ヤクルト2-1DeNA
今シーズンのヤクルトの数少ない勝ちパターンと言えば、今日のようなロースコアのゲームを何とか拾っていくゲーム展開である。しかし、今日の勝利については、同じ2-1というスコアであっても見える景色はだいぶ違うように感じた。これはチームが連勝中だったからそう感じただけなのかもしれないが、アビラの投球は危なげなく感じたし、打線に関しても得点の匂いは常に漂わせてくれていた。これまでは「勝ちを拾う」という表現を多用させてもらったが、今日は「勝ち切った」と表現できる2-1だったのではないだろうか?
先発のアビラは、相手先発がメジャー実績では格上のバウアーだっただけにいつもと違う緊張感もあるのかな?などと想像していたのだが、実際にはいつもと変わらぬ投球を披露し、2回、3回、6回にダブルプレーを奪うなど、ファストボール、変化球ともに低めのコースに丁寧に投げ分けてみせた。オールスター前にはリリーフ登板も経験したのだが、今日は先発としてしっかり役割を果たしてみせた。球数少なく、安定してイニングを喰えることはアビラの長所である。7回に岩田のエラーも絡んだ中で1点を失ってしまったが、2点リードがある場面であり、アビラー古賀のバッテリーは冷静さを保てていた。怖い佐野をセカンドゴロに打ち取り、1点は失ったものの、ランナーをいなくなり、後続をきっちり打ち取ってみせた。7回で79球を投げ、被安打4、与四球1の1失点(自責点0)というスタッツは、アビラに求めるハードルをすべてクリアしてくれたように感じるスタッツだった。初めての日本の暑さに慣れない部分もあると思うのだが、これだけ内容のある投球を披露してくれたということは、本当に暑さに強いタイプなのかもしれない。今日の投球は見事だった。
2-1と1点リードの展開で、アビラに8回も続投させる選択肢はあったと思うのだが、ヤクルトベンチは、8回からリリーフ陣に託す選択をした。
今日は8回大西、9回星という順番で継投することとなった。大西は、先頭の蝦名に2ベースヒットを浴びてしまい、一打同点のピンチを背負ったのだが、続く三森の送りバントを古賀が三塁で刺し、ピンチを防いでみせた。古賀の送球はワンバウンドとなり、三塁手にとって非常に難しいシチュエーションだったのだが、この回からサードに回っていた赤羽が上手く捌いてみせた。ショートバウンドを捕球し、ランナーにタッチすることももちろん難しいのだが、このシーンにおいては、一旦バントに備えてチャージを掛けながら、三森のバントがキャッチャー前に転がったのを見て、三塁へ戻りながら送球をキャッチしなければならなかったため、地味に難易度の高いプレーだったように感じる。捕球出来なければ、一気に流れがDeNAに傾く状況での好守備だった。赤羽は続く松尾の三塁線の打球も無難に処理し、ダブルプレーでピンチを脱してみせた。今日の陰のヒーローは赤羽で間違いないだろう。
9回を任された星も先頭の代打宮崎にヒットを打たれ、1アウト2塁というピンチを招いたのだが、京田をショートゴロ、佐野をライトフライに打ち取り、1点のリードを守り、試合を締め括ってくれた。ボールの威力だけでなく、メンタル面でも成長した姿を見ることが出来た。
状態は良くないとは言え、強力DeNA打線相手に3投手がしっかり結果を出して勝ち切ったことの意味は大きい。
打線では、バウアー相手に山田、内山の両選手が貴重な一打を放ってみせた。今日のバウアーは、多少ストレートが高めに浮くシーンは見られたが、ボールに威力を感じ、調子自体は良いように感じた。今日のバウアー相手に得点を重ねることは難しいと感じていたのだが、2回に山田がバウアーのナックルカーブにしっかり反応すると、打球は滞空時間の長い一打となり、そのままレフトスタンドに飛び込む先制ホームランとなった。初回、2回とヤクルトの各打者がバウアーの前にしっかり抑え込まれてしまっていたため、このままズルズル行ってしまう可能性もあるかな?と感じる部分もあったのだが、そんな場面で山田が見事な一発を放ってみせた。今日のゲームの中でも貴重なホームランとなったのだが、このホームランは、これまでの球団記録池山隆寛の通算304号ホームランを超える通算305号ホームランとなった。近年のコンディション不良もあり、だいぶ時間がかかった印象もあるのだが、背番号1の先輩池山の記録を破ったということで感慨深いものがある。
そして若きスラッガー内山も6回にバウアーのストレートをジャスミートすると打球は左中間を破るタイムリー2ベースヒットとなった。バウアーの力強いストレートに力負けすることなく、完璧に捉えた見事なバッティングだった。
今日の得点は結局この2点のみに終わってしまったのだが、8回に村上が申告敬遠されてオスナと勝負す場面があるなど、村上が復帰したことによって、それだけでチャンスの回数は増えることを実感することが出来た。昨日のブログでようやく他球団と戦える状態になったと書いたように、決して他球団よりアドバンテージがあるチーム状況だとは捉えていないが、それでも8連勝の勢いを明日以降にも繋げてもらいたい。
見える景色が変わってきたことは確かである。
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