Mr.長野 帯刀秀幸

陸上競技


思い出ショートショート㉘
今年で31回目を迎える都道府県対抗男子駅伝で今や常勝軍団となっている長野県チームではあるのだが、常勝軍団になる前の時期にチームを支えた代表的ランナーが亜大ー富士通で活躍した帯刀秀幸だった。
長野県が駅伝王国となったのは、佐久長聖高校が長距離に力を入れ始めた以降の事ではあるのだが、その前から伊藤國光、中山竹通、福島正など日本を代表するような長距離ランナーを生み出す土壌があった。伊藤は当時長野県の強豪校だった上伊那農業高校出身なのだが、中山は池田工業、福島は大町北高校という駅伝とは無縁の高校から飛び出した異色のランナーである。帯刀に関しても駅伝ではあまり聞いたことがない大町高校出身ということで、こういった経歴を見るだけでも面白さを感じさせてくれるランナーである。
私が帯刀のことを初めて知ったのは、帯刀が亜大の2年次辺りの事だったと記憶している。当時決して駅伝の強豪というイメージのなかった亜大が出雲駅伝でトップを走るような場面があり、その時に快走していたのが帯刀だった。全く知らないランナーだったため、その時初めて大町高校出身であることを知り長野県にこんなランナーがいたのだと驚いたことを記憶している。
その後箱根駅伝でも2区を任されるなど、大学長距離界の実力者として名を馳せることとなる(2区を任された年は、激しい向かい風に苦しむことになり、その後は本戦出場を逃すことになるのだが…)。
そんな帯刀は、都道府県対抗男子駅伝には第2回から出場し、アンカーとしてチームの5位入賞に貢献すると、その後富士通に入社して以降も長野県チームの主力として何度もチームを支えてくれた。そして第9回大会では、長野県チームの初優勝、第10回大会では連覇に貢献してみせた。この頃の帯刀は競技生活の晩年を迎えており、第9回大会の時には、後続の追い上げにハラハラしながら応援していたのだが、長野県チーム初優勝のゴールテープを切ってみせた。
長身を活かしたダイナミックな走りは、スピード感に溢れ魅力的だったし、大町高校ー亜大ー富士通という経歴も当時の他のエリートランナーとは一線を画しており、そういう意味でも魅力を感じるランナーだった。5000m13分台、10000m28分台、マラソン2時間8分台と当時の一流ランナーの証であった記録を残し、駅伝でもしっかり結果を残すマルチで息の長いランナーだった。
今現在は上田西高校で指導者として活躍しており、今年の都道府県対抗男子駅伝では教え子である花岡(東海大)が長野県チームのアンカーを走る予定になっている。長年スポーツ観戦を続けているとこういった物語を見ることも楽しみの一つとなってくる。

P.S 初代「Mr.長野」が帯刀であれば二代目Mr.長野は上野だと思うのだが、その2人は第10回大会でチームメイトとして走っている。上野VS北村(兵庫)のラスト勝負は都道府県対抗男子駅伝の名場面の一つに数えられている。第9回、第10回は長野県民として非常に楽しめる大会だったことを覚えている。




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