ヤクルト0-1巨人
勝ちに行ったゲームで勝つことが出来ず、残り1試合勝ったとしても、中日が負けない限りは、最下位に沈むことになってしまった。安定感に欠けた立ち上がりのグリフィンから得点が出来なかった事が、敗戦に繋がってしまった。投手陣は、山野がいい投球を見せてくれたのだが、後1アウトで先発投手の責任イニングを投げ切れるという所で、踏ん張り切れず、大西のリリーフを仰ぐ形となってしまった。今日は敢えて、リリーフ陣の陰の功労者大西について触れてみたいと思う。
大西の今シーズンの成績は、46試合、55回、2勝2敗6H 防御率3.60という数字が残っている。高津監督は、2020年から指揮を執っているのだが、投手運用という部分については、その前の10年を任されていた小川監督、真中監督とは、違ったマネジメントを行っていた。シーズンの山場となる大事なシチュエーションのゲーム以外は、ある程度負担を減らすマネジメントを行っており、勝ちパターンの投手であっても休養日を設けたり、登板を控えたりすることで、負担の軽減を図ってきた。もちろん勝利を最優先してマネジメントしているのだが、最終的にはシーズン終了時点で首位に立てるようにリリーフ陣をやり繰りすることに特徴があった。このマネジメントが当たったのが、21年シーズンであり、22年シーズンだった。チームが上手く勝利を拾うことが出来れば、このマネジメントがハマるのだが、逆に中々勝ちが拾えなくなってしまうと、どこか投手運用がギクシャクしているように感じてしまう。2020年シーズンや今シーズンはそういったシーズンになってしまった。思うような投手運用が出来なくなってくると、特定の選手にしわ寄せが行くこととなる。今シーズンその役割を担ったのは、大西だったのではないだろうか?全てリリーフで46試合登板して、登板数を大きく上回る55イニングを投げていることからもタイトな起用が続いたことが浮かび上がってくる。先発が早い回で崩れた際のロングリリーフ、火消し、イニング跨ぎ、などあらゆる場面で登板機会があり、ホールドも6つ記録しているように、僅差の勝ちゲームでの登板もあった。チームがもう少し勝ち星を重ねることが出来ていれば、大西の負担は多少減ったと思われる(もう少し投げるシチュエーションが絞られたのではないだろうか?)。しかしシーズン通して、様々な場面で投げざるを得ないシーズンとなってしまった。数字だけを見てしまえば、それ程素晴らしいリリーフ投手という印象は残らないと思うのだが、高津監督をはじめとする首脳陣は、大西に頭が上がらない思いも持っているのではないだろうか?大西がこれだけ投げてくれたからこそ、来シーズンのリリーフ陣は「焼け野原」からのスタートを免れることが出来たのではないだろうか?
今日のゲームも、5回2アウト、ランナー1,2塁という場面からの登板だったのだが、この場面はウォーカーを三振に斬って取り、見事な火消しを見せると、続く6回もマウンドに上がり、ピンチを招きながらも無失点で抑え、役割を果たしてくれた。数字以上にチームへの貢献度が高い投手だと感じる。ルーキーイヤーから着実に成長してきていることを感じることが出来る投手である。
山野は、右打者を並べてきた巨人相手にも堂々としたピッチングを見せてくれた。巨人打線はストライクを取りに来る山野のボールを早いカウントから積極的に狙ってきたのだが、上手くバットの芯を外したり、タイミングを外したりすることで、決定打を許さなかった。テレビで見ていると分からないのだが、やはりストレートは多少ムービング系の球質だったり、意図的に球速を変えたりといった工夫がなされているのではないだろうか?この辺りが怪我で離脱した後の山野の投球スタイルである。そして1軍である程度通用しているポイントの一つがフォークやチェンジアップと言った縦の変化球で空振りが奪えるようになったという部分も上げることが出来るのではないだろうか?このボールは打者として邪魔になる球種になっているように感じる。来シーズン以降は、今シーズン以上に研究されると思うのだが、このフォークやチェンジアップを効果的に使い続けることが出来れば、来シーズンもそこそこはやれるのではないだろうか?5回に伏兵の岸田にホームランを浴び、その後も後1アウトが取れずに降板となってしまったことは残念だったが、来シーズンに繋がる投球を見せてくれた。現在の課題であるコントロールという部分が安定してくれば、是非元日本ハムの武田勝のようなスタイルを目指してもらいたい。久々に「巨人キラー」の誕生にも期待したいところである。
打線は、今日もほぼフルメンバーで臨んだのだが、決して調子が良いとは思えなかったグリフィンから得点を奪うことが出来ず、7回まで投げ切られてしまったのが痛かった。もちろんグリフィンは好投手であるのだが、これまでのヤクルト戦の登板と比べても、今日の出来はそこまで良くは感じなかった。特にストレートが高めに浮いており、このボールをしっかり見極めることが出来ていれば、グリフィンー岸田のバッテリーは苦しくなっていたはずである。しかしこのボールに手を出してしまう場面が目立ち、不安定だった序盤に崩すことが出来なかった事で、最終的には7回を無失点で投げ切られることに繋がってしまった。この辺りの攻撃の不味さも今シーズンを象徴していた。
10月4日の最終戦では少しでもファンを喜ばす打撃に期待したい。
P.S 今日は巨人の松田の引退試合でしたね。亜大時代はチームの不祥事で対外試合禁止処分や2部への降格なども重なり、苦労してのプロ入りとなったのですが、ソフトバンクでは中心選手として黄金時代を支え、日本を代表するプロ野球選手となりましたね。前向きな姿勢、態度、大きな声、コミュニケーション能力の高さなど、野球のプレー以外でも選手や首脳陣、ファンを引き付けるものがある選手でした。18年間のプロ野球生活、お疲れさまでした。
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コメント
大西はほんと良く投げてくれてますね
ホールドが6しかなかったとは…それでいて清水や木澤より投球回が多いとは…
ビハインドに火消しに回跨ぎ
まさに縁の下の力持ちでしたね
ロドリゲスと吉村をリリーフで試すという話ですが…意味があるんだろうか?
いっそ坂本や竹山が見たい
saboさんへ
こういうチーム状態に陥ってしまったからこそ、という部分がありますが、大西は本当に良く投げてくれましたよね。
山野が巨人に通用するのは嬉しいですね。来季は他の球団にも通用する投球を期待したい。
今季好調ではない巨人相手に対戦成績がダブルスコアだったのは、どう考えても負け過ぎで見ていて面白くないシーズンでした。元々打ててない球場ですが、比較的一発が出易いドームなのに村上のアーチが見れないのも寂しい。
超匿名さんへ
調子の悪い巨人相手にこれだけ負けてしまったというのは、残念でしたね。
山野は、まずプロでの第一段階をクリアしたという感じですかね?巨人戦での好投は心強いですね。