クラブワールドカップ鹿島アントラーズが準優勝

今日はクラブワールドカップの決勝が行われた。私は幼い頃から南米VS欧州の図式で行われてきた、いわゆる「トヨタカップ」を楽しみに見ていた世代のため、FIFA公認の公式戦の決勝でレアルマドリードと鹿島アントラーズが対戦するというだけでワクワクしてしまったのだが、試合自体も見応えのある好ゲームとなった。

クラブ世界一決定戦に関しては、90年代辺りから選手に多くのお金を掛けられるヨーロッパ勢にハングリー精神の強い南米勢が挑むという図式になっていた。試合の質、チーム全体のモチベーションの高さということを考えるとおそらくチャンピオンズリーグが事実上の世界一決定戦となっており、トヨタカップ、その後のクラブワールドカップはヨーロッパ勢のコンディショニング不良とモチベーションの低さが目立っていたように感じる。

正直今日のゲームに関しても前半からレアルがどこか流してゲームに入っているようにも感じられた。しかしこういった実力差があるチームとの試合でもしっかりチームとゲームをコントロールし勝利をものにするのがレアルマドリードである。今日も早い段階で先制点を奪い、アントラーズに決定的なシーンを作らせることなく、前半が終了しようとしていた。しかしそんなゲーム展開を一転させる男が現われた。伝統あるアントラーズの「10番」を引き継ぐ男柴崎岳である。前半終了間際にペナルティエリア内でこぼれてきたボールを落ち着いてゴール隅に蹴りこんでみせた。1-1になったことでスタジアム全体の空気が変わり始めていたのだが、後半の立ち上がりに柴崎がもう一度魅せてくれた。ペナルティエリア手前でボールを持つと相手ディフェンダーをかわして左足で振り抜いたシュートは低い弾道でゴール左下に吸い込まれた。柴崎の見事な2得点だった。

レアルマドリードのモチベーションの部分とアントラーズが開催国枠での出場(アジアを勝ち抜いての代表ではない)だったことからワクワクしつつも少し冷めた部分も持ちながら観戦していたのだが、この柴崎の2得点目は流石に興奮した。世界にアピールするゴールになったのではないだろうか?

大学を卒業して以降サッカーを見る機会は極端に減ってしまい、ヨーロッパサッカーもJリーグも疎くなってしまったのだが、それでも今日の試合は楽しめた。レアルはC・ロナウドはもちろんのことベンゼマやクロース、モドリッチやマルセロなど世界の超一流選手が集まっているのだが、個の技術も組織力も素晴らしく、やはり世界最高峰のチームであることを示してくれた。
そしてアントラーズの選手達も一世一代の大舞台で実力を発揮してくれた。前半からハイペースで飛ばしプレッシャーを掛け、1点を失っても自分達のサッカーを見失うことなく戦うことが出来ていたのではないだろうか?2得点を決めてみせた柴崎はもちろんのこと長きに渡ってアントラーズのゴールを守る曽ヶ端の存在感はチャンピオンシップからこのクラブワールドカップで輝きを放ったし、植田、昌子の若手センターバック、サイドバックの西、日本代表永木、ベテラン小笠原、攻撃の軸となる金崎、土居と各々良いプレーを披露してくれていたと思う。延長戦で力尽きてしまったが、素晴らしいゲームだった。

私は1990年代前半からトヨタカップを見ていたのだが、その頃は世界の舞台に立つことさえ許されないような時代だった。それから25年ほどの時間が経過する中で日本のサッカーのレベルは格段に上がり、世界の舞台で一泡吹かせるくらいの期待感は持ちながら試合を見られるようになった。今日のゲームに関しては、先程も書いた通りレアルマドリードのモチベーションとコンディション、アントラーズが開催国枠での参加だったということを差し引いて見なければならないのだが、それでも十分に面白いと感じさせてくれるゲームだった。

サッカー少年や若いサッカー好きの皆さんは今日のゲームをどんな思いで見ていたのだろう。鹿島アントラーズが日本のサッカー関係者に勇気を与えたのではないだろうか?

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