「村神」表記を解禁します

ヤクルト5-4広島

おそらくこのブログではこれまで「村神」という表記は用いていなかったと思う。今や一般紙でも「村神」表記が見出しに踊ることがあるのだが、今日の逆転3ランホームランでの勝利を持って、このブログでも「村神」の表記を使うこととした。これまでかたくなに使わなかったという訳ではないのだが、敢えて使う必要もないのかな?と感じていた。しかし今シーズンは常に村上が想像を超えるような活躍を続けており、もう「村神」という表記を使わなければ、村上の凄さを伝えることが出来ない段階に来ていると判断した。
ホームラン打者に「神」という表記を使うことは多々あると思うのだが、私の中では、89年にブライアントが、10.12の西武とのダブルヘッダーで優勝を手繰り寄せる4打席連続ホームランを放ったことが、「神」という表記が最も似合うシーンだったのかな?と感じている。「神懸り」というワードがピッタリくるブライアントの活躍ぶりだった。それから30年以上が経過した中で「神」と表現したくなる打者がヤクルトに表れた。ファンとして嬉しい限りである。

2位DeNAに4ゲーム差まで詰められて迎えた、今日からの広島戦、先発は石川ー森下となった。
ヤクルト先発の石川は、初回に羽月にポテンヒットで出塁を許すと、その後の1アウト1,2塁のピンチでマクブルームに先制3ランホームランを浴びてしまった。カウント3-0からストライクを取りに行ったストレートを完璧に捉えられてしまった。石川に関しては、カウント3-0からでも投球を組み立てられるだけのコントロールがあるのだが、この場面に関しては、おそらく打ってもファールにしかならないようなインコースに投げ込む予定だったボールが甘く入ってしまった。打たれてしまったのだから、失投と言うことになるのだろう。相手先発が森下であることを考えるとあまりにも痛い3失点となってしまった。
しかし今日の石川は、その後も毎回ヒットを浴びてしまったのだが、それでも無失点で凌ぎ、何とか試合を作ってくれた。5回で被安打7という数字は、良くない数字なのだが、初回の3ランホームラン以外に失点をしなかったことがその後の逆転勝利に繋がった。
リリーフ陣は、6回から木澤ー久保ー清水ーマクガフと繋いだ。木澤が1点を失ってしまったのだが、村上に逆転3ランホームランが飛び出した後の7回、8回、9回は、それぞれの投手が役割を果たしてくれた。清水もマクガフも同点のピンチを背負ってしまったのだが、そのピンチを何とか凌いでみせた。
おそらく今後は、8回清水、9回マクガフの起用法がこれまでよりは、タイトになることが予想される。金曜日からのDeNA戦が1つの山場になることは間違いないだろう。そこで多少登板数も増えることが予想される。清水、マクガフにかかる期待と負担は大きくなると思われる。それでもリリーフとしての経験値は十分である両投手には、大きな期待を寄せたくなる。チームの勝利に貢献するような投球を見せてもらいたい。

打線は、不調の山田をスタメンから外し、1番センター塩見、2番レフト山崎、3番ファーストキブレハン、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番セカンド宮本、7番キャッチャー内山壮、8番ショート長岡、9番ピッチャー石川と組んできた。初回に3点を失ってしまったこと、広島先発が森下だったことを考えると、非常に苦しいゲームになることが予想されたのだが、今日の森下はボールの走りがイマイチであり、2回からは、チャンスの連続となった。しかし2回の1アウト2,3塁のチャンスを逃してしまうと、3回の2アウト満塁も活かせず、ストレスばかりが溜まる展開となっていった。4回にようやく山崎のタイムリーで1点を返したのだが、獲るべき時に得点を奪うことが出来なかったため、試合の流れはどちらかというと広島ペースで進んでいる印象だった。5回のチャンスも長岡の犠牲フライによる1点に終わってしまい、逆に6回に曾澤の犠牲フライで点差を2点に広げられてしまったため、ちょっと厳しい展開になってきたと感じていたのだが、その空気を一振りで吹き飛ばしてくれたのは、今日も村上のバットからだった。
この回からマウンドに上がったケムナから塩見のヒットとキブレハンの四球で1アウト1,2塁のチャンスを作ると、ここで広島はケムナから島内にスイッチしてきた。2点差の1アウト1,2塁ということで島内で村上と勝負をする選択をしてきたのだが、その選択が間違っていたことを示してくれたのは、紛れもなく村上のバットだった。広島バッテリーは初球、2球とインコース高めのストレートで押してきた。1球目以上に2球目は厳しいコースのボールだったのだが、村上はそのボールを事前に予想していたかのように反応し、ライトスタンド中段に飛び込む特大ホームランを放ってみせた。ヤクルトファン全員が逆転3ランホームランを期待している場面で、おそらくは相手投手のベストボールをホームランにしてしまうのだから毎度のことだが恐れ入ってしまう。この村上のホームランに「神」という文字を思い浮かべたファンの方は多いはずである。パワータイプの投手である島内のインコース高めの見逃せばボールだったかもしれない153キロのストレートをライトスタンドに放り込んでしまうのだから「村神」という表記を使わざるを得ないだろう。
今シーズン同様、DeNA(当時は横浜ベイスターズ)の猛追を受けた97年シーズンは天王山と呼ばれた対決で当時のエース石井一久がノーヒットノーランを達成し、横浜の勢いを止め、リーグ優勝を果たしたのだが、今シーズンは「神」となった村上がDeNAの勢いを止めてくれるのではないだろうか?是非97年シーズンの再現を狙ってもらいたいものである。

