岡本和真を称賛する他ないのだが…

2023試合結果


ヤクルト1-2巨人

結果的には、岡本和真の2発に沈むこととなった。正直、昨日、今日の岡本和の状態は非常に良かったように感じる。昨日の高橋、尾仲からの一発も今日のピーターズ、清水からの一発も見事なものだった。バッティングに関しては、称賛する他ないと思っている。しかし今日の8回裏の一発については、避けることも出来た(逃げることも出来た)一発だったように感じる。もちろん細心の注意を払って清水ー中村のバッテリーが勝負していたのは伝わってきたのだが…。状態の良さ、ゲームのシチュエーションを考えると「四球OK」の場面ではあった。「もったいない。」という感想もなくはない。

ヤクルト先発のピーターズは、元々予定されていたと思われる火曜日の登板を回避したため、状態が気になったのだが、今日もいつも通りの安定した立ち上がりを見せてくれた。吉川、坂本、梶谷という並びは決して簡単な並びではないのだが、坂本、梶谷のバットを折るなど完璧な投球を見せてくれた。そんなピーターズの前に立ちはだかったのは、岡本和だった。2回の先頭打者として岡本和と対峙したのだが、カウント2-2からの高めのストレートを完璧に捉えられてしまった。カウント的には追い込んでおり、様々な選択肢があった中でストレート勝負を選択したのだが、ものの見事に左中間スタンドに運ばれてしまった。昨日から岡本和の状態が良くなっているとは感じていたのだが、今日の一本目のホームランも調子が良い打者ならではのホームランのように感じた。初回の投球を見てもピーターズのボールはある程度走っていたと思われるのだが、追い込まれてからあのストレートに差されずに完璧に捉えるのだから見事である。
しかし今日は、ピーターズがここからよく粘ってくれた。相手の戸郷の調子も良かったため、もう1点与えてしまうとかなり苦しい展開になることが予想されたのだが、4回のピンチは自らの牽制で誘い出しアウトを奪うなど、何とか無失点で切り抜けると、球数が100球を超えて、多少ボールが上ずり始めた6回も、ピッチャーゴロで大城を打ち取ったように見えた打球を弾いてしまい、ピンチを広げながらも最後はブリンソンを三振に斬って取り、6回1失点でまとめてみせた。このイニングに関しては、左足を気にする仕草もあったり、ピーターズ自身が3アウトを取ったと勘違いしたであろう打球処理でのミスがあり、感情を表出させる場面もあったのだが、最後は気迫で乗り切ってみせた。
球数が100球近くになると細かい制球面でアバウトになり、突如として苦しい投球に終始してしまうことが多いのだが、それでも抜群の立ち上がりから試合を作る能力に長けているピーターズを私は高く評価する。今日は、山場となった6回をよく無失点で乗り切ってくれた。
リリーフ陣は、7回を木澤が何とか無失点で繋ぎ、8回は1-1というスコアのまま清水を投入するシチュエーションを作ることが出来た。リードを奪えていないので、最高の形とは言えないのだが、戸郷の状態の良さを思えば、しっかり勝ち筋が見える展開に持ち込むことが出来たということも言えたのではないだろうか?しかしその勝ち筋を消されてしまったのも岡本和のホームランによるものだった。正直梶谷をしっかり打ち取り、1アウトランナーなしという場面で岡本和を迎えていたため、私自身は「四球OK」の場面だと思って観戦していた。もう1点勝負の場面であるため、1アウト1塁、打者若林(代打中田もあったかな…)、大城勝負でも良いかな?と感じていた。おそらくヤクルトバッテリーもそこまで考えて岡本和と対峙していたと思うのだが、フルカウントからのフォークはストライクゾーンに入ってしまった。決して悪いコースのボールではなかったのだが、状態の良い時の岡本和はこの辺りのボールにも反応できるだけの力がある。もちろん岡本和を称賛するべきではあるのだが…ゲームマネジメントということを考えると、個人的にはもったいなく感じるホームランだった。

打線は、今日は、1番レフト並木、2番ショート武岡、3番センター塩見、4番サード村上、5番ライトサンタナ、6番セカンド山田、7番ファーストオスナ、8番キャッチャー中村、9番ピッチャーピーターズという並びになった。
このタイミングで長岡を外し、2番ショートで武岡というのは意外といえば意外だったのだが、今日は戸郷の前に並木、武岡の1,2番コンビは、格の違いを見せ付けられてしまった。2人で8打数ノーヒットの5三振と手も足も出なかった。流石日本代表の投手である。
力のある投手が調子よく投げている時に打線が打ち崩すのは、中々難しいものである。リーグ優勝を果たした21年シーズン、22年シーズンのように投手陣が相手打線を抑え込み、ロースコアの展開に持ち込みながら終盤勝負で勝ち筋を見出すゲーム展開に持ち込むのがベターである。今日はそういった展開に持ち込むことが出来ていたし、5回には山田の2ベースとオスナのタイムリーで同点に追い付くことが出来ていたため、ヤクルトにとっては悪くない展開に持ち込むことが出来ていた。戸郷はスタミナのある投手ではあるのだが、それでも8回くらいからは、目に見えて制球出来ていないボールもあり、チャンスはあるように感じたのだが、8回は、並木が送ることが出来ず、チャンスを広げられず、9回は、0アウト1,2塁のチャンスを活かすことが出来なかった。岡本和同様、戸郷を賞賛すべきなのかもしれないが、戸郷も明らかに疲れは出ていたため、そこに付け込めなかったのは痛かった。

今シーズンここまで低迷しているからこそ、21年シーズン、22年シーズンに今日のようなゲーム展開を上手く拾えていたことを思い出す。やはりこういったロースコアの接戦をモノに出来るゲームが多いチームはシーズン成績も上位に来るのではないだろうか?オールスター後、ヤクルトのチーム状態も上がってきているとは思うのだが、ある程度良いゲーム展開に持ち込めても勝てないゲームが多く、この辺りは21年、22年との明確な違いであると感じる。




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コメント

  1. 超匿名 より:

     対巨人四連勝を可能にした要因の一つは岡本を抑えていたことでしょうから、これだけ活躍を許してしまえば勝ちは遠退きますね。このシリーズヤクルト側はメンバーが戻ってきたのに一発を封じられたことを思えば、三タテを免れて良かったという状況でしょう。戻ってきたと言えども、まだ同点なのに山田やオスナを交代しないといけないのでは、やはり勝つのは難しかったのでしょう。
     戸郷についてはドラフト下位の投手を連続二桁、しかも貯金を作れる選手に育てたことは敵ながら褒めざるを得ません。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      終わってみれば、「1つ勝てて良かったな。」と感じる3連戦になってしまいましたね。
      逆に山野の好投が浮かび上がってきましたよね。

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