1プレーで試合は壊れる

2023試合結果


ヤクルト13-3広島

おそらく広島にとっては、フラストレーションがたまるゲーム、3連戦になったのではないだろうか?ヤクルトはリーグ優勝はおろか、CS進出もかなり厳しい状況になっており、先週辺りからは、目に見えて来シーズン以降を見据え始めて戦っている印象がある。一方で広島は、今現在優勝争いの真っ只中であり、今日のゲームは床田でどうしても勝ちたいゲームだったはずである。しかし試合は初回から思わぬ形となる。広島が取れるアウトを取れなかったこともあり、ヤクルト打線が繋がり、初回だけで一挙に6点を奪い、床田を3回でKOするという展開に持ち込んでみせた。
この時期になると、毎年高校野球を見る機会が増え、ちょっとしたミスから試合が壊れるケースを目にする機会が増えるのだが、今日のゲームはそういった類のゲームだったのではないだろうか?

広島先発の床田は、今シーズン抜群の安定感を誇っており、広島躍進の原動力の一つとなっていた。今日のゲームが始まる段階では防御率は1点台ということもあり、ヤクルト側からすると何とかロースコアの展開に持ち込んだ中で勝機を見出したいゲームだった。しかし試合は初回から大きく動く。先頭の塩見がヒットで出塁すると、今日2番で起用された内山のセーフティーバントが決まり、0アウト1,2塁とすると、3番山田のショートゴロをダブルプレーを焦ったセカンドの菊池が落球し、0アウト満塁とチャンスが広がると村上が一塁線を破る先制2点タイムリー2ベースを放つ。続くサンタナはライトスタンドに飛び込む3ランホームランを放ち、打者5人で5得点という速攻で主導権を握ると、その後のチャンスでこの回2度目の打席となった塩見にもタイムリーが飛び出し、この回だけで6点を奪うことに成功した。3回には内山にタイムリーが飛び出し、床田は、3回で83球を投げ、被安打11(被本塁打1)の7失点で降板となった。試合を見ていない人が、今日の床田のスタッツだけを見れば、かなり調子が悪かったのだろうと推測すると思うのだが、おそらくは、初回に取れるアウトを1つずつでも積み重ねていれば、こういった展開にはならなかった可能性が高い。塩見~サンタナまでの5人で5得点を上げたことにより、多少なりとも床田の気持ちが切れてしまった部分もあったのではないだろうか?
広島側から見れば、初回の内山のセーフティーバント、山田のショートゴロでアウトを奪えなかったこと、村上の一塁線の打球を堂林が止めることが出来なかった事について、悔やんでいる部分もあるのではないだろうか?初回の「6得点」という数字は、本来であればあり得なかった数字だと思う。1プレーで大きく試合の流れが変わったり、試合が壊れたりしてしまうのが、野球というスポーツである。今日のゲームは小さな綻びの怖さを感じるゲームとなった。

ヤクルト先発のピーターズは、絶好調という出来の投球ではなかったが、味方打線の大量援護を受け、いつも以上にストレート、シュートといったファストボール系の球種割合を増やして、広島打線と対峙していた印象が残った。6回に失点してしまったように、やはり球数が80球程になってから相手打者に捉えられてしまう傾向に変わりはなかったのだが、それでも今日は、得点差もある中で7回まで投げ切り、107球を投じてみせた。この起用法も来シーズン以降を見据えているように感じた。
1つのプレーが流れを変えるという意味では、ヤクルト側から見ると3回表の守備の際に、先頭の矢野にヒット、盗塁を許してしまい、0アウト2塁となった場面でピーターズが床田に対してカウントを悪くしながら、最後は何とかレフトフライに打ち取った場面が地味に大きかったと感じた。広島ベンチはカウント3-1となったところで床田に送りバントではなくバスターを命じたのだが、この床田の打球は、ショートとレフトの丁度中間辺りに飛んだ打球であり、もしレフトの内山が捕球できていなければ、まだまだ試合が大きく動く可能性があった場面だったのではないだろうか?それだけに判断よく打球にチャージを掛け、しっかり1つのアウトを積み重ねた内山の守備は大きかった。
また今日のゲームでは広島がピーターズのフォームの癖を掴んだかのように、完全に盗まれた中で盗塁を決められてしまう場面があったのだが、ある程度点差がある場面での仕掛けであり、個人的には敢えて今日そこまでして仕掛けた理由が分からなかった。もちろん今後ピーターズ相手に走者がプレッシャーを与えやすくなるというメリットはあるのかもしれないが、ヤクルト側から見れば、今日完全に盗まれてしまった要因を調べる時間を与えてもらったことになる。ピーターズは牽制含め守備面でもある程度のスキルを持っている投手という印象があるため、次回の対戦までには修正できるのではないだろうか?そのヒントを与えてもらったという意味では、今日盗塁を許してしまったことはマイナス面ばかりではないように感じる。

P.S 昨日、今日の村上のレフトスタンドへのホームランは凄まじい当たりでしたね。もちろん村上は、昨日、今日のようなホームランをこれまで何回か放ってきているため、驚くことも少なくなってきているのですが、それでも今日の戸根からのホームランは、追い込まれてからファールで粘ったこと、外角いっぱいのストレートを軽打でしっかりコンタクトし、打球をレフトスタンドまで運んだことは、驚かざるを得ない一発となりました。村上ならではの一発ですよね。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     今季のヤクルトはBクラスで終わる可能性が高いですが、連敗が多くてどん底の最下位かと思わせながらも、三タテして上位チームに牙を向くこともあり、最終的な行く末はまだ見えてきません。村上が好調なら台風の目として恐れられる存在にはなりますね。
     清水と田口以外のリリーフはピリッとしませんね。阪口は大量リードの1試合だけなのでまだわからない。石山に今野も状態が悪い。良い時は木澤で問題ありませんが、安心して七回を任せられる投手が欲しい。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      7回を任せられる投手の不在がチームの低迷に繋がっている部分もあるでしょうね。阪口は将来的には先発起用をイメージしているのかな?と思っていましたが、このままリリーフとして育てる可能性もありますかね?

  2. sabo より:

    村上の弾丸ライナーは凄かったですね
    合わせただけのように見えましたが全く打球が落ちてこずそのままスタンドイン
    マジックのような驚きがありました

    先発は助っ人3人(サイスニード、ピーターズ、ロドリゲス)を先発で回していくと考えれば小川、小澤、高橋で6人さらに+1に石川、山野、復帰すれば吉村、山下、奥川が加わる7人ローテもしくは8人ローテで回せそう。年齢的にもベテランと呼べるのは石川小川くらいで年齢のバランスは悪くない(毎年そういいつつ足りなくなるんですけどね汗)
    一方リリーフ陣の心配がここにきてありますね。特に今野と石山は心配かな。勤続疲労というやつかもしれませんがそもそも投手の寿命というのは野手より厳しいのが当たり前ですからね。
    星と丸山も開幕前よりずっといいんですけど調子がピーキー過ぎて。

    今のリリーフ陣の状態だと阪口は一軍のビハインドや中盤で使いながら育てるという感じかもしれません

    今のヤクルトが来期以降を見据えて戦っているのは感じますね。そしてこのままだと原樹理と大下は戦力外かもと感じます。

    • fiys より:

      saboさんへ

      村上のホームランは、衝撃弾でしたね!

      投手運用は難しいですよね。阪口にも期待したいですよね。

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