたのだが、制球にバラつきがあり、相手打者に嫌がられるようなボールを投げ込むことは出来ていなかった。主導権を握って相手打線を圧倒する高橋の姿は、今日のマウンドにはなかったのである。牧を怪我で欠くなど、DeNA打線も盤石ではないのだが、そのDeNA打線にシンプルに力負けしてしまった印象である。力でねじ伏せたい投手が力負けしてしまったショックは大きい。おそらく高橋も今日の自分自身の投球内容にはショックを受けているのではないだろうか？高橋ー中村のバッテリーは、序盤は力のあるストレートを全面に押し出して打者にストレートを意識させ、中盤以降は変化球の割合を増やしながらゲームメイクをしていこうと思っていたように感じたのだが、実際には、そのストレート自体が通用せず、苦しいピッチングに終始することとなってしまった。開幕直後のゲームでは、上手くゲームを作る術も覚えてきたのかな？と感じる場面もあったのだが、その後結果を残せていない。
あの時私をワクワクさせてくれた高橋奎二の姿をまた見せてほしいのである。高卒9年目の27歳、本来であれば脂がのり切る時期のはずである。もう一度高橋奎二でワクワクしたいのである。
髙橋が5回投げ切れずに降板してしまった中でリリーフ陣は、2イニングを任された大西を筆頭に粘ってはいたのだが、9回に木澤が1点を失ってしまうなど、追い付くには至らなかった。チームが苦しくなるとどうしてもリリーフ陣の便利屋である大西に掛かる負担が増えてしまう。昨シーズンも今シーズンも本当に良く投げてくれている。

昨日フェンスに激突し、途中交代となった丸山和は、脳震盪特例による登録抹消となった。高津監督のコメントを見る限り大事には至っていないようで安心した。異常がなければ10日を経ずに戻って来れそうである。それでも好調だった丸山和を欠くことになってしまったのはチームにとっては痛いことである。
今日は、1番西川、2番長岡、3番山田、4番村上、5番サンタナ、6番オスナ、7番中村、8番濱田、9番高橋というスタメンとなった。山田を3番に配置したのは、気分転換や、過去のルーティンの中で少しでも状態が上向くことを願った苦し紛れの采配にも映った。その打線は、DeNA先発石田健の前に苦しんだ。私の中では、石田健は、ストレートとカットボール、スライダーといった左打者から逃げていき、右打者には喰い込んでくるボールを軸に組み立てる印象が強かったのだが、今日はスクリュー気味のチェンジアップを効果的に使われてしまった。このボールが各打者にとって邪魔になるボールとなってしまったのではないだろうか？ヒットは出るものの繋がりに欠け、6回までは無得点で試合が推移してしまった。7回にようやく村上、サンタナの連続ホームランで追い上げ、8回は2アウトランナーなしから長岡、山田、村上の3連打で1点を返し、尚も2アウト満塁でオスナが打席に入るというビッグチャンスが訪れたのだが、ここでオスナがファーストファールフライに倒れ、一打同点、逆転のチャンスを逸してしまった。ここの所少し調子を落としている印象があるオスナなのだが、この場面に関してもカウント3－1からのストレートに差しこまれてしまっており、やはり状態が少し落ちているように感じた。神宮球場の雰囲気は最高潮に達していただけに、何とかしてもらいたかったが、今日も追い付くところまでは至らなかった。
これで5連敗である。そろそろ止めないと昨シーズンのような大型連敗も覚悟しなければならなくなる。明日しっかり勝っておきたいところである。

P．S　今日は山田を3番で起用してきましたね。正直気持ちは入っていても身体が思うように動いてくれないように見受けられます。今日の第4打席でヒットが出たため、気分的にはほんの少し楽になる部分もあると思うのだが、正直ここから打撃成績が急上昇する画は描きにくい。どこまで喰らい付けるだろうか？