どっちもどっちのチーム状態だが、9回裏の田口VS巨人打線は、これぞプロの好勝負!

2023試合結果


ヤクルト7-5巨人

両チームともにチーム状態が良くなく、今日のゲームも両チームの状態の悪さが目立つゲームとなった。どっちに転んでもおかしくない勝負だったのだが、最終的には4点差をひっくり返したヤクルトに軍配が上がった。そんな何とも言えないゲームではあったのだが、クライマックスである9回裏の攻防は見応え十分であり、いわゆる「金を払ってでも見たい。」と思わせる好勝負だった。勝利することが出来たヤクルトファンはもちろん嬉しいのだが、巨人ファンも最後の攻撃には明日以降につながるものを感じたファンもいるのではないだろうか?

今日はリアルタイムで観戦が出来たため、9回裏の場面を最初に振り返っておきたい。9回表に青木が犠牲フライを放ち、7-5と2点のリードで9回裏を迎えることとなった。ヤクルトは勿論クローザーの田口を起用し、ゲームを締めくくりにかかった。
しかしこの日1番セカンドでスタメン起用となった廣岡に追い込んでから1球外そうとした外のストレートを上手く拾われてしまい、先頭打者の出塁を許すこととなる。続く代打長野には粘られたのだが、9球目の膝元へのスライダーで空振り三振を奪い、まずは1つアウトを取ることに成功する。続く坂本は追い込んでからバックドアで外から入れてくるスライダーを引っかけさせ、ショートゴロに打ち取り、2アウト1塁という状況で4番岡本和を打席に向かえる。ここから1つのアウトを奪うための両者の戦いは非常にハイレベルなものとなった。田口は2球で追い込み、後はどう料理するか?というシチュエーションを作ったのだが、そこから岡本和に粘られてしまう。7球目のインハイへのストレートはコース的に球審の手が上がっても、一塁塁審がスイングとの判定をしてもおかしくないような見事なボールだったのだが、この1球がボールと判定され、カウントは2-2となる。ここからは、田口と岡本和による高い集中力を保った中での勝負となり、田口は見事な投球を見せるのだが、岡本和も打ち取られず、最終的にはフルカウントから12球目が高めに浮き、岡本和を四球で歩かせてしまう。ここで中田に打席が回るのだが、中田は先日の広島戦で逆転サヨナラ2ランホームランを放っており、この日のゲームでも8回に清水からホームランを放つなど、好調を維持していた。一発が出れば逆転サヨナラという厳しい場面で、今の巨人で最も怖い打者に打席が回ってしまった。それでも田口の集中力は途切れなかった。初球からホームランだけは避けるように際どいコースを突き続けた。しかし中田も岡本和同様、簡単にはアウトにならず、厳しいコースのボールはしっかりカットし、勝負はフルカウントまでもつれ込んだ。見ている限りでは田口には1球の投げミスもないように見えたのだが、それでも巨人打線が簡単にアウトにならず、中田に対しては、すでに投げるボールもなくなり始めている印象もあった。球数は40球に近付き、次打者の丸と勝負するのも避けたい展開で、バッテリーが最後に選んだのは外角へのストレート(もしかするとシュートかもしれない)だった。このボールを中田は捉えるのだが、打球はセンター正面への飛球となり、並木がしっかりキャッチし、ゲームセットとなった。
この回田口が投じた球数は37球。特に岡本和と中田には合わせて20球を投げることとなった。この20球は昨年の「田口の20球」に匹敵する中身の濃いものとなった。田口はパワーで圧倒し、三振を奪えるタイプのクローザーではないため、様々な駆け引きをしながら打者と勝負する必要がある。右打者でも左打者でもカウントを奪えるボールがあることが大きな武器なのだが、一つ間違えば即敗戦に繋がってしまう場面での投球は非常に難しい。その中でこれだけの投球が出来る田口のスキルとメンタルの強さはやはり素晴らしいと感じる。逆に言えば、どんな慎重なピッチングを披露したとしても相手打線に掴まってしまうリスクもある投手だとも感じる。これからもハラハラする場面での投球が続くと思うが、一ファンとして結果だけでなく、投球内容にも注目したい投手である。

9回裏について多く取り上げたため、その他の気になったことは箇条書きで簡単にまとめたいと思う。

①サイスニード
・特別調子が悪いということもなかったと思うのだが、初回の廣岡の内野安打から多少ペースを乱してしまったかもしれない。アンラッキーなヒットも含め、2回までで4点を失ってしまった。3回、4回の内容が良かっただけにもったいない投球となってしまった。

②ヤクルト打線
・村上の状態が上がらない中で序盤はチャンスで一本が出ず、決して調子が良いとは感じなかった戸郷を捉えきることが出来なかった。打線が「線」として機能していない状態にも感じたのだが、そんな中でオスナに2本のホームラン、山田に1本のホームランが飛び出すなど一発攻勢で加点しつつ、中村の2点タイムリー2ベース、青木の犠牲フライも飛び出し、最終的には7点を奪ってみせた。村上の不振は続いているのだが、それでも村上がいるといないとでは相手チームに掛かるプレッシャーが変わってくるため、とにかく復調を待ちたいと思う。

③巨人のチーム状態の悪さ
・ヤクルトも他球団のことを言えるようなチーム状況ではないのだが、巨人も原監督をはじめとする首脳陣に焦りのようなものを感じる。今日は戸郷を中5日で先発させたが、普段のキレはなく、ヤクルト打線も喰らい付くことが出来ていた。また投手陣も野手陣も陣容が固まっておらず、試合の中でオーディションを行っているように感じる部分がある。ここで頭一つ抜け出せる選手が出てくると良いのだが、あまりにオーディションが必要なポジションが多過ぎる印象であり、若手も与えられたチャンスを活かしきるだけの実力に達していない選手が多い印象である。このままの状態が続くようであれば、すぐに浮上するということはないのではないだろうか(坂本の状態が上がってくれば、坂本、岡本和、中田の並びは強力だが…)?

連敗を止めた後のゲームで逆転勝ちすることが出来たという事実が大きいのではないか?




アマチュア野球35 (NIKKAN SPORTS GRAPH)

新品価格
¥1,480から
(2023/5/2 22:21時点)




にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村

コメント

  1. 超匿名 より:

     連敗脱出直後の試合で負けてしまうと、また連敗か?今季は低迷するシーズンなのか?という気分になるところだったので、逆転勝ちは気分が良いですね。
     個人で見ると試合で言えば連敗している様な状態の村上は、日曜の試合で復調の兆しがあったのに続いて、この試合でも結果を出して欲しかった。そうはならなかったので、まだまだ出口の見えないトンネルの中との判断になりますかね。
     今や敵となった廣岡は埋もれるには惜しい選手なので、ヤクルト戦では応援しませんが、何とかスタメンに定着する姿を見たいですね。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      村上はまだ時間がかかりそうですね。何とかメンタル面を整えながら試合に臨んでもらいたいと思います。

      廣岡はどうしても1軍でそのポテンシャルを発揮できないんですよね。頑張ってもらいたい選手ではあるのですが…

タイトルとURLをコピーしました