仕方ないから山田哲人の盗塁についてでも語りますか

ヤクルト2-4DeNA

今日の敗戦でリーグ優勝の可能性が完全に消滅したとのことである。チームとしての目標を見失ってしまっている中で他球団と戦っていくことは非常に難しいことである。DeNAとの3連戦はいずれも勝つチャンスのある試合ばかりだったのだが、リリーフ陣の層の薄さ、野手陣の雑なプレー、繋がりを欠く打線などの課題がもろに表出してしまい、優勝争いに踏みとどまっているDeNAの気迫に押し切られてしまった印象である。
本来であれば個人記録に関してはシーズンが終わった後にじっくりと振り返れば良いのだが、完全に消化試合となってしまったゲームを淡々と書き連ねていても仕方ないので、今日は山田哲人の盗塁について触れてみたい。

山田哲の今シーズンは自身の身体の状態との戦いでもあり、現在も打席のスイングには違和感を感じている。ここ4試合ヒットも止まっており、打率は2割7分台に留まっている。残り試合を考えるとトリプルスリーはかなり厳しい状況にある。しかしそんな状況下でも存在感を示せるのが山田哲人という選手である。今日のゲームではノーヒットながら2つの盗塁を決め、今シーズンの盗塁数は31となった。そして連続盗塁成功記録は36まで伸ばしてみせた。これだけ調子が悪くても足でチームに貢献する辺りは流石である。
このブログでは何度か書かせてもらっているのだが、山田哲の盗塁成功率の高さは本当に素晴らしい。スタート、スピード、スライディングという3要素が高いレベルにあることはもちろんなのだが、山田哲には「走らない勇気」がある。やみくもに盗塁を企図するスピード自慢のランナーも数多くいる中で、アウトにならずに盗塁を積み重ねる山田哲の存在はやはり際立っている。逆に言えばアウトになる可能性があるときには無理に走らないという選択が出来るのが山田哲である。この見極めが非常に高いレベルで行えるのがランナー山田哲の特徴ではないだろうか?ゲーム序盤にチームを勢い付けるような盗塁を決めることもあれば終盤の大事な場面で相手チームの警戒をかいくぐって盗塁を決めることもある。ランナー山田哲も超一流のスキルを持っている。クイックの速い投手であろうがサウスポーであろうが、しつこく牽制をされる投手であろうが、強肩捕手であろうが、自分の感覚と相手の状況を冷静に見極め、盗塁を企図出来るのが凄いのである。
私がプロ野球を見始めた頃は「足にスランプはない。」という言葉がよく使われていたが、最近はこの言葉を耳にする機会は減ったように感じる。何故この言葉を耳にしなくなってきたかと言うと単純に「足にもスランプがある。」からであると思われる。特に盗塁に関してはいくら足が速い選手だとしても微妙な感覚のズレやメンタル面での揺らぎがあればスタートがきれなくなったり、遅れてしまったりすることはあり得ることである。盗塁と言うものはそれだけ技術が必要なものであり、高度な作戦の1つであると考えられる。そんな盗塁を36回連続で成功しているというのは驚きである。元々山田哲の盗塁技術、成功率の高さは素晴らしいものがあったのだが、日本記録を樹立したことで改めて山田哲の足に焦点が当たったことはファンとして嬉しい限りである。私自身は盗塁に関しては「トリプルスリー」や「30-30」という記録を達成すれば箔が付くので数にこだわってもらいたいという思いも持っているのだが、それよりも成功率に拘って欲しいという気持ちの方が強い。得点に繋がる盗塁、勝利を呼び込む盗塁を効果的に決めてくれれば「30」という数字にはこだわらなくても良いと思っている(もちろん30盗塁というのは本人の目標であり、モチベーションを保つ材料ではあると思うのですが…)。
記録はいつかは止まるものなのだが、出来る限り記録を伸ばし続けてもらいたい。

P.S 皆さんは山田哲の盗塁で印象深い盗塁はありますか?私は超高速クイックのDeNA時代の久保のモーションを完全に盗みきって決めた盗塁と広島の黒田にしつこく牽制を入れられながらもあっさり盗塁を決めた場面が印象に残っています。

