高梨の進化

2025試合結果


ヤクルト2-1広島

同じようなことを何度も書いてしまって申し訳ないのだが、私は高梨のことをそれ程高く評価したことはない。高梨を形容する言葉として「蒼い」という言葉を何度か使わせてもらってきた。良くも悪くもピッチングに若さを感じるという意味で使っていたのだが、どちらかというとネガティブな意味での表現となっていた。23年シーズン、24年シーズンは結果を残すことが出来ず、年齢的にも崖っぷちに追い込まれていた。正直高梨に関してはかなり厳しい状況にあるなという印象を持っていた。
それでも高梨自身は、諦めることなく自分の投球と向き合い、投球フォーム、投球スタイルを修正することで再び1軍で輝きを取り戻せるだけの形を手に入れてみせた。8月に1軍に戻ってきて以降の投球は本当によくやってくれていると思う。

以前の高梨は、古き良き時代の本格派を思わせる現代のNPBの中では異彩を放つ投球スタイルだったと思っている。ストレート、カーブ、フォークの主に3球種で、コントロールは程よく荒れる中で相手打者を抑え込んでいくスタイルは、先発投手としては絶滅危惧種と呼んでも差し支えなかったのではないだろうか?そんな高梨は、先発として安定的に結果を残すことが出来ておらず、首脳陣やファンの信頼を勝ち取るまでには至っていなかった。背番号も変更となり、いよいよ厳しくなっていたのだが、打者から見づらいテイクバックを習得し、カット系のスライダーやツーシームの投球割合を増やす中で、昨シーズン終盤からようやく結果が出始めていた。
ここ3試合の登板では、元々の武器であるストレートに威力を感じることが出来、カーブ、フォークを中心とした、以前の高梨のスタイルが色濃く表出した中で結果を残してくれている。34歳にして投球の幅が広がり、進化しているところを見せてくれているのではないだろうか?
4回は味方のミスが絡む中で同点に追い付かれてしまったのだが、その後のピンチを無失点で凌ぐと、5回、6回も広島打線をきっちり抑え込んでみせた。
6回で81球を投げ、被安打5、与四球1の1失点(自責点0)というスタッツは、良い意味で高梨らしくないものとなった。球数は少なく、与四球も少ない中で粘り強く投げるスタイルは、これからの高梨の生命線となっていくだろうか?
7回からは、荘司ー大西ー星という勝ちパターンと呼んでも差し支えない3人が1点差のリードという緊迫したシチュエーションの中で完璧な投球を披露してくれた。
開幕前はまだ未知数だったルーキーの荘司、コンディション不良で出遅れ、不安要素が強かった大西、高梨同様安定感に欠けたまま年齢を重ねてしまった星という3投手が、チーム事情も相まって登板機会を増やすと、今やチームの勝ちパターンとして欠かせない存在になってみせた。今日の投球は本当に見事だったのではないだろうか?

打線は、広島先発森のキレのあるボールに苦しみながらも4回に太田の2ベースからチャンスを作り、内山のタイムリーで先制点を奪うと、追い付かれた後の7回には、村上が森の外角低めのストレートを逆らわずに打ち返すと打球はレフトスタンドへ飛び込む決勝ホームランとなった。投手の基本とも言えるアウトローへのストレートに対してもホームランを打つだけの技術を持ち合わせていることで、相手バッテリーは村上への攻め手がなくなってしまうという部分はあるだろう。シーズン56本塁打を記録したこともある打者としての凄みを感じさせてくれる一発となった。本当は、MLB挑戦前最後のシーズンは年間通して試合に出続けてもらい、チームの優勝に貢献してもらいたかったため、ヤクルトファンとして少し残念な気持ちも持ち合わせているのだが、これだけの才能ある打者であればメジャーを目指すべきだと思う。メジャー各球団のフロントへ強烈なアピールを続けてもらいたい。
高梨同様、結果が求められる選手として、野手では太田の名前を挙げることが出来ると思う。ここ最近はトップバッターとして起用されているのだが、結果を残さなければ生き残れない崖っぷちの状態にある。そんな中で今日はサウスポーの森相手に2本の2ベースと結果を残してみせた。ヤクルト野手陣の中で最も「明日なき戦い」を続けているのが太田だと思っている。他の選手に比べて守備面では課題もあるだけにとにかく打撃で結果を残すことが期待されている。スタメン起用されてから、ここまでよく結果を残してくれていると思う。このまま1試合でも多く結果を残し続け、出場機会を確保してもらいたい。




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