終わってみれば9-2

ヤクルト9-2広島

やはり今シーズンの広島は、ヤクルトにとっては組し易い相手になっているように感じる。先発投手の個々の能力という意味では、広島がヤクルトを上回っている可能性があるのだが、リリーフ勝負となればヤクルトに明確に軍配が上がる状態にあると考えられる。今日のゲームでも先発の遠藤が降板した後に得点を重ねたように、先発投手が降板した後に勝負を掛けられる状態にある。今日は遠藤が降板した6回終了時点で2-0というスコアでリードしていたのだが、もしリードしていなかったとしても僅差のゲームであれば、ゲームセットの瞬間まで広島投手陣には大きなプレッシャーが圧し掛かることとなる。そこに付け込むだけの力が今のヤクルト打線にはある。広島に苦手意識を植え付ける一戦になったように感じる。

ヤクルト打線は、3回まで遠藤の前に抑え込まれていたのだが、4回に山田のソロホームランで先制してみせた。正直カウント0-2と追い込んだ中で真ん中高めに投げてしまった遠藤の完全な失投だったのだが、このボールを逃さずに捉えた山田も流石である。その後村上、坂口の連打でチャンスを作ると中村に犠牲フライが飛び出し、1点を追加してみせた。試合は2-0というスコアのまま7回に突入したのだが、その7回に遠藤から代わった森を攻め、1アウト2塁のチャンスを作ると原の代打濱田にタイムリー3ベースが飛び出した。低めの変化球に対して、バットをラケットのように使って、きっちりミートすると打球は前進守備を敷いていた左中間を破っていった。濱田の打撃技術の高さを感じさせるタイムリーとなった。
こうなるとプレッシャーの掛かる広島リリーフ陣VS好調ヤクルト打線という構図が出来上がり、ヤクルト打線が広島リリーフ陣を追い込んでいく展開となる。8回には村上に3試合連続となる第28号2ランホームランが飛び出すと、9回には山崎、山田の連続タイムリーの後で、村上に2打席連続となる第29号2ランホームランが飛び出し、試合を決めてみせた。村上に関しては、もう特に書くことがない。称賛する言葉は出し尽くしてしまっており、今日の2打席連続ホームラン程度では、大きなニュースと感じないくらいになってきている(異常なことですが…)。内角のボールも外角のボールもストレートも変化球も満遍なく捉え、打球を打ち分けることも出来ているため、相手バッテリーは攻めようがないのではないだろうか?6月もあと1試合のみなのだが、6月中にホームランを30本の大台に乗せる可能性も出てきた。明日の先発はパワータイプのアンダーソンということで、おそらく内角高めのストレートを使ってくると思われるのだが、そのボールにどの程度対応することが出来るか注目してみたい。

ヤクルト先発の原は、1回から4回までヒットなどで毎回ランナーを許したのだが、中村が盗塁を2度刺したり、ダブルプレーを奪うなどし、毎回ランナーを許しながらも毎回打者三人で抑えるという珍しい形でスコアボードに「0」を重ねていった。チームの好調も追い風に慎重になり過ぎずに大胆にストライクゾーン内で勝負する攻めの投球が出来ていたのではないだろうか?このブログで何度も書いているのだが、原に関しては、慎重になり過ぎて四球でランナーを溜めてしまうことが最悪の投球であり、これまではリードがあっても慎重になり過ぎるがゆえに、自滅してしまったゲームも多かった。今シーズンも決して調子が良いとは思えないのだが、打線の援護もある中で、こういった投球が出来れば、自ずと白星が付いてくるという経験をすることによって、原のピッチングスタイルが試合にフィットしてきているように感じる。この時期に6勝を上げているということ自体、初めてのことではないだろうか?

山田が1ホームランを含む猛打賞、村上が2ホームランを含む猛打賞、中村は盗塁を2つ刺し、5番起用の坂口は得点に絡み、長岡は守備でピンチを救ってみせた。追加点が欲しい場面で代打濱田にタイムリー3ベースが飛び出し、原は6回を無失点に抑えるなど、勝ちに繋がる要素がいくつも出てくるゲームとなった。今日の勝利で13カード連続勝ち越しである。この強さは本物である。

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コメント

  1. しみぶ より:

    以前(一月半ほど前)に、「通りすがりの広島在住のプロ野球ファン」として書かせていただきました。今後、「しみぶ」として書かせていただきます。
    村上選手の9回表のこの試合2本目のホームラン、私は、広島で、ラジオ中継を聴きながら、スカパーの画面を見ながらでしたが、ベース一周の時、カープファンからも拍手が起きたのには、ビックリしました。
    まずラジオからの音声で驚き、画面を見て(今やっているスカパーJSPORTSの再放送を見ても)、へぇ~と思った次第です。
    マツダスタジアムでこんなこと(相手チームのホームランに拍手)が起きたのは、おそらく初めてではないでしょうか?
    失礼しました。

  2. 超匿名 より:

     広島戦は怖いくらいに何もかもが上手くいきますね。
     中押しタイムリーとなった濱田は、出場機会が限られている割に活躍してくれますね。機会の少ないながら長打を打つということで、巨人に移籍した廣岡を思い出したりもするのですが、あんな器用な打撃ができるなら、彼よりレギュラーを得るのが近そうですね。
     村上の頼りがいは、同じ背番号55を背負った同時期の松井を上回っているのではないですかね。今は55と言えばヤクルトファン以外は松井を連想するでしょう。今季三冠王にでもなればその印象も変わるかもしれません。
     この試合では、解説者のヤクルトの良い所ばかり話していて嫌になるという発言が印象的でした。ヤクルト強いです。

  3. sabo より:

    村上のあまりの本塁打量産スピードに「ありえない」はありえなくなってきました
    6月中30本塁打
    は勿論のこと
    シーズン50本塁打どころか
    オールスター前に50本も不可能じゃない!
    普通に考えたら不可能でも今の村上なら物理的に可能なら可能性があるように感じてしまいます

    とにかく今の村上に期待するならシーズン50本でも55本でもなく60本塁打は期待したい

    日本記録だ(笑)

  4. FIYS より:

    しみぶさんへ

    今後ともよろしくお願いします。

    点差も離れていたため、村上の打撃技術に対して思わず拍手が出たという感じなんでしょうかね?私はハイライト映像でしか見ていないため、分からないのですが、一般紙にも「しみぶさん」と同様の記述がありましたので、非常に珍しい場面だったことは間違いないでしょうね。

  5. FIYS より:

    超匿名さんへ

    今年の広島はヤクルトにとっては戦いやすい相手なのでしょうね。勝ちへの道筋が描きやすいのかもしれません。

    松井が「55」を背負っていたからこその村上の「55」ですからね。今後の成長が楽しみです。

  6. FIYS より:

    saboさんへ

    5番問題が解決していないため、このままの勢いでホームランを量産する可能性は高くないと思うのですが、期待したくなるだけの結果を残してくれていますよね。シーズン後どんな数字が残っているのか楽しみですよね。アクシデントだけが心配ですね。

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