ヤクルト4-4巨人(延長12回)
先発オーダーを見た時に「ちょっと私の好みのオーダーではないな。」と感じた。1番塩見、3番山田に関しては、今現在のベストオーダーであるのかどうか?という部分で疑問があったからである。今日の対戦相手の巨人は試合開始の時点でまだ2位になる可能性があるゲームであり、完全な消化試合ではなかった。そんなゲームであまりにも自分たちの事ばかりを考えたゲームを行ってしまうことに不安を覚えた。
しかし、実際には塩見は試合に出場することはなく、初回の守備に就いたのは並木だった。「そういうことであればギリギリ許容範囲内かな。」と考えを改めた。そして普段とは違ったスペシャルな采配になることに変わりはなかったため、その中でしっかり勝利を手にしてもらいたいと感じていた。実際には、逃げ切れず、延長12回での引き分けという結果になってしまったのだが、高津スワローズの6年間が詰め込まれたゲームで負けなかったことは、今日のゲームだけを切り取って評価した場合には良かったことだと思っている。
高津監督は、最後まで高津監督らしく各選手にメッセージを送るような采配を実行してくれたように感じた。塩見や山田や清水には「あなたたちの本来の持ち場はここなのですよ。」と伝えているように感じたし、高橋、奥川にも「来シーズン以降、絶対に主戦投手になる必要があるよ。」と伝えているように感じた。村上は今日のゲームでは勝負を決める一打を放つことが出来なかったが、試合後のセレモニーで高津監督は村上に対して「来シーズンはどこでプレーしてもヤクルトの代表としてプレーすることになる。」旨を言葉に出して伝えていた。これらの選手は、21年、22年のリーグ連覇に貢献した選手達である。その後苦労している選手ばかりではあるのだが、おそらく高津監督にとっては、特別な選手達なのだと思う。ビジターでの残り5試合、最後まで高津監督らしく戦ってもらいたい。
高橋奎二
・1回~3回まで任された高橋は、唸るようなストレートを軸に巨人打線をパーフェクトに抑え込んでみせた。今シーズンは投げさえすれば物凄いボールを投げ込んでいた。しかし、投げるボールと成績が比例してこないという課題は、今シーズンも同様だった。何とかもう一皮むけてほしい投手の代表格である。今日のボールは凄みのあるものだった。
奥川恭伸
・今日、3回1/3を投げ、2021年シーズン以来のシーズン100イニングを達成してみせた。2021年のような投球を披露してくれている訳ではないのだが、夏場からある程度先発ローテを守った中でこれだけのイニングを投げることが出来たことを自信に変えてもらいたい。今日も3失点と苦しい投球ではあったが、今年の投球を来シーズン以降に繋げたもらいたい。
荘司宏太
・佐々木、キャベッジという左打者2人を連続三振に斬って取ってみせた。新人王の可能性も見えてきたのではないだろうか?高津スワローズ最終年度の数少ないポジティブ要素である。
石川雅規
・泉口1人を抑えた所で降板となった。高津監督は、現在進行形で戦力として期待していることを伝えるとともに、岡本和、リチャードと続く場面では続投させてもらえなかった所に高津監督の厳しさも感じることが出来た。これが石川の現在地ということになるのだろう。
清水昇、田口麗斗
・本来の投球を取り戻してもらいたい中堅投手2人も今日のゲームでは大事な場面で起用された。清水は中山に同点タイムリーを浴びてしまった。田口は2イニングを無失点で抑えたが、危ない投球に終始してしまった。今日の起用法は、またブルペン陣のリーダーとして戻ってきてもらいたいという高津監督のメッセージだったのではないだろうか?
石山泰稚
・今日の試合の特別な事情もある中で2イニングを投げ切ってくれた。こういった起用法にも応えてくれるタフさが石山にはある。高津監督の本拠地最終戦で良い仕事をしてくれた。
村上宗隆
・村上にとってもヤクルトのユニフォームを着ての神宮ラストゲームになる可能性がある試合だった。初回に難しいボールをライト前に弾き返すタイムリーヒットを放ち、ヤクルトの4番としての存在感を示してみせた。しっかりコンディションを整えて「ヤクルト代表」として、メジャーで活躍してもらいたい。
山田哲人
・高津監督が率いた6年間、常にヤクルトの顔としてチームを引っ張ったのだが、そのほとんどの期間は苦しい期間だったのではないだろうか?若い頃からフル回転してきたこともあってかコンディションを整えること自体が難しくなってきている。しかし、そんな中でも自分の出来ることを精一杯こなしてくれるところが、今の山田の長所である。もう一度輝きを取り戻してもらいたい。
塩見泰隆
・高津監督の本拠地最終戦に1軍登録され、スタメンにも名を連ねることとなった。これは、間違いなく高津監督のアイディアであると思われる。高津監督が自分のわがままを通してでも「1番センター塩見」とメンバー表に記した意味を塩見は受け取らなければならない。復活するその日を楽しみに待ちたいと思う。
川端慎吾
・今日のゲームは、巨人は勝たなければならないシチュエーションのゲームだった。そんな中で相手バッテリーは川端を真剣勝負で打ち取りに来た。そんな巨人バッテリー相手にも川端は高い打撃技術で立ち向かった。結果はレフトフライだったが、川端の技術が詰まった印象深い最終打席となった。
過去記事→「川端慎吾引退 | ヤクルトファンの日記」、「川端のために!そして1100安打! | ヤクルトファンの日記」
勝てなかったが、高津監督がエンタメ要素も詰め込みながらも最後まで勝利を目指して戦ってくれた。私達ファンは、高津監督の6年間が詰まったゲームをしっかり目に焼き付けることが出来たのではないだろうか?
過去記事→「高津監督退任 | ヤクルトファンの日記」
残りはビジターでの5試合である。まだまだ印象深い場面を残してもらいたい。
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コメント
高橋は惚れ惚れするような、これで何故二桁勝てないのかという投球でした。
Aクラスと最下位とはいえ、今季の巨人は好調ではないだけに、対戦成績がダブルスコアなのは寂しいですね。
超匿名さんへ
高橋には来年こそ期待したいですね。
確かに巨人は岡本和らを欠いていましたからね。もう少し勝ち星を増やしたかったですよね。