2019年戦力外選手

本日10月1日(火)、下記の選手に戦力外通告をいたしました。

村中 恭兵 投手、岩橋 慶侍 投手、沼田 拓巳 投手、 大引 啓次 選手、山川 晃司 選手

今年もこの時期がやってきてしまった。村中、大引に関しては、随分前から戦力外の報道は出回っていたのだが、その報道通りに戦力外通告がなされた格好である。村中、大引を中心に1人ずつ簡単に触れていきたい。

村中 恭兵投手
・2005年の高校生ドラフトは私にとっては非常に印象深いドラフトとなった。個人的に獲得を期待していた村中と川端の両獲り成功したためである。この年の高校生左腕と言えば元巨人の辻内が№1評価だったと記憶しているのだが、村中の投手らしいシルエットとしなやかな腕の振りに魅了されていた私は、辻内よりも村中派であった。プロ入り3年目には先発ローテーションの座を掴み、巨人戦での9回1アウトまでノーヒットピッチングを披露した時の興奮は今でも覚えている。その後怪我にも苦しんだのだが、2010年シーズン、2011年シーズンには輝きを放ち、2012年シーズンにも2桁勝利を記録してみせた。正直2012年シーズンに関しては、思ったよりも安定感に欠け、評価しづらいシーズンだったとも記憶しているのだが、ここからエースとしての階段を上っていくものだと疑わなかった。しかしこの年を最後に先発としては結果を残せなくなり、背番号も15から43に変更されてしまい、苦しいシーズンが続いてしまった。2016年シーズンにはリリーフとして一瞬輝きを取り戻してくれたのだが、それが最後の輝きとなってしまった。
これだけ才能のある投手を育て切れなかったことはチームとして痛恨の出来事だったのではないだろうか?ドラ1四兄弟の長男村中もチームを離れることとなり、村中、増渕、由規、赤川の4人全てがヤクルトから姿を消すこととなってしまった。本来であればこの4人が今頃チームの投手陣を引っ張る存在になっていなければならなかったのだが…
まだ32歳になる年齢なだけにまだまだ投げてもらいたいのだが、これだけ本来の姿を見失ってしまった投手が新たに輝ける場所はあるのだろうか?

大引 啓次選手
・2015年よりヤクルトで5シーズンプレーした。日本ハムからFAで移籍して来た際には、個人的には辛口な記事も書いた記憶がある(FAで獲得するだけの選手なのだろうか?という主旨の文章)のだが、いざヤクルトでのプレーを見るとショートとしての安定感に驚かされた。当時のヤクルトはショートが固定出来ていない状況にあり、どんぐりの背比べ状態が続いていた。そういった選手の守備を見る事に慣れていたのだが、この大引のプレーはそういった選手達に比べて数段上のレベルで守っている印象があった。数字だけでは良さが見え辛い選手の代表なのではないだろうか?2015年シーズンは怪我での離脱もあったのだが、ヤクルトのリーグ優勝に大いに貢献してくれたと思っている。
年齢的な衰えもあり、中々レギュラーとして試合出場を重ねることは少なくなっていたのだが、守備だけではなく、打席で時折見せるヤマを張っての狙い打ちなどは大引が駆け引き上手な選手であることを感じさせてくれた。大活躍した訳ではないのだが、2015年シーズンを中心に印象に残る活躍もいくつか見せてくれた。FAで来てくれて本当に良かったと思っている。

岩崎 慶侍投手
・岩橋はアマチュア時代から相手打者から打ちづらいフォーム、ボールを求め続けてきた野球人生だったのではないだろうか?決して球速は速くなくても曲げて落としてタイミングを外してプロの打者と対峙して来た。ルーキーイヤーから1軍での登板機会が与えられ、リリーフでも先発でもどちらでも投げられる雰囲気も感じさせてくれていたのだが、結局は怪我に泣かされるプロ野球人生となってしまった。2017年シーズンには菅野相手にあわや金星か?というような投球も披露してくれたのだが、勝ちには繋がらなかった。このタイミングでの戦力外通告は致し方ないところだろうか?

沼田 拓巳投手
寺田、菊沢が戦力外になったときにも感じたのだが、オールドルーキーと呼ばれるような年齢の選手を下位指名しておいて、2年で見切ってしまうというのはちょっと乱暴である。もちろん沼田自身の実力が足りなかったと言う部分はあるのだが、これだけ同じような指名と戦力外通告を繰り返してしまったことに関しては、フロントにも責任があると思う。こういったドラフト指名をいつまで続けていくつもりだろう。
自慢のストレートもプロの世界では武器となり得なかった。

山川 晃司捕手
・「あの2014年ドラフト」の生き残り組だったのだが、今シーズンは投手として2軍のマウンドに上がることもあるなど、プロの世界でどうやって生きて行くか決め切れないまま戦力外通告を受けてしまった。2014年のドラフトの際には当時のチーム事情を勘案した中で高校生捕手が3位で指名されたことに驚きを感じたのだが、それだけ評価の高い選手なんだろうな?と感じていた。しかしその片鱗を見せられないまま終わってしまった。
昨シーズン辺りからブルペンに入っているとの情報があり、今シーズン終盤には2軍のゲームに投手として出場したため、もう1年は様子を見るのかな?とも思ったのだが、ここで戦力外となってしまった。ドラフトの状況によっては育成枠で残る可能性もあるのだろうか?

プロの世界と言うものは厳しいものである。それでもその世界でプレーしていた事を誇りに思ってもらいたい。これまでヤクルトスワローズの一員としてチームを支えて下さり、ありがとうございました。

P.S 他球団が獲得を検討しそうなのは、この中ではやはり大引ですかね?数字以上にチームに好影響を与えられる選手だと思っています。

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コメント

  1. sabo より:

    とりあえず予想はされていた選手たちが出てしまいましたね。まだ第二弾があるでしょうか?

    どのスポーツでも最近は選手寿命が延びてきていると感じますが、それはあくまでトッププロの話だと思い知らされますね
    戦力外線上の選手たちはとにかく年齢で左右されると感じます

    個人的にはもし本人が良ければプロから声が掛からなくても独立リーグで1年でもプレーしてみて欲しいです

  2. k より:

    今年の戦力外は引退が多かったので少ないかなと思っていましたが割りとカットしたなと印象です。
    まず村中は制球力が二軍でもダメだったのでそろそろと思っていたので納得ですかね、やっぱりイップスだったのかなという感じですかね(ドラ1で素質はいいので年齢気にしなければ他球団が取るかもしれませんね)
    次に大引は戦力外というより年齢的な問題かなとトライアウトも受けないようなので、どこか話があるのかもしれませんね。
    岩橋は個人的には期待していたので残念でしたね、トミージョンを受けていたのは知りませんでした。ケガが理由と思いますが一時期は好投していたので育成も有りかなと思いましたが、そんな余裕がないチーム状況ですから彼も余裕がある他球団からの声が掛かるかですね。
    私も沼田の戦力外は乱暴だと思います、二軍で150とか出てましたし、25才なら成長もあるかなと思っていたので、なんでドラフト8位で取ったのか不思議ですね(菊沢もですがスポンサー枠や何か裏にあるように感じますね)
    最後に山川は22才で投手もやらして器用な選手だと思いますが戦力外の理由は何でしょうね?捕手も野手も投手も全てダメって野球以外の事もあったのかなと。これで2014年は風張を残すのみとなりましたね、その風張も二軍でしか結果が出ず長くはないと思いますので球団フロントは責任を取らないといけませんよね、あまりにもこの年が使えないから今のヤクルトがあるのかなと(風張だけでも一軍で定着して欲しいですね、先発転向も面白いかもしれませんけど)

  3. パイン より:

    今回の戦力外引退の顔触れは、2015年をピークに、ひとつの世代の終焉を見るようですね。

    高卒投手の育成能力のなさを問題にするコメントを見聞きしますが、若くして芽が出なかったという投手がいない。
    そもそも高校生投手の指名が少なかったというのが実情でしょう。
    ドラ1四兄弟が、少なからずトラウマになっていますかね。

    上位進出の戦略をブルペン強化に定めてから、即戦力に近い大学生社会人が増え、そのほとんどがリリーフタイプ。
    育てるより、すぐ使えるかが問題になるので、沼田みたいなことになる。
    3年は面倒見ると決めるべきで、それも適わないのは調査不足といえるのではないでしょうか。

  4. FIYS より:

    > saboさんへ

    四国アイランドリーグ設立当初の目的は兎に角NPBでプレーしたい選手の受け皿になると言う部分が大きかったと思うのですが、野球を続ける1つの手段として独立リーグが定着してきましたよね。悪いことではないと思っています。

  5. FIYS より:

    > kさんへ

    寺田、菊沢、沼田と続いてしまったのが残念です(選手自身ではなく球団に対しての失望です。)。

    山川はドラフトの結果如何では育成で残る可能性はありますかね?

  6. FIYS より:

    > パインさんへ

    私も3年は面倒を見るべきだと思っています。それが敵わないのは調査不足。その通りだと思います。

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