実力差はあるが、白旗を上げてはならない。

ヤクルト２－４阪神

首位を走る阪神と5位に沈むヤクルトとの実力差が結果として表れたゲームになってしまった。ヤクルトはすでに優勝どころかCSも厳しくなり、来シーズン以降を見据えた戦いに移行している印象なのだが、それでも1試合単位で見れば、簡単に白旗を上げる訳にはいかない。明日、明後日とホーム神宮での阪神戦が続いていく。どんなメンバーであっても勝利のために戦ってもらいたい。

ヤクルト先発のロドリゲスは、今日で4試合目の登板となるのだが、想像以上に粘り強く投げてくれている。細かいコントロールやランナーを出して以降の投球などに課題が見えるのだが、その割に毎回5イニング以上のイニングを投げることが出来ており、今日も終わってみれば、6回3失点でまとめてみせた。2回の森下のホームラン、3回の中野、大山のタイムリーで、大崩れしてしまってもおかしくなかったのだが、そこから何とか踏ん張った部分はプラスに捉えたい。球数が100球を超えてもストレートの球速が落ちない辺りも、将来性に期待できそうである。投げる以外の投手として必要なスキルを高めていくことと、意外と空振りが取れていないように見えるストレートの質を高めることが出来れば、自ずと数字は残してくれそうな雰囲気がある。これからが楽しみな投手である。
リリーフ陣は、7回、8回の2イニングを梅野、9回を木澤が担ったのだが、梅野が2イニング目となった8回に森下にソロホームランを浴びてしまった。これ以上の失点を避けたい場面で森下に今日2本目となるホームランを浴びてしまったことは痛かった。試合展開的に見ても、勝負を決定付けるような一発になってしまった。

打線は、今シーズン抑え込まれている村上相手に、1番セカンド山田、2番センター丸山和、3番レフト宮本、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番ファーストオスナ、7番ショート長岡、8番キャッチャー古賀、9番ピッチャーロドリゲスというスタメンで挑んだのだが、今日も村上の前に沈黙することになってしまった。
今シーズンの村上は、難攻不落の存在であり、ストレート、変化球を同じ腕の振りで投げ込むことが出来、コントロール、緩急も抜群であるため打ち崩すのは容易ではない。それでもヤクルト打線も今日で村上とは5回目の対戦ということもあり、春先に比べれば徐々にアジャストしてきているのではないか？という期待も抱いていた。しかし結局村上の前に抑え込まれることとなってしまった。
今日も常に主導権を村上が握る形で試合が経過していった印象がある。7回で92球を投げ、被安打3、奪三振9、与四死球1という数字を見るだけでも、村上ペースで試合が進んだことが伺えるのではないだろうか？おそらく序盤に3点のリードをもらったことも、村上に気持ちよく投げられる要因になってしまったのではないだろうか？普段以上にストレートの割合を多くし、大怪我をしない投球に終始されてしまった印象である。
打線が反撃に転じたのは、村上が降板後の8回だった。代わった岩貞から1アウト満塁のチャンスを作ると、丸山和のタイムリーヒットで1点を返し、岩貞をマウンドから引きずり下ろすと代わった桐敷から代打の中村が押し出し四球を選び、スコアを2－4と2点差まで詰め、尚も1アウト満塁というビッグチャンスが続いたのだが、ここで村上が桐敷の前に三振、サンタナが代わった石井の前にショートゴロに倒れてしまい、同点、逆転のチャンスを逸してしまった。一山作れたことは良かったとも言えるのだが、村上、サンタナの前でランナーを溜めることが出来ていたため、一気に追い越してしまいたい場面だった。このチャンスを活かせないのが今シーズンのヤクルトである。

山田、村上に当たりが戻ってこない限りは、厳しい状況が続いてしまう。チームの主力だけに2人の苦悩が伝わってくる。何とか自力で打開してもらいたいのだが…そう事は簡単には進まないようである。

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