ゲームメーカースアレスとゲームチェンジャー村上

ヤクルト５－１DeNA

先発スアレスが試合を作り、太田の先制2点タイムリー2ベースと村上の3ランで得点を奪った快勝と呼べるゲームだった。7回以降勝ちパターンの継投をせずに逃げ切った部分も評価できるナイスゲームとなった。

週末の中日との2連戦を小川、田口が登板しながら勝てなかったことから個人的には嫌な雰囲気も感じていたのだが、そんな中で先発となったスアレスがしっかり試合を作ってみせた。初回を三者凡退で切り抜ける完璧な立ち上がりを見せると、威力のあるストレートとキレのある変化球でDeNA打線を抑え込んでいった。序盤は打線の援護がなく、０－０で試合が推移していたのだが、スアレスが先制点を与えなかったことで試合を優位に進めることが出来た。5回のピンチも冷静に切り抜け、6回で95球を投げ、被安打2、与四球１の無失点と先発の役割を果たしてくれた。雨が降る中の投球ということで決してコンディションも良くなかったと思うのだが、奪三振９という数字にボールのキレを感じさせてくれた。
リリーフ陣は7回から今野ー梅野ー近藤というリレーで逃げ切ってみせた。7回が始まる時点で5点のリードがあったのだが、こういった展開でいわゆる勝ちパターンの清水、マクガフ、石山を休ませることが出来たのは大きかった。正直9回は4点差であり、前日はゲームがなかったため、確実に石山で締めるのかな？とも思ったのだが、オープン戦から結果を残し続けている近藤がしっかり役割を果たしてくれた。こういう展開に持ち込み、リリーフ陣もしっかり結果を残してくれたことはチームにとって大きいことである。

打線は、DeNA先発の大貫の前に序盤は抑え込まれたのだが、4回に山田のヒットと村上の四球からチャンスを作ると太田にタイムリー2ベースが飛び出し、先制することに成功した。大貫の少し高めに入った変化球を捉えたのだが、思った以上に打球が伸び、レフトフェンスを直撃する一打となった。太田は打撃に関しては、まだまだ試行錯誤していることが伺えるのだが、徐々に打撃フォームが自身にマッチしてきているのではないか？と感じさせるような見事なタイムリー2ベースとなった。
続く5回には中村が四球、山田がヒットでチャンスを作ると村上が右中間スタンド上段へ運ぶ3ランホームランで試合の流れをがっちり掴んでみせた。今シーズンの村上のホームランはこれまで以上に、凄まじい打球が目立っている。この日のホームランも大貫の変化球が甘く入ったとは言え、打った瞬間ホームランと分かる見事な一撃となった。メジャーリーグのようにスタットキャストで打球速度や角度などを計測してもらいたいと感じるような打球を放っている。
14日から青木、内川、川端がイースタンのゲームで復帰するようだが、今のヤクルト打線で試合の流れを変えられるのはやはり村上である。村上に打席が回れば、何とかしてくれるという心強さがある。この日のゲームのように試合を決めるようなバッティングをしてくれることもあれば、出塁してチャンスメークするようなことも出来る。村上の存在を上手く使って攻撃していくことで相手チームにプレッシャーを与えることが出来るはずである。

スアレスが試合を作り、村上が試合を決めるという今のヤクルトにとっての理想的なゲームとなった。

P．S　廣岡も見事な仕事をしたようですね。ホームラン自体は、廣岡らしい逆方向への一発だと感じたのですが、緊迫した試合展開で放った決勝ホームランということで、その辺りはヤクルト時代にはあまり見られなかった一発になりましたね。


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