もう1つ。7回の表、2-2というスコアの中で代打荒木を敬遠し、満塁策を取って青木を迎えた場面にはラミレス監督のその采配に驚きました。ああいう場面で最も頼りになるのが青木なのですが、敢えて塁を埋めて青木勝負に出るラミレス監督はやはり策士ですね。

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コメント

  1. タラちゃん より:

    山田哲人って、話とか仕草とかそういうの見ると(良い意味で)ビビり。
    100%の確率でなければ走れない選手。そうでないと走らない。
    これは良い意味で、
    昔だと、高橋慶彦とかはある意味暴走気味に古葉監督が走らせてましたけど。

    印象はその通りで、
    けん制がすごくうまい西のときに走ってくれないかな?って思っています。

    元阪神の赤星式の盗塁の方程式あって、
    盗塁数-(失敗数×2)とか言っていたような?

    塩見や山崎などが1番に定着できるようになって足でも相手にプレッシャーかけるようになると思うけどね。

    荒木敬遠で、青木勝負ね。
    青木のコンディションが明らかに落ちていたのもあるけど、思い切ったことしたなと。
    足衰えたとはいえ、左打者の青木なんでゲッツー崩れもあったわけで、
    守りやすいっていうことで満塁策したなと。

    そういえば、2017年の開幕直後のベイスターズ戦で、
    9回同点で1アウト2,3塁、2番坂口で敬遠して、
    3番山田哲人、4番バレンティン勝負したのよね。
    右打者ならゲッツーは取れやすいが今回は左打者でしょ。
    そこまで恐れられている荒木っていうのもあるし、
    ラミちゃんは勝負師だなと。
    普通はできないよ。

  2. 超匿名 より:

     今シーズン塩見が台頭してこなかったので、盗塁できるのはほぼ山田1人ですから、なんとしても流出を阻止してもらはないと、盗塁数は激減しますね。
     石山が戻ってきましたが、投球を見る限りまだ万全ではないようですね。怒りの星降格による人数合わせですかね。
     

  3. k より:

    本当に消化試合になってしまいましたね、春先の事を思い出すと9月はAクラス争いしてるだろうと考えていたので残念で仕方ないですね。
    山田の盗塁記録は素晴らしいですね毎年のように30本塁打に30盗塁と働いてますよね。
    今年は山田のバッテイング見てると40-40の方へシフトしてるのかなと、セカンドという負担の多い守備位置でなければ可能の数字なのかもしれませんけど現状では山田をセカンドから外すわけにはいかないので体力的に盗塁がハードルが高そうですかね(盗塁が山田におんぶにだっこでは困りますよね、個人的には塩見を1番に起用して塁に出たらバンバン走る姿を見たいですね)
    試合の方は小川は試合を作りましたけど一死満塁の青木の併殺が痛かったですね。
    青木も夏場に盛り返してきて状態良かったですが3割きってとうとうバテましたかね、彼もセンターという守備負担がなければ打撃も安定するだろうと思うので来年の布陣がどうなるか気になるところですね(バレンティンの去就次第でレフトになりそうですね)
    3連敗ですが明らかに近藤・ハフ・五十嵐の抜けた影響が出てますね。来年の事を考えると若手リリーバーにはチャンスですし経験を積んで一人立ちして欲しいですね(残り試合は高梨のリリーフ固定と大下の見極めですかね)
    次は鬼門の金曜ですが状態落ちてる山田大では厳しいですかね。石山が戻ってきましたが本調子には数試合は必要ですけど残り20試合ではなかなか活躍の場は少ないかなと。あと原も交流戦から一切投げてないのは今年は登板はないでしょうしスアレスも上がってくる気配ありませんから中日戦は山田・村上の個人記録をどれだけ伸ばせるかが楽しみですかね。

  4. FIYS より:

    > タラちゃんさんへ

    西は本当に牽制上手いですよね。クイックも上手いですし。

    30盗塁以上での100%は見事としか言いようがありません。

    2017年のゲームは鵜久森がサヨナラ満塁ホームランを放ったゲームですかね?

  5. FIYS より:

    > 超匿名さんへ

    塩見には出てきてもらいたかったですよね…戦力的にも。

  6. FIYS より:

    > kさんへ

    2017年もそうでしたが、CS制度があるにも関わらず、この時期に消化試合となってしまうというのは残念ですね。他球団は必死で戦っている時期なので中々勝てなくなりますよね。

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