第87回センバツ振り返り

今日は第87回選抜高校野球の振り返りの記事を書いてみたいと思う。北陸勢として春夏通じて初優勝となった敦賀気比、エースの大沢投手を中心によくまとまっていた東海大四の戦いぶりが印象的だった。

今回は事前の注目選手の記事→「第87回センバツ注目選手」の記事にも書いた選手も含め、気になった選手を数人ピックアップしてみたい。

投手に関しては、高橋純平(県岐阜商)の実力が抜けていたと思う。腕の振りが抜群で軽く投げてるように見えても140キロ台後半のストレートを次々と投げ込んでいた。フォームのバランスもよくコントロールも安定していた。スライダー、カーブと言った変化球も超高校級のレベルだった。センバツの時点でこれだけ完成度の高い投手はほとんどお目にかかることが出来ないと思う。プロで1年目から即戦力に成り得る可能性を秘めていると思う。全国制覇を経験した完成度の高い右腕の今村猛(清峰→広島)や高橋光成(前橋育英→西武)よりも即戦力度は高いと見ている。
この高橋に関しては、夏に向けては「即戦力としてどれくらいやれるか?」というところに注目して見て行きたいと思う。気になるのは怪我だけである。その抜群の腕の振りは「諸刃の剣」のように感じる。怪我さえなければプロの世界で一流と呼ばれるプレイヤーになるのではないだろうか?

ヤクルトが好みそうなタイプの投手だけにドラフトに注目が集まりそうだ。

優勝投手となった平沼翔太(敦賀気比)も圧倒的な数字を残してみせた。5試合全てで完投し、防御率は0.40である。これだけの数字を残してもなお、投手としてより打者としての方が魅力を感じるというスカウト評が多かったように感じるが、個人的には投手としての雰囲気に魅力を感じた。マウンドでの落ち着き、良い意味で相手を見下して投げ込めるマウンド度胸はとても高校生とは思えなかった。ストレートも変化球も切れ味抜群で精度も高くこちらも高卒即プロ入りでも2~3年後には戦力に成り得る投手だと感じた。サイズや伸びしろの部分を気にする声をよく聞くが、球速に関してはまだまだ速くなるのではないだろうか?本人も投手志望ということなので是非投手としてプロの世界に飛び込んでもらいたいというのが私の意見である。上記の高橋同様非常に完成度の高い投手に成長してきていた。

小川良憲(近江)は、上記の高橋に投げ負けた格好になってしまったが、こちらもスリークォーターからのしなやかな腕の振りが印象に残った。昨年の夏の甲子園での投球も印象的だったが、このセンバツでも完封勝利を記録するなど存在感を見せつけてくれた。新たにシンカーも習得し、成長した姿を見せてくれた。これから夏に向けてストレートの球威が伸びてくればドラフトにかかる可能性のある投手だと思う。大学なら即戦力の実力派だと感じる。

もう一人事前に名前を挙げていた坂口大誠(奈良大付)は初戦で優勝した敦賀気比に、またエースの平沼に実力差を思い知らされた格好となったが、持ち味はそれなりに出せたのではないだろうか?コントロールが良く大崩れしなさそうなところはこの坂口の武器である。ストレートにボリューム感が出てくれば数年後のドラフト指名も期待できるのではないだろうか?

その他の投手では完成度の高いピッチングを見せてくれた2年生サウスポー鈴木昭汰(常総学院)、江口奨理(浦和学院)が印象に残った。コントロールもあって三振も奪える鈴木は流石に中学時代から注目されてきただけのことはあるな。と感じた。江口も先輩の小島を彷彿とさせるようなしなやかな腕の振りから安定感のある投球を披露してくれた。2人とも伸びしろという部分で「?」が付くかもしれないが、今後どのような成長曲線を描くか楽しみである。

野手で最も印象に残ったのは勝俣翔貴(東海大菅生)である。投打ともに注目されていたのだが、初戦の大阪桐蔭戦では滅多打ちに合ってしまった。それでもバッティングでは大阪桐蔭の好左腕田中を相手にしっかり自分のスイングでボールを捉えることが出来ていた。チームのエースでもあるため脚力や守備面にまだまだ課題があると思うのだが、バッティングセンスでは今大会№1ではないだろうか?高卒即プロ入りの可能性がある選手だと思う。

