クリーンアップが薮田を打ち崩す。マツダスタジアムでの連敗は11でストップ。

ヤクルト9-1広島

広島戦のマツダスタジアムでの連敗は思わぬ形でストップした。正直相手先発の薮田は、セリーグでトップクラスの右腕と感じているためここまで得点出来るとは思ってもみなかった。しかしバレンティン、山田、大松というクリーンアップ3人がその薮田相手にホームランを放つとは…快勝である。

小川は一旦リリーフに配置転換され、そこで結果を残せず、再度先発に転向してから2度目の登板となったのだが、今日は強力広島打線を相手に6回で121球を投げ、被安打5与四死球の3の1失点という投球内容で勝ち投手となった。怪我での離脱もあり、約2ヶ月ぶりの勝利となったのだが、「強い」だけでなく「嫌らしさ」も感じさせる広島打線を相手にしても我慢比べとなるような打席でも集中力が途切れなかった。ランナーを許しても簡単には崩れず、七夕の夜の惨劇を払拭するような好投となった。
1点リードで迎えた2回に山田のエラーと連打で同点に追いつかれてしまい、尚も0アウト1,2塁というピンチがあったのだが、ここで良く踏ん張ってくれた。広島打線はこういったシチュエーションから下位打線が上手く繋ぎ、上位打線で一気にビッグイニングを作る事に長けているチームである。このゲームも下手をするとこの回で一気に試合を決められてしまう可能性もあった中で8番會澤を三振に仕留め、続く薮谷もバントを決めさせず、しっかり8番、9番を料理すると田中にも仕事をさせなかった。結果論ではあるのだが、相手の先発が薮田だった事を考えてもこの回に何とか同点止まりで抑える事が出来た事が大きかった。

リリーフ陣は5点差が付いていたが、広島が相手という事もあり、全く気が抜けなかった。石山ー近藤ールーキと1イニングずつ繋ぎ、最終的には9-1というスコアのゲームとなったが、鬼門マツダスタジアムでのゲーム、また七夕の惨劇となった7月7日のゲームが頭をよぎったため、最後までどこか緊張感のあるゲームとなった。9回に起用され始めてから結果を残し続けているルーキだが、まだセーブシチュエーションでの登板がないため、そろそろそういった場面での登板が見てみたい。ボール自体は走っているように感じる。

打線は冒頭にも書いた通り、薮田相手にクリーンアップが見事に仕事を果たしてみせた。初回は、2アウトランナーなしの場面でバレンティンがレフトスタンド場外に飛び込む先制ソロホームランを放ってみせた。これで5試合連続のホームランという事で身体のキレが出てきたように感じる。というよりもここ3年程の中では最も調子が良いのでは?と感じさせるほどボールを上手くコンタクトする事が出来ている。8回の打席で左ふくらはぎに違和感を感じて交代となったとのことでやはりフィジカル面の課題は付き纏うのだが、軽症であることを祈りたい。
バレンティンのホームランに続いたのは山田だった。5回に奥村のタイムリーで勝ちこした後の6回に相手のエラーも絡んで1アウト2,3塁の場面で打席が回ってきたのだが、薮田の外角のカットボールを捉えると打球はそのままバックスクリーン左へ飛び込む3ランホームランとなった。少しこすり気味の打球だったのだが、打球はそのままスタンドまで届いた。この辺りが山田の凄みである。今シーズンは絶不調ではあるのだが、その中でも本塁打数は思った以上に稼げている印象である。今日のような一発は相手投手に警戒心を植付けるだけのホームランになったように感じる。薮田も改めて山田の怖さを認識したのではないだろうか?
そしてショックを受けていたであろう藪田に追撃の一発を放ったのが、このゲーム5番で起用されていた大松だった。低めのボールに上手く対応し、ライナーでライトスタンドまで運んでみせた。相手投手が意気消沈しているところを見逃さないベテランらしいホームランとなった。
三者三様のホームランで薮田を打ち崩したのは気持ち良かった。それほどまでに薮田は良い投手だと感じるため、想定外の3発だった。このままバレンティン、山田の2人が揃って調子を上げてくれると嬉しいのだが…どうだろうか?

そして今日は奥村、山崎の若手2人もタイムリーを放ち、真中監督のスタメン起用に応えてみせた。奥村は同点の5回にプロ初タイムリーとなる勝ち越し打を放ってみせた。2アウト3塁という場面であり、勝負を避けられてもおかしくなかったのだが、広島バッテリーはおそらく奥村を打ち取れると見て勝負してきた。その広島バッテリーをあざ笑うかのように奥村が外角のストレートを逆らわずに捉えると打球はショートの頭上を超えて行った。こういう場面で結果を残せるということは非常に重要な事である。将来ヤクルトを背負って立つ選手になってもらいたいと感じるのだが、5回のタイムリーや9回の送りバントをしっかり決めたところにセンスの良さを感じる事が出来た。
山崎もここの所奥村とともに先発起用が続いているのだが、9回のチャンスでダメ押しとなる2点タイムリー2ベースを放ってみせた。このゲームはそれまでヒットが出ていなかったのだが、最後に左投手相手に結果を残してみせた。今はアピールしなければならない時期だけにこのタイムリーは山崎にとって大きな一打となった。1年目に比べてプロのボールに対応出来るようになってきている。今のところ左投手を苦にしなさそうなところもプラスポイントである。入団当初から大学の先輩である真中監督と比較される事があったが、パンチ力という意味では当時の真中監督に分があると感じるが、バットコントロールという意味では互角であり、スピードという部分ではやや山崎に分があるのではないだろうか?今後どういったタイプの選手に成長するのか見守っていきたい。

山崎、奥村が結果を残し始めた事で一気にヤクルトの未来が明るく照らされるようになってきた気がする。ここに廣岡、渡邉が加わってくるようだと相当面白いチームが出来上がってきそうである。若手野手にこれだけ楽しみな素材が集まるのは久々ではないだろうか?

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コメント

  1. k より:

    マツダで結果的にワンサイドのゲームは優勝した年以来の快勝ですかね。
    小川は七夕の時にやられていたので気合が入ってましたね、中村もかなり反省したせいかこの試合だけは集中力も高かったように感じましたね(それにしても何点差あっても広島の打線は油断が出来ない雰囲気は何なんでしょうね、打順も右左交互に並べて継投も難しくさせてるし広島へ勝つための対策が頭に浮かばないんですよね)
    山田もバレンティンもホームランは出ましたが半速球なんですよね、薮田の150くらいの真っ直ぐをスタンドイン出来れば絶好調だとは思うのですが・・・。
    それと奥村は良い仕事をしましたね、特に九回のバントは評価高いですね。彼は父親が宮本慎也とプリンスホテルで一緒にやっていたこともあり、そういった意味では宮本慎也みたいな抜け目ない細かいプレーが出来る野手になって欲しいですね(大引が戻ってきてもスタメンを外してはダメですね、大引が控えに回ってくれた方が守備固め含めチーム層は厚くなりますしね)
    次は石川ですが山崎・奥村が入って打線に繋がりが出てきたので先制点を取れれば優位に進められますね、石川が我慢して相手に先に点をやらなければ勝てる確率も上がりますね。

  2. FIYS より:

    > kさんへ

    小川ー中村のバッテリーはよく集中出来ていましたね。強力広島打線を相手に素晴らしい投球でしたね。

    奥村は頭を使って野球が出来るタイプの選手だと感じるだけに身体が出来上がってくればヤクルトの内野の要のような選手になってくれるかもしれませんね。

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