日本サッカー25年の積み重ねによるW杯ベスト16

時間がないためサッカーワールドカップの記事は書けないかな?と思っていたのだが、思いがけずナゴヤドームでの中日戦が中止となったため、簡単にロシアワールドカップの日本代表について触れておきたい。

ワールドカップ開幕2ヶ月前にハリルホジッチ監督が解任されるなど、ごたごた続きで開幕を迎えたのだが、西野監督の基でチームはまとまり、1試合目のコロンビア戦で勝利した事によって、流れが劇的に変わったと感じた。

私は過去記事にも書いたのだが、ワールドカップ2ヶ月前での監督更迭については、反対の意見を持っていた。もし西野監督が率いて決勝トーナメントに進めたとしても、今回の更迭劇をポジティブに捉えることは出来ないと感じていたし、今でもその気持ちは変わらない。しかしJリーグが誕生して、そして「ドーハの悲劇」から25年が経過する中で、日本サッカーは着実に経験値を上げ続け、進歩している事を感じる事が出来た大会でもあった。

93年にドーハの悲劇によってワールドカップ初出場を逃し、日本がようやくワールドカップの舞台に立てたのは98年のフランスワールドカップからだった。そこから日本はアジア予選を突破し続け(02年は開催国枠で予選免除)、6大会連続で本大会に出場し、そのうち3回決勝トーナメントに進出している。これは素晴らしい成績だと思う。今大会では決勝トーナメント1回戦でタレント軍団ベルギーと対戦し、「あわや」の場面も作ってくれた。開幕前にあれだけごたごたしながらこれだけの戦いが出来たのは、間違いなく日本サッカー界の積み重ねによるものである。

多くの選手がヨーロッパでプレーする機会を持つ中で普段から世界トップレベルの相手とゲームを重ねる事が出来ているのが、今の日本代表であるが、この状況を作り上げたのは間違いなくここ25年の日本サッカー界の積み上げだし、危機的状況で西野監督を抜擢し、何とかチームを立て直したのもここ25年の日本サッカー界の積み上げがあってこそのことなのだと思う。
世界のトップを狙うにはまだまだ足りないものは多いと思うのだが、ワールドカップである程度の戦いをするだけの力は身に付けてきていると感じる。ワールドカップの常連となりつつある日本代表なのだが、今後はメキシコのようにどの大会でも決勝トーナメント出場が狙えるような位置までチーム力を高めていってもらいたいと感じる(メキシコも決勝トーナメントでは苦戦続きですが…)。

私自身は今大会のメンバーであれば、全盛期はどちらかというとブラジルワールドカップの時だったと思っているし、単純な力関係と言う意味でも前回大会のチームの方が上だったと感じる。しかし結果を残したのは、今大会の日本代表だった。これがサッカーの面白さであり、チームスポーツの面白さなのだと思う。ベテラン選手の経験値や運の部分で前回大会を上回ったように感じる。

コロンビア戦もセネガル戦もポーランド戦もベルギー戦も見応えのあるゲームだったと感じる。しかし日本中が湧いた今大会後だからこそ冷静な分析が必要になってくると思う。確かに決勝トーナメントには進出したのだが、勝ったのは開始早々に1人退場処分を受け、終始10人相手で戦ったコロンビア戦のみであり、その他の試合は勝ちきることが出来なかった試合ばかりである。この視点は忘れてはならないと思う。決勝トーナメントに進出した事で世論は「良く頑張った!」という歓迎ムードに包まれているが、勝てなかった要因を探し出し、今後に活かしていく事も大切な事である。まだ時間は掛かると思うのだが、決勝トーナメントに進出しても批判的な話しが出てくるような日本代表に成長して行ってもらいたいものである。
今大会は「チームの和」で勝ち取ったベスト16だと感じる。

P.S
ポーランド戦のラスト10分のボール回しについては、皆さんはどんなご意見をお持ちでしょうか?個人的には嫌いな采配ではないのですが、他会場のゲーム次第と言う事で完全に他力本願となってしまったことは「どうなのだろう?」という気持ちを持っている。西野監督を始めとする首脳陣の冷静な判断は確かに凄いと思うのだが、自力で勝負できなかったというのが今の日本の実力だと思うし、今の日本の立ち位置なのだと思う。

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コメント

  1. sabo より:

    試合直後は本当に興奮してましたけど落ち着いてくるとやなり色々考えることのある大会でしたね

    勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
    ノムさんの格言通りですね。相手チームの方が格上とはいえ失点はあくまで自チームのミスかミスに近い隙を突かれる形でした。ベルギーのキーパーが本田のFKについてどこに蹴るかはデータで分かっていた、というような発言もあったし準備が大切なんですね。もっと準備をしっかり出来ていれば全体的にパフォーマンスを上げられたのではないか?我がヤクルトスワローズにも当てはまることですね。

    ポーランド戦の戦略はあれはあれで良いのでしょうが、西野監督がベルギー戦で3点目を狙いに行った理由としてポーランド戦での後悔を挙げたのは疑問が残りました。指揮官がそんな精神状態ではいかんでしょう

  2. FIYS より:

    > saboさんへ

    逆に準備不足でも決勝トーナメントに勝ちあがった部分に日本サッカーの底力を見たような気がしました。

    ベルギー戦はポーランド戦の影響が多少なりともありましたかね?

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