田中浩の気持ちも乗せて上田が決勝タイムリー!

ヤクルト6-2DeNA

先発石川が筒香に先制2ランを浴び、DeNA先発の山口の調子も良かっただけに苦しいゲームとなりそうだったが、4回に山口が田中浩の頭部に死球を与え危険球退場となったことをきっかけに流れが変わったように感じた。ヤクルトの選手達が田中浩の気持ちも乗せるように気迫を全面に出して戦っているように感じた。

先発石川の調子はいつも通り、可もなく不可もなくといったところだったと思う。ベテランらしい粘りのピッチングを見せてくれたと思う。初回の筒香に浴びた2ランに関しては、少しコースが甘くなったかもしれないが打った筒香を誉めるべきホームランだったと思う。
その後はランナーを出しながらも、得点を許さない老獪な投球を見せてくれた。石川の凄さはランナーを出すこと、ランナーを溜めること、ボールが先行することを厭わない所にあると感じる。場面に応じて冷静に判断し、大けがをしないピッチングをすることもあれば、1点取られたら苦しくなる場面ではランナーを溜めても無失点で抑えられる可能性が高くなる打者と勝負に出るなどのメリハリがある。今日も序盤は苦しい投球となったが、苦しいなりに筒香のホームランによる2点に留めたところは流石だった。追加点を与えないように粘る中で調子を上げ、5回6回は完璧に抑えてみせた。今日も勝ち投手にはなれなかったが、先制点を奪われながらも追加点を許さなかったことでDeNAにプレッシャーを掛けることが出来た。ナイスピッチングだったと思う。
そしてリリーフ陣については、昨日の記事で秋吉とバーネット以外は起用法が固定されていないという主旨のことを書いたのだが、秋吉とバーネットの起用法も私が思っていた起用法とは違っていた。正直まだどういう起用をするのか探っている段階ということなのだろうか?もしくはそこまで起用法を固定しない方針なのだろうか?今日の所はベンチの継投策が見事にハマった形となった。
同点の7回のマウンドに上がったのは秋吉だった。まだ同点の7回頭から秋吉というは少し驚いたが、しっかり3人で仕留め、8回の逆転劇を呼び込んでみせた。そして8回のマウンドに上がったのは、中澤だった。石川、梶谷、筒香と左打者が並ぶ場面だっただけにこれは予想できる起用法ではあったが、2アウト後筒香にヒットを許してしまうとここでベンチはスパッと中澤を諦め、バーネットをマウンドに送り出した。打者は一発のあるロペスということでまずはこの場面をしっかり抑えるための起用だったと思うのだが、2点差ある中でのバーネットの回跨ぎということで秋吉の起用法同様少し驚いた。計算づくの継投なのか?苦し紛れの継投なのか?よく分からないが、思い切った継投を見せてくれている。

打線はDeNA先発山口の前に苦しんだ。といってもおそらく今日の山口は絶好調に近い出来だったと思うので簡単に打ち崩せる展開ではなかったのだが…それでも4回、1アウトから山田が四球で出塁すると直後の雄平の打席の初球に盗塁を決めてみせた。おそらくランエンドヒットという形で雄平が空振りしたのだと思うが、黒羽根の送球が完璧だったにも関わらず2塁を陥れた山田のスピードとスタートの良さに驚いた。山田の盗塁の技術は間違いなく昨シーズンより上がっているのではないだろうか?この盗塁が活きる形で畠山のタイムリーが飛び出した。
山口の調子からしてそんなに多くのチャンスは作れないと感じていただけに足での積極的な仕掛けは効果があったと思う。
そしてこの直後に両チームにとって痛手となるアクシデントが飛び出す。山口が田中浩に対して投じた初球が田中浩の頭部に直撃し、山口は危険球で退場、田中浩も負傷交代となった。DeNAとしてはゲームプランが大きく崩れてしまうことが大きな痛手となったはずだし、ヤクルトにとってはミレッジ負傷後外野手としてチームに貢献していた田中浩が退くこと自体が痛手だった。そして田中浩にとっても色んな意味で痛い死球となってしまったのではないだろうか?昨シーズンセカンドのレギュラーを山田に奪われ、非常に厳しい立場に追いやられた田中浩だったが、今シーズンは外野手にも挑戦し、ようやくスタメン出場の機会を得られたばかりだったため、本人としてはどうしてもゲームに出続けたかったのではないだろうか?死球直後はしばらくうずくまって立ち上がれない状態だったのだが、その後自力で立ち上がりファーストベースまで向かおうとする姿勢に田中浩の並々ならぬ気迫を感じた。結局田中浩はこのまま退き、病院へ直行することとなったが、田中浩の気迫はチームメイトに十分過ぎるほどに伝わっていたようだ。
代役で出場することになった上田は、4回裏に追加点を奪われるピンチで見事なバックホームを見せセカンドランナーを刺すと(この場面についてはまだDeNAが1点リードしていた場面であり、セカンドランナーが黒羽根だったことを考えると勝負を賭ける場面ではなく、三塁コーチャーの判断ミスだったとは思うが…)8回の同点の場面ではライト戦に決勝のタイムリー3ベースを放ってみせた。素晴らしい活躍ぶりだった。田中浩と上田は外野のレギュラー争いのライバルではあるが、田中浩の気持ちが上田にも伝わったような気迫のこもったプレーだった。

これで3連勝である。先発投手がしっかり試合を作ってくれていることが大きい。こうなると明日も勝ってDeNAへの苦手意識を払拭してもらいたい。

P.S DeNAは本当に魅力的なチームに生まれ変わりましたね。今日のゲームを見ていても梶谷や筒香だけでなく、桑原や関根、ルーキーの倉本など若くて活きのイイプレーヤーが複数存在し、投手陣も先発の山口だけでなくリリーフ陣も面白い素材の投手が沢山いた。今日は得点することが出来たが、国吉やエレラも投げるボールは素晴らしかった。今シーズンのセリーグを掻き回す存在になるかもしれない。

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コメント

  1. sabo より:

    よりにもよって山口の剛速球が頭にあたるなんて、、、いちおう病院の検査では異常は見当たらなかったようですが、当たり所が当たりどころなので心配です。
    ただこれでDeNAはここ数日リリーフを消費しているので明日の試合はヤクルト有利に思えますね。

    中澤、古野といった神宮では調子のよくなかったリリーフ陣も横浜のマウンドでは自分の球がしっかり投げれているようです。コントロール良く球速も出てましたし。

    山田の盗塁上手いですよね。9回には3塁山田、1塁雄平でダブルスチール狙っていたりして(投手がカットしたので山田は動けませんでしたが雄平に盗塁が付きました)、足でかき回している印象です

  2. 1980 より:

    リリーフのイニングまたぎは危惧していましたが、
    これまでをみていると、「中一日」開けていて、
    リリーフを2セット作っているような気がします。
    誰かが打ちこまれると、自転車操業ですが、
    しばらくはこれで後半まで体力温存でいいと
    思います。

  3. FIYS より:

    > saboさんへ

    田中浩はとりあえず異常なしということでホッとしました。打撃面での影響が心配されるところですが…

    私も今日のゲームはヤクルト優位かな?と思っていたのですがそう上手くは行きませんね。

  4. FIYS より:

    > 1980さんへ

    先発投手陣が好調だからこそできる起用法ですよね。今後はどうなりますかね?

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