寺尾の突っ張り

元関脇・寺尾の錣山親方死去　“井筒3兄弟”早すぎる死…兄も60歳、58歳で天に― スポニチ Sponichi Annex スポーツ

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思い出ショートショート⑱
元関脇寺尾の錣山親方が死去したとのニュースが飛び込んで来た。幼い頃、夢中になってテレビで見ていた力士の死ということでショックが大きい。
我が家は、祖母が大相撲を見るのが大好きで、千代の富士の大ファンだった。毎場所夕方17時以降は、テレビで大相撲を見ていたため、私も物心が付いた頃から自然と大相撲を見るようになっていた。幕内の力士と言えば、今程ではないが、当時から大型力士が多かった。その中で数少ない「ソップ型」の力士だった寺尾のことは、すぐに好きになった。決して大きな身体ではないのだが、超高速回転の突っ張りを中心にスピード感あふれる相撲を取っていた。あれ程回転が速く、綺麗な突っ張りは、見たことがない。最高位は関脇だったのだが、そのスピード感あふれる相撲で番付上位の力士とも真っ向勝負する姿に痺れたものである。
特に大横綱千代の富士との取り組みは印象的である。毎回のように高速回転の突っ張りを繰り出し、千代の富士相手でも真っ向勝負を挑むのだが、その突っ張りをしっかり受け止められ、最後は敗れてしまうことが続いていた。いつも「惜しいなあ。」と感じながら見ていたため、寺尾が千代の富士相手に金星を上げた時は嬉しかったことを覚えている。その後の取り組みで千代の富士が吊り落とし（現在の決まり手であれば送り吊り落としになるのかな？）で寺尾を叩きつけた一番も印象に残っている。
年齢を重ねるごとに四つ相撲も取れるようになり、突っ張りとスピードという部分以外でも勝負出来るスタイルを身に付けていった。長年に渡って現役を続けた秘訣は、常に相撲を研究し、鍛錬を続けたからこそではないだろうか？
こういった訃報に触れる機会は、今後どんどん増えていくのだろう。私も確実に歳を取っていっているということである。
ご冥福をお祈りします。

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