P.S 今日は宮本が6番セカンドでスタメン出場となりましたが、3安打と結果を残してみせましたね。山田の状態が良くないだけに、宮本にかかる期待は大きいですよね。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     横浜の異常なまでの追撃がなければ、石川には悪いですが、連続完封中の森下相手だったので、本来は捨てゲームに近かったのではないでしょうか。激しい追撃のせいで、そんな試合を作る余裕がない状況ですが、その試合を勝ちに転じさせた村上の打撃は、多くの解説者が指摘していた、投げる力量のある投手が投じれば打たれないという付近だったこともあり、好調でストライクゾーンならば、どんなコースでもスタンドに放り込む技術を得た、恐るべきバッター誕生の瞬間だったのだと思います。神の襲名に相応しい一撃でした。
     一方でこの逆転弾は、起用に応えた山崎のタイムリーや長岡の犠飛、出番の少なさに負けない宮本の猛打賞という土台があってのものではありますが、こうした決定打が神様に偏っていますよね。毎試合打てと言うのは無理な注文ですから、コロナ以外に色々な理由がありそうな山田が好調を維持できないのはやむを得ないとしても、コロナだけが理由の塩見はそろそろ爆発して欲しいし、不振気味のサンタナの復調も欲しい。オスナはそこそこですかね。横浜を振り切ったり、巨人の重量打線に対抗するために、村神様以外のポイントゲッターの復調が待たれます。

  2. sabo より:

    「投げるところが無い」という言葉をこれまでは「どこに投げてもヒットにされる」という意味でつかわれることが多かったと思いますが、村上は「どこに投げてもホームランにされる」という意味でつかわれますね
    チャートを見てないのではっきりとは分かりませんが内角外角高さ低さストライクゾーンなら全て捉えているのではないでしょうか

    比較できるのは王貞治……は時代が違い過ぎて比較は難しいので松井秀喜の名が挙がりますかね
    とはいえ贔屓目かもしれませんが既に村上の方が上だと思います。おそらく松井秀喜のキャリアハイも今年超えるでしょう

    チームとして勝てたのも嬉しい
    今はどうしてもDeNAが気になりますが最悪抜かれても抜き返すチャンスもあるだろうという気持ちで目の前の試合に集中ですね

    8月打率1割台の塩見山田が復調できるかが最大のポイントですが、右投手相手なら宮本丈スタメンが見たいですね
    以前管理人さんが長岡の左手の押し込みが弱まってると心配していましたが少し復活してきましたかね

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    そうですね。いくら何でも村上一人でリーグ優勝を掴み取ることは出来ませんからね。打線として機能するゲームを増やしてもらいたいですよね。
    それにしても素晴らしい逆転3ランホームランでした。おもわず「神」という字を使いたくなりました。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    「投げるところがない。」というのは、確かに「どこの投げてもヒットを打たれてしまう。」という意味で用いられることが多かったですよね。村上はホームランにしてしまうすごみがありますよね。
    王氏の現役時代は知りませんが、もしかすると王氏のような活躍ぶりなのかもしれませんよね。

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