盆と正月が一度に来る

ヤクルト15-2DeNA

8月9日からの巨人3連戦でペナントレースでの流れの怖さを感じたのだが、8月12日からのDeNAとの3連戦でも流れというものの重要性を感じる事が出来た。村上の逆転サヨナラホームランによってDeNAが優勝争いのプレッシャーの中で沈んでいった形だろうか?それにしても今日の試合は打線が初回に7点を奪い、その後も追加点を重ね、先発の石川はあわやノーヒットノーランという快投で大勝となった。「盆と正月が一度に来る」という表現が合っているように感じる。

先発の石川は、初回に先頭の桑原を歩かせてしまったのだが、2番筒香をダブルプレーに打ち取るとここから8回1アウトまで1人の走者も許さない完璧な投球を披露してくれた。味方の大量援護もあり、2回以降はDeNA打線に何もさせなかった。ノーヒットノーランが見えてきた8回1アウトからルーキーの伊藤裕にホームランを浴びてしまったのだが、8回を被安打1(被本塁打1)与四球1の1失点と素晴らしい投球を披露してくれた。アウトの内訳は、三振6、内野ゴロ11(ダブルプレー1)、外野フライ5、内野フライ1という結果になった。大量援護があったからこそ余裕を持って投げられて部分もあったのかもしれないが、ストレートも変化球も苦しむことなく自分の思った場所に投げる事が出来るのが石川の武器である。今日は特に低目への制球が冴え渡り、内野ゴロの山を築いてみせた。この試合展開でノーヒットノーランでもやったものなら盆と正月どころかクリスマスとGWも一度に来たというような表現でなければ追いつかなかったのだが、ノーヒットノーラン達成とはいかなかった。
それにしても今シーズンの石川は安定している。チームの不振もあり勝ち星は伸び切れていない印象だが、ある程度試合を作り、今日で6勝目を上げてみせた。石川らしさ、ベテランらしさを感じさせてくれる。夏場の厳しい時期にこれだけ投げられる39歳は早々いないはずである。プロの投手としてのお手本となるような存在が間近にいるのだから他の投手陣はもっと奮起しなければならない。

打線は初回に濱口を完全に崩せた事が大きかった。今シーズンは完封負けを喫するなど決して得意としていない投手なのだが、調子が上がる前の初回に一挙7得点でKOしてみせた。廣岡死球、青木四球でもらった0アウト1,2塁のチャンスでここの所状態が上がってきた山田哲に先制3ランホームランが飛び出した。山田哲に期待したいのはこういったバッティングである。相手チームの心を折るような、試合の流れを持ってくるようなプレーを見せてもらいたい。ここから内野安打3本で1点を追加すると今日のゲームでスタメン出場となった大引にも3ランホームランが飛び出し、この回だけで7点を奪ってみせた。これで濱口をKOし、試合展開が一気に楽になった。
3回には村上、廣岡、青木のタイムリーで4点、6回にはバレンティン、村上のホームランで3点、7回には上田のタイムリーで1点と着々と得点を追加し、合計15点の大爆発となった。

それにしても野球というスポーツは怖いものである。つい10日程前までは、首位巨人を一気に追い上げていたDeNAが怪我人での選手の離脱もあり、1カード前の中日戦から歯車が狂い始めるとあわよくば3連勝を狙っていたであろうヤクルト戦で3連敗を喫してしまった。全てはバレンティン、村上のホームランで山崎を打ち崩し、サヨナラ勝利を飾ったゲームがあったからであると考えて良いのではないだろうか?こういう1つのゲームで流れが変わり、チームの状態も変わってくるのだから恐ろしい。ヤクルトの状態が上がってきたとは思えないのだが、巨人戦での悪い流れを断ち切るDeNA戦での3連勝となった。

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コメント

  1. k より:

    カードの頭をサヨナラ勝ちした勢いの三タテでしたね(最近は1つの試合ですがカード頭の重要性と勝ち方で展開が変わりすぎですよね)
    試合は初回の併殺で流れが来ましたね、山田はインサイドを捌けるようになってのホームランですから状態は良いでしょうね、ヤクルトは数年前から山田がチャンスで打てば勝てるチームになってしまってるので残り少ないですが山田がランナー置いて打てるかで勝敗が決まるますかね(チームの勝利を託されてるのは改めて山田ですね)
    あと石川は本当に変わりましたね、この試合ではカットボールが有効だったかなと、カットの時は腕を振ってコントロールがバラつきますが、それが相手に的を絞らせない感じを受けました(個人的には伊藤へのホームランはもう少し低かったらで悔いが残りましたかね、抑えればノーノーいってましたかね)それにしても大ベテランの石川におんぶにだっことは若手先発は酷い惨状ですね(原・大下・星・清水の大学社会人ドラフト上位指名は危機感もってもらいたいですね)
    あと村上は1.5軍の投手なら軽くオーバーフェンスになるくらい威圧感というかパワーの差が出てきましたね、これからの記録は相手先発が谷間やビハインド投手が多くなれば30本以上100打点近くなりそうですね。
    次は勝ててない金曜なので小川に頑張ってもらわないとですかね、3勝10敗の内容ではないのですが数字が全てなので7回まで0点に抑えるくらいじゃないとですね(打線の援護に期待していてはダメですね)
    中日も高橋周が復帰やロメロとの初対戦など厳しい三連戦ですが、やっとホームで勝ちだしたのでファンとして勝ち越してもらいたいですね(2戦目は田川でしょうかね??楽しみですね)
    最後に坂本ですが真っ直ぐも早くスライダーも曲がってボールはいいのですが課題は久保と同じでコントロールですよね、この左2枚の若手が中継ぎで一人立ちしてくれないといつまで経ってもチームは強くなれないですね(経験と自信ですかね)

  2. 超匿名 より:

     打って欲しい人が打ち勝って欲しい人が勝ったということで、満点に近いゲームと言えるのではないでしょうか。
     石川は今日も四球は1つということで制球力が際立っていました。過去の巨人戦でノーノーに近づいたこともありましたが、夏場の神宮でこれだけの投球ができたことは、彼にとっても俺はまだまだやれるなという気持ちになったのではないでしょうかね。
     山田は夏場に強いと言われていましたが、本領発揮ですかね。トリプルスリーに向けては打率が微妙ですがホームラン王と盗塁王は十分狙えますね。
     
     

  3. FIYS より:

    > kさんへ

    石川は見事でしたし、今シーズン全体を通しても安定していますよね。若手の奮起にも期待したいですが…

  4. FIYS より:

    > 超匿名さんへ

    石川は8月にこれだけ投げられること自体が凄いですよね。

    山田哲はあまり数字にこだわり過ぎないで欲しいなという気持ちもありますが、タイトルは狙ってもらいたいですよね。 

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