石川雅規と山田哲人

ヤクルト3-6阪神

ビジターでのゲームがスタートしてから4勝1引き分けということで上手く立ち上がることが出来ていたのだが、負け試合を見ると今の実力や課題が浮かび上がってくる。今日はヤクルトの投打の顔である石川と山田哲について触れてみたい。

ヤクルトの投手陣の顔は石川である。今シーズンは開幕投手も務めたプロ19年目の40歳である。開幕から5回3失点、6回1失点、3回1/3を5失点という数字が残っていた。登板予定日が雨で流れたこともあり、今日は中10日での先発となった。初回からピンチをまねく苦しい投球となったのだが、それでも3回までは阪神打線を無失点で抑えてみせた。しかし勝ち投手の権利も目に入ってきた4回にヒットと四球で1アウト満塁のピンチをまねくと苦手としている梅野に同点タイムリー2ベース、続く木浪に犠牲フライを許し、