ゲームマネジメントの差

ヤクルト5-3DeNA

「個の力」という意味では、ヤクルトもDeNAもそれ程力は変わらないと思う。特に野手陣の力という部分では、DeNAの方が力は上のように感じる。それでも上手く得点を重ねて、勝利に導いた高津監督のゲームマネジメントはやはり素晴らしいと思う。高津監督が目指している野球を選手も理解しているからこそ、各々がシチュエーションに応じて求められている役割を果たせるのだと思う。こういう勝ち方は、相手チームからするとダメージを感じるのではないだろうか?「野村野球」のエッセンスも加えながら、「高津野球」を確立していっている。

投手陣に関しては、先発の吉田大喜が前回同様いっぱいいっぱいの投球を披露したのだが、前回も今回も5回を投げ切ることは出来なかった。前回も書かせてもらったのだが、この辺りはルーキーイヤーの投球と何ら変わりがない。ボールの質を高めるか新たな武器、投球スタイルを確立しなければ、今後も苦しい投球が続きそうである。これだけ苦しい投球を続けながらも綱渡りで何とか粘る辺りは、吉田大喜のクレバーさも感じさせてくれるのだが、やはり今のままではあまりにも苦しいと言えるのではないだろうか?相手打者に自分の形でスイングされてしまっている部分が気になる。
スコアは4-2、5回1アウト1,2塁からヤクルトベンチは継投に入ったのだが、こういった継投が出来るのも高津監督のマネジメントあってこそである。リリーフ陣が現状でも8枚揃っているからこそ、早めの継投になってもリリーフ陣の負荷を抑えることに成功している。今日は、5回のピンチは木澤が火消しに成功し、6回からは、コールー清水ー今野-マクガフと1イニングずつ繋いでみせた。清水は1点を失ってしまったのだが、リードを活かして上手く戦ったのではないだろうか?これだけ粒揃いのリリーフ陣が揃ったチームも中々ないのではないだろうか?
もちろんここの所ブログで触れているように「投高打低」のシーズンであるからこそ、投手陣の数字が良くなっているという部分はあると思うのだが、マクガフ、今野、清水、石山、田口、大西、木澤、コールという8枚は強力である。そしてどの投手もプロの世界でそれなりの挫折を味わっているという所に、ヤクルトらしさを感じさせてくれる。高津監督はどんなマジックを使ったのだろうか?と思わせるような玄人好みのメンバーが揃っている。梅野が離脱してしまっているのだが、そのことを感じさせないくらいのメンバーが揃っている。

打線は、初回に今シーズン初登板となったDeNA先発の有吉相手に先頭の塩見が死球で出塁すると続く山崎に先制タイムリー3ベースが飛び出し、幸先良く先制すると村上のセカンドゴロの間にもう1点加えることに成功した。こういった最低限の一本もゲームを勝ち切る中では大切なこととなる。
2回も長岡のヒット、吉田大喜の送りバントでチャンスを作ると、塩見がしっかりタイムリーを放ち、良い形で追加点を奪ってみせた。ヤクルトがリードを奪う展開の中で5回には、2アウト2塁からDeNAバッテリーが村上との勝負を選び、そこで村上がタイムリー2ベースを放ってみせた。正直無理に勝負する場面には見えなかったのだが、DeNAベンチは村上との勝負を選択した。ヤクルト側にとってはラッキーな部分もあったのではないだろうか(もちろんそこで結果を残す村上が凄いのだが…)?
6回のチャンスでは、昨日スタメン出場でヒットを放った川端が代打で登場し、きっちり犠牲フライを放ってみせた。今日は、打線が「線」として機能し、良い流れの中で得点に繋げることが出来た。

投手VS野手という視点で見れば負けてもおかしくないようなゲームだったのかもしれないが、ゲーム全体を通してみれば、それ程危ないと感じることなく勝てた所に、今のヤクルトの強さ、特徴が表れているのではないだろうか?

P.S 今日はTBS系列の地上波での全国中継がありましたね。ネットが普及するまでは、こういった中継を楽しみに見ていた記憶があります。少し懐かしい気持ちにさせてもらいました。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     前のカードでは山田が打つ一方で村上は沈黙していました。このカードでは山田が沈黙した代わりに村上が活躍したという流れで、お互いがカバーできていましたね。両カード共に勝ち越せて、首脳陣も概ね想定内なんじゃないでしょうか。
     優勝決定試合でもないのに地上波で巨人戦以外を中継とは随分思い切った試みだったと思います。
     ペナントの約3分の1を終えて、奥川とサンタナという投打の主力を1人づつ欠いた状態での単独首位は上出来ですね。そして交流戦をどのような成績で乗り切るか注目です。
     

  2. sabo より:

    本来なら安打数で負けていた以上、危ないゲームだったはずですが今のスワローズのリリーフ陣の厚さや信頼を考えると絶対負ける気はしませんでしたね

    今のリリーフ陣8人(+梅野で9人)の分厚さは歴代スワローズ最高と言っても良いのではないでしょうか
    個々の能力で言えばロケットボーイズと高津だったり、秋吉ロマンオンドルセクバーネットの方がとも思いますがリリーフ陣全体平均レベルだと突出してると思います
    これだけ数が揃っていると後々不調の選手が出ても対応しやすいですよね
    これはかなりペナントレースに有利だと思います

    それにしても急にコール安定しましたね
    正直素人目には武器が見当たらない気がしますが総合力が高いんでしょうか
    ストレートも変化球も球種も制球もまとまってますよね
    あとはフォームが打ちづらいのか

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    奥川、サンタナを欠く中でも首位に立っていることは驚きです。交流戦に関しては、昨シーズン同様セリーグもパリーグと互角以上に戦える状態にあると見立てているので、どうしても勝ち越してもらいたいと思っています。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    リリーフ陣の安定感は際立っていますよね。但し「投高打低」のシーズンであり、他球団も例年以上に投手陣の数字は良くなっているのも事実ですよね。相対的にどうなのか?という部分も見ていきたいと思います。

    コールについてももう少し様子を見たいと思っています。

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