ヤクルト1-4中日
今シーズンも怪我で出遅れてしまった山田だが、ここの所は、スタメンでの出場が続いている。高津監督は、山田を休ませながら起用することを実行した監督であり、状態が悪ければスタメンを外すこともある。下位打線に山田を配置したのも高津監督である。練習試合、オープン戦で山田が下位打線に配置されたときに違和感を覚えたのだが、今は何も違和感を感じることはなくなっている。数字を見ればスタメンを外れたり、下位打線に配置されるのも納得である。正直これだけ結果が出ず、内容も伴っていなければ、もう少し出場機会が減ってもおかしくないと感じているのだが、先程も書いたようにここの所スタメンでの出場が続いており、今日は5番セカンドでの起用となった。これだけ先発出場を続けているということは、今の山田にとっては、ある程度のコンディションにあるのではないか?というのが私の見立てである。2軍で再調整すれば今以上に数字を残せるという状況ではなく、今の山田の実力通りの数字が並んでいると見るべきだと思っている。打席でフルスイングをした時に下半身が崩れる場面をたびたび目にするのだが、その姿を見ると私は、下半身に不安を抱えながらプレーしていたバレンティンの姿を思い出す。今の山田に過去の走攻守三拍子揃った山田の姿を重ねることは出来ないと思っている。それでも先発出場を続けるのは、今の山田であっても、その牙城を崩す選手がいないからという部分も大いにあると思っている。
キャンプの時には武岡がどこまで喰らい付けるか注目していたし、開幕前は「セカンドでレギュラーを狙いたい。」との発言もあった赤羽に期待したし、今は北村拓が打撃でアピールを続けている。村上、長岡の離脱もあり、内野陣のやり繰りに苦しんでいる部分があり、本来であれば山田にはセカンドにどっしり座ってもらいたいのだが、高津監督がどこかで決断しなければならない時が来るのかもしれない。
ヤクルトの至宝山田に関しては、球団史に残るプレーヤーであることは疑いようがない。ルーキーイヤーから活躍を目の当たりにしてきたファンの一人として、今でも山田が打席に入ると期待感がある。ここ数年、思ったような数字は残せていないのだが、それでもチャンスで山田が打席に入ると球場の雰囲気を一変させるだけの存在感があった。今もその雰囲気は健在なのだが、ファンの期待に応えることが出来ない場面が増えてきている。多少身体のキレが失われたとしても打撃面で貢献してくれれば、それで十分との思いも持っていたのだが、その打撃面で結果を残すことが出来ていない。甘いボールに手が出なかったり、捉えきれない場面が目立ち、差し込まれてしまったり、打ち損じたりしてしまう場面も目立っている。数字と比例して打席での内容も良くないと感じている。今日のゲームでも4打数ノーヒットと結果が残せず、守備面でも往時のキレを失っている。今のヤクルトは得点力不足に悩んでいるため、長打の打てる山田の存在は貴重なのだが、打率.203が示すように確率が低すぎる。今日も欠場となったサンタナの状態にもよるのだが、山田の起用法については今まさに分岐点を迎えているように感じる。
今日のゲームでは、最近ショートでの出場機会が多い北村拓がホームランを放つ場面があった。このまま打撃で結果を残していけば、出場機会を今以上に増やす可能性もあるだろうか?ここに赤羽や現在2軍の武岡、村上復帰後の茂木などがセカンドのレギュラーを狙う格好になるだろうか?今のメンバーに高い競争を期待するのは酷なのだが、チームの総合力を高めるために上手く起用法を考えていってもらいたい。
私は山田の起用法に関しては、大きなコンディション不良がない限りはレギュラーで使い続けてもらいたいという立ち位置でこのブログを書き続けてきていた。しかし今シーズン前のブログ記事で「山田、塩見が不在でもその存在をカバーするチームに」ということを書いたように、今の山田であれば、他の選手がレギュラーを奪取するような展開もあり得ると考え始めていた。しかし、結局現段階では、山田も結果を残せていないが、それをカバーする選手も出て来ないという状況に陥ってしまっている。これでは、チーム状態は中々上がってこない。明日以降山田のレギュラーを奪取するようなプレーヤーは現れるのだろうか?もちろん山田が復調し、数字が上向けばそれはそれで良いのだが…今はどちらも難しい状況にある…。
山田の状態について長々と書いてしまったのだが、今日の試合内容も苦しいものとなってしまった。先発の高梨は、今日も質の良いボールを投げ込んでおり、5回まで中日打線を1安打に封じてみせた。縦のカーブでもカウントが取れることが今シーズンの高梨の強みなのかもしれない。内容も非常に良かったのだが、6回にピッチャーの三浦にヒットを許すとここから岡林のタイムリー2ベースに澤井のエラーが絡んで2点を失うと、その後高梨自らのボークもあり、もう1点失ってしまった。今日のゲーム展開では、致命的な3失点となってしまった。ボールの走りが良かっただけにピッチャー三浦に浴びたヒットとボークが勿体なかった。これだけのボールを投げ込めていれば、もう少し失点を減らせても良いと思うのだが、どうしても粘り切れない場面が出てきてしまう。ここが高梨の永遠の課題なのかもしれない。後出しになってしまうのだが、今シーズンの高梨はランナーを出した後の投球時にセットポジションに入って以降の静止が短く感じる場面が時折あり、ボークに気を付けてもらいたいと思っていたのだが、今日のゲームで不安が現実になってしまった。ランナー3塁の場面であり、全く慌てる必要はなかったのだが、高梨本人の中で今のセットポジションでのリズムがしっくり来ているという部分があるのだろうか?高梨自身フォームを改良するなどして今の投球を作り上げたと思うのだが、セットポジション時の静止については、次回以降も気を付ける必要がありそうである。
9回に2点ビハインドでマウンドに上がった木澤が乱調となってしまったのも気掛かりである。明らかにボールが制御できていない場面もあり、1イニングを投げ切ることが出来なかった。本来であれば勝ちパターンで使いたい投手なだけに心配である。
苦しい日々は続いていきそうだが、中日は戦いづらいチームではないだけにホーム神宮で何とかカード勝ち越しを達成してもらいたい。
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コメント
山田哲人の考察、じっくり読ませて頂きました。
キラキラ輝いていた頃の、走攻守にハツラツとしていた山田哲人の記憶が鮮明なだけに、正直言って、山田哲人の衰えは「考えないようにしている」自分がいました。
と同時に、山田哲人を脅かす存在、塩見を、長岡を、そして村上宗隆を脅かす存在が、出てこない、今のスワローズの寂しさも。
ちなみに私も送りバントは否定派ではありません。打ちまくる野球からほど遠いスワローズ、泥臭くても点を取らなきゃ始まらないスワローズには、必要な(=そうでもしないと)勝ち筋すら見えないので。
でも、送りバントをすると決めた以上、決めなきゃ話は始まらない、って話で、なにが言いたいかと言うと、岩田、決めておくれよ、という本日の試合でした。
fiysさんのコラムで、敗戦帰りの頭を冷やすことができました。いつもありがとうございます。
grassさんへ
拙いブログを読んでいただきありがとうございます。元々層の薄さはチームの弱点だったのですが、諸力の離脱、不調が重なり、非常に厳しい状況に追い込まれてしまいましたね。
山田の復調に期待するのも虫が良過ぎますかね?
山田、村上みたいな特別な選手はそうは出ないので、我慢して若手を使い続けるしかないと思います。
打撃が全然でも守備が良いとか盗塁が出来るとか一つ輝けるものをある選手を使い続けるしかないと思います!
アームさんへ
総合力で勝負するタイプの選手も必要ですが、一芸系の選手は、育った時のリターンが大きい印象ですね。