その他では大型でありながら抜群のスピードを誇る宇草孔基(常総学院)、船曳海(天理)に魅力を感じた。宇草は大型でありながら機敏な動きも出来、走攻守三拍子揃った素晴らしい大型二塁手だった。野球をよく知っており総合力の高い選手だと思う。どんな選手に成長して行くか楽しみである。
船曳はまだまだ荒削りだが、身体能力の高いプレーヤーである。特にバッティングに関してはまだまだ荒削りでプロ世界でやっていくにはまだまだ時間が掛かりそうだが、そのスピードは大きな武器である。
宇草、船曳ともにロマンにあふれた選手である。育成に自信のあるチームは高卒でも指名したいのではないだろうか?

そしてもう一人気になったのは、福田光輝(大阪桐蔭)遊撃手である。とにかく守備が素晴らしかった。高校生らしい堅実な守備というよりは「プロっぽい守備をするな。」という印象が残った。抽象的な表現で申し訳ないのだが、足が良く動いており、下半身も強そうである。スローイングも安定しており、守備だけなら超高校級という印象である。2学年上になる先輩の水谷友生也も上手かったが、この福田も相当上手いと思う。やはり大阪桐蔭というチームは只者ではない。監督をはじめとする指導者が素晴らしいのだろう。

観戦出来た試合はほとんどありませんでしたが、それでも楽しみな選手が多いセンバツに感じました。皆さんも気になる選手がいたら教えて頂ければと思います。

今年はヤクルトのドラフトも高校生の指名が多くなる可能性があるので夏の甲子園も非常に楽しみである。

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コメント

  1. trefoglinefan より:

     ドラフト情報局などで、ヤクルトのスカウトの情報がなく淋しい思いをしていました。それで高橋純以外でやっと名前が出てきたのが高橋奎でしたから、本当に大丈夫なのかと思った次第です。
     私も平沼は投手として魅力を感じました。野手に転向なんて本当に勿体ないですよね。先発投手としてかなり息長い活躍ができそうだと思います。
     舩曳は予想通りの魅力ある選手でした。最悪の場合でも走塁のスペシャリストになれると思わせるくらい、接塁際のスピードを感じました。どちらにせよ各選手夏までにどれだけ成長できるかが肝心なところであり、楽しみなところになると思います。黒瀬健太は甲子園の機会に恵まれない可能性が大きいですが、高校に入ってから途端に伸びた感があり、地方大会でしっかりマークして欲しいと思うのですが、そこまでヤクルトはやるのでしょうか。
     今年のドラフトで高校生が取れるようになればいいと思います。その為にも現有戦力の整備をシーズン中にやって欲しいですね。12球団一魅力のない農地から早く脱却して欲しいと思います。

  2. FIYS より:

    > trefoglinefanさんへ

    高校野球の記事にコメント頂きありがとうございます。

    不作とか豊作とかいうのもマスコミが煽っているだけで結局は10年くらいたたなければ分からないですよね。今年のドラフトは即戦力投手を上位で1名確保したら後は高校生のみでも良いくらいの思い切った指名をお願いしたいものです。船曳選手は補強ポイントにも合致しそうな気がするのでヤクルトが指名する可能性もありそうですよね。
    黒瀬選手は見たことがないですが強打の捕手ですよね?

  3. パイン より:

    高橋純平には、かつての川崎憲次郎の雰囲気を感じますね。
    時々、こういう投手がいます。
    力任せに三振を奪いにいくのではなく、コンビネーションを使い、
    ド真ん中の直球でも詰まらせて打ち取る。

    プロではノーコンでも、高校時代はコントロールがいいと云われた
    川崎を思い出す投げっぷりでしたね。

  4. FIYS より:

    > パインさんへ

    川崎憲次郎の高校時代は知らないのですが、川崎も確か高卒2年目くらいからはバリバリ活躍していましたよね?高橋純もこのまま伸びれば10代の内から1軍で戦える投手になるのではないでしょうか?

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