勝ちは勝ちだよ奥川君

ヤクルト11-7広島

先発の奥川が初回に滅多打ちに遭い、4点を失ったのだが、すぐさま打線が4点を奪い同点に追い付くなど奮起し、最終的には奥川に白星が転がり込んだ。これも野球である。前日のゲームでは数字のスポーツ、確率のスポーツという部分も用いて記事を書いたのだが、開幕カード以降のチームの不思議な噛み合いを見ていると、メンタルスポーツという側面も持ち合わせていることを感じることが出来る。チームの実力以上のものが出ていると感じる。

中10日での先発となった奥川は、5回で84球を投げ、被安打10(被本塁打1)、無四球の5失点で勝ち投手となった。初回は簡単に2アウトを取ったもののその後、広島打線に掴まり、5連打を許し、あっという間に4点を失ってしまった。前回の阪神戦に比べて球速も出ていなかったため、調子自体も良くはなかったと思うのだが、これだけ打たれてしまったというのは大きな課題である。長いシーズンを考えると絶好調の状態で投げられる日はほとんどないと思われるため、ボールが走らなくても相手打線と対峙できる術を覚えていく必要性がありそうである。中10日空けて投げた中でこういった投球だったということは、これが今の奥川の実力という見方をして良いのではないだろうか?
しかし雨での中断を挟んだ中で5回まで投げ切ったのは立派である。もちろん打線の援護があったからこそ続投できたという部分はあるのだが、2回からは、鈴木誠のソロホームランによる失点のみで踏ん張ることが出来た。被安打10ということなのだが、これだけ打たれても球数を84球で抑え、無四球で投げ切ったところに奥川の非凡さも感じることが出来た。現代野球では、先発投手の球数という部分は、非常に重要視されており、高津監督も100球を目途に先発投手を交代する場面が目立っている。そういったことを考えると奥川の投球スタイルというものは、確立してくれば理想的な先発投手像ということも言えるのかもしれない。星稜高校時代に見せてくれたような凄みのある投球はまだ見れていないのだが、それでも楽しみな投手であることに変わりはない。まずは「初勝利おめでとうございます。」という言葉を送りたいと思う。

初回に4点を失った段階で現在のヤクルト打線の状態を考えるとかなり厳しくなったと感じていたのだが、その裏相手のまずい守備もあり、3連打で0アウト満塁のチャンスを作ると村上が押し出し四球を選び、まず1点、続く荒木、太田の犠牲フライで1点差とすると、西浦にタイムリーが飛び出し、すぐさま同点に追い付くことに成功した。長打なしでの4得点ということで本当に上手くつながった印象である。村上がしっかり4番として相手バッテリーにプレッシャーを掛けて押し出し四球を選んだことが大量得点につながったと感じたし、太田の犠牲フライで一塁からタッチアップした場面も見事だった。青木が離脱し、山田もコンディション不良を抱えている中で、気持ちを全面に出してチームを引っ張る村上の姿がとても逞しく見える。ヤクルトの太陽のような存在になってくれている。
その後1点を勝ち越されたのだが、直後の3回裏にも村上の四球からチャンスを作り、西浦、松本友の連続タイムリーで逆転に成功すると、4回には山崎にホームラン、5回には西浦、山崎のタイムリーで加点し、リードを広げてみせた。8回には村上に留めのタイムリー2ベースが飛び出し、試合を決めてみせた。
3打席連続でチャンスできっちりタイムリーヒットを放った西浦、4安打1ホームランと前日のゲームに続いて気を吐いた1番山崎など脇役勢の活躍が目立ったゲームではあるのだが、やはり打線の幹となる村上の存在の大きさを感じるゲームとなった。

昨シーズンの開幕直後にもあったのだが、チームが噛み合い、実力以上のものが出始めていると感じるゲームとなった。しかし今の状態が長続きするものではないことは、昨シーズンの経験から学んでいるつもりである。メンタル的に乗って行けているうちに少しでも勝ち星を稼ぎ、その中でチームの戦力を整えていきたい所である。

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コメント

  1. sabo より:

    奥川初勝利はめでたいですね!
    内山もデビューしましたね!雰囲気出てて良かったですね。
    名古屋には連れて行かないかなと思いましたが、公示では渡邊が抹消されてたりファームの試合は組めなかったりでまだ一軍で出番があるのかな

    打つ方はすぐに追いついたのが良かったですね。犠牲フライ2本でしっかり2得点。そして村上の2塁タッチアップ。あの走塁で同点まで持って行けたのは大きかった。神走塁でしたね

    全体としては実力以上の力が発揮できて勝ち越せた感じですね
    波に乗れてると言えるし、勝てるときに勝つことが大切だと思います
    本当に強い投手から点を取れている印象は無いので、相手先発から先制してリリーフつぎ込んで逃げ切る、という作戦で良いと思います
    とはいえナゴドで小川田口なら7回は投げてもらわないとね

  2. JEF九郎 より:

    奥川くん、序盤はフォームも小さく球も走っていないように見えましたが、尻上がりに良くなり、5回あたりは躍動感を感じました。

    今日は野手のお陰というところもありましたが、気持ちを切らさず丁寧に投げる姿は好印象でしたね。これからも頑張って欲しいです。

  3. FIYS より:

    saboさんへ

    そうですね。勝てるときにとにかく1つでも勝ちを拾うということが大事ですよね。

    私も小川、田口にはバンテリンドームでの今の中日相手であれば7回は投げてもらいたい気持ちが強いです。

  4. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    奥川らしさは見せてくれたと思います。今のボールの質では初回のように滅多打ちにある可能性もあり得ると思うのですが、それでも修正しながら5イニングを投げ切ったことは並の高卒2年目投手ではないですよね。

  5. タラちゃん より:

    奥川は初回5連打されながらも2回以降は鈴木誠也のソロHRだけに抑え、四死球は0.
    とにかく逃げなかったこと。これは評価したい。
    書いてるのは、4/11になるのですが、
    抹消せずに甲子園で先発するとのこと。
    次の登板どういう投球になるのか気になるところ。
    そして金久保も昇格してるので、どういうローテに来週なるのか気になる。

  6. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    奥川の次回の登板、金久保の次回の登板ともに楽しみですよね。

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