巨人5-0ヤクルト
大卒プロ4年目の右腕赤星、大卒プロ5年目の左腕山野、年齢は山野の方が1つ上だし、右腕、左腕の違いはあるのだが、今の赤星の投球は山野にとってのお手本になるのではないだろうか?赤星ほどのテクニカルな投球を期待することは難しいかもしれないが、プロの壁にぶつかりながら自分のスタイルを構築し、状況に応じて投球できるスタイルは、山野の目指している投球と合致してくる部分もあるのではないだろうか?
赤星に関しては、安定感抜群であり、ストレート、変化球ともに制球力も高いため、簡単に打ち崩せないことは分かっていた。だからこそ、山野にも踏ん張ってもらい、ロースコアのゲームに持ち込む必要があった。3回までは、私が期待するような試合展開となった。
今日の山野はストレートにある程度力があり、変化球も上手く操ることが出来ていたように見えた。3回までは、わずか27球という省エネ投球で巨人打線を抑え込んでいった。赤星の状態も良かっただけに、私は、3回終了時点では「もしかすると20時頃に試合が終わる可能性もあるのでは?」などといったことも頭をよぎっていた。
しかし赤星がスイスイとヤクルト打線を抑え込む一方で、山野は4回に巨人打線に掴まってしまった。先頭の門脇に内野安打を許し、その後1アウト1,3塁とピンチが広がると、ここで甲斐に粘られた挙句、最後は10球目を巧く合わされ先制タイムリーヒットを許してしまった。第1打席、第2打席とも甲斐に根負けすることとなった山野は、ここから立て直すことが出来ず、ヘルナンデスにもタイムリーを許すと、その後2アウト満塁からピッチャーの赤星にも2点タイムリーヒットを浴びてしまい、結局4回4失点で負け投手となってしまった。
山野に関しては、何度も書いているのだが、大学4年次から制球に苦しむ場面が目立ち始め、プロ入り後は怪我も重なって、完全に投げ方を忘れてしまった時期もあった。そこから新たなスタイルを作り上げ、ようやくプロ初勝利を上げたのは、プロ3年目のシーズンの事だった。小さなテイクバックのフォームに変え、ムービング系のボールを駆使しながら相手打者を抑え込んでいく技巧派のスタイルで復活を果たしたのである。そこから更に改良を続け、昨シーズン終盤にようやく過去の山野の姿に近いと感じる投球スタイルを作り上げ、今に至るという印象を持っている。今現在の山野の投球スタイルは私が好きなスタイルであり、「投げ方を忘れたような状態からよくここまで取り戻してきたな。」という印象を持っている。それとともに今シーズンの投球に関しては、今日も含めて「もったいない。」と感じる投球が多いことも確かである。被弾の多さや余計な四球という部分が自分の首を絞める結果となっている。プロ生活5年の中で最も良い状態にあることは間違いないと思うのだが、まだまだ自分の投球を突き詰めきれていない印象がある。首脳陣、捕手ともコミュニケーションを取りながら、どうしたら投球の安定感が増すか考え続けていってもらいたい。「もったいない。」と感じるくらいの状態まで持ってこれたことは確かである。もう一段レベルアップした姿を見せてもらいたい。
山野が崩れてしまったのだが、赤星は最後まで全く崩れることがなかった。正直4回の4失点はヤクルトサイドから見れば重すぎた。赤星タイプの変幻自在な投球でゲームを組み立てる投手相手にある程度のリードを許してしまうと、そこから打者個々の力で赤星を攻略しなければならなくなるため、攻略のハードルは高くなってしまう。開幕2戦目の際にも感じたことなのだが、この展開になってしまうと赤星に余裕を持って投球されてしまう印象がある。それにしてもこの赤星非常に器用な投手だと感じる。ストレートは、140キロ台後半~150キロを記録するし、シュートを投げていてもストレートとしっかり投げ分けているように感じる。縦のカーブも大きな武器だし、スライダー、カット、シュートに関しては、右打者、左打者関係なくバックドアにもフロントドアにも投げ切る技術があり、フォークに関しては、ほとんど高さを間違えない。まだ「難攻不落」の投手にはなっていないと思うのだが、ある程度点差が開いてしまうと、攻撃し辛い投手である。
私の中の山野評は、不器用に見えて器用な投手というものである。何かきっかけを掴めば、今シーズンの赤星のような打者を手玉に取る投球が出来るタイプの投手だと見ている。良いボールを投げ込める比率は以前に比べて高くなっていると感じる。再現性を高めていけば、もっと安定感が増してくるはずである。
今日の敗戦でヤクルトは、13勝24敗2分の借金11となってしまった。開幕時点で戦力が足りないと感じていたし、頼みの綱だった村上も復帰戦で負傷離脱となってしまい、苦しい戦いが続いている。負けが込んでも先発投手陣が踏ん張るゲームが多かったため、何とか競り合いに持ち込めるゲームも多かったのだが、それでも勝ちを拾えないゲームは数多くある。先発が踏ん張っても最下位に沈んでいるということは、今後はもっと苦しい戦いになる可能性がある。ファンにとっても耐えるシーズンとなりそうである。
P.S 最近スタメン出場が続いている岩田は、俊足好打タイプのアマチュア選手のお手本になる選手だと思っている。打席でも塁上でも守備でも「今」自分がやらなければならないプレーを丁寧にこなすことが出来る選手である。それだけに、今日の赤星の2点タイムリーヒットの場面は、岩田自身悔いを残しているのではないだろうか?チャージ、バウンドの合わせ方、ホームへの返球共にほんの僅かではあるがミスがあったように感じた。岩田については、こういったプレーの精度を突き詰めてもらいたい。
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