チャンピオンチームの片鱗チラリ

ヤクルト9-5広島

広島先発の九里に抑え込まれ、苦しい展開となったのだが、九里がマウンドを下りた後の8回に広島投手陣の自滅も絡む形で一挙9得点を上げ、逆転勝利に繋げてみせた。チャンピオンチームの片鱗という部分は1イニングに9点を奪ったことではなく、劣勢の展開でも投手陣が粘り、接戦に持ち込み、チャンスが巡ってくるのをじっと待ち、終盤の逆転劇に繋げたことである。昨シーズンはたびたびこういったゲームをものにしてきたのだが、今日のゲームも同じような分類の勝利になったのではないだろうか?

ヤクルト先発の高橋は、中10日空けての登板ということで、スムーズに立ち上がれるか不安もあったのだが、その立ち上がりにいきなり四球とヒットで0アウト1,2塁のピンチを招いてしまい、多少の失点も覚悟したのだが、後続を断ち、無失点で切り抜けると、その後はキレの良いボールを投げ込み、試合を作ってみせた。相手先発が九里であったことを考えると4回に坂倉に浴びた先制の2ランホームランは痛かったのだが、中10日のマウンドでしっかりいつも通りのボールを投げ込めていたことは収穫である。5回2失点という数字は物足りなさも感じるのだが、個人的には悪くなかった印象である。
リリーフ陣は、6回梅野、7回大西とピシャリと抑え、試合を落ち着かせると8回の逆転劇に繋げてみせた。

ヤクルト打線は九里の前に凡打の山を築いてしまい、中々得点を上げることが出来なかった。相手のミスも絡んだ中で6回には2アウト満塁のチャンスを作ったのだが、塩見がサードゴロに倒れ、1点が遠い展開になってしまった。九里に関しては、昨シーズンの最多勝投手だけあって、簡単には打ち崩せない雰囲気が漂っていた。ツーシームを軸にボールを散らしながら、ゴロアウトを重ねる投球スタイルが自分のモノになっており、プロ9年目にしてプロ仕様の投球スタイルを獲得した印象がある。ワンチャンスを活かせないと、この投手を崩すことは難しい。今後も難敵になりそうである。
しかし上記の通り、九里が降板した後の8回に試合が大きく動くこととなった。試合自体は0-2というロースコアのまま推移しており、ヤクルトベンチもファンも九里が降板した後の8回が勝負のイニングになると踏んでいたと思うのだが、代わった中崎の乱調に付け込み、1アウト満塁のチャンスを作ると村上に2点タイムリーヒットが飛び出し、同点に追い付くことに成功する。ここで広島ベンチは中崎を諦め、島内をマウンドに上げるのだが、その島内も乱調であり、塩見が四球で歩き、再び満塁のチャンスを作ると長岡が押し出し四球を選び、勝ち越しに成功する。続くオスナには2点タイムリーヒットが飛び出しリードを広げると、松本直にもタイムリー、この回代走で起用され、そのまま打席に入った山崎にも走者一掃となる2ベースが飛び出し、この回だけで9点を奪うことに成功した。相手のミスにしっかり付け込んで大量得点を奪えたことは、良かったのではないだろうか?逆に広島にとっては、ストロングポイントである先発投手が好投しながらもリリーフがリードを守り切れなかったということで、明日以降にダメージが残る敗戦になったのではないだろうか?

ヤクルトのチーム状況はまだまだ良くはなっていないのだが、それでも今日のゲームは、昨シーズンを制したチームだけのことはあると感じさせるゲームとなった。「こういった展開であれば終盤にもう一山来る。」という経験を昨シーズンに重ねることが出来たことで、チーム全体に試合を諦めない姿勢が広がっているのではないだろうか?今日のゲームは良いゲームだった。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     高橋は球数が多めだったけど、失点は一発だけだったのでまあまあじゃないですかね。抹消は故障ではなかったようでなにより。
     両軍ともクローザー経験者が乱調だったことが印象的でした。石山はコントロールが荒れていました。ベンチを外れていたりで間隔が空いていたので、清水が不在なので故障を抱えてなければ良いのですけど、不安が残りますね。
     

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    高橋は悪くなかったですよね。

    石山の状態は気になりますね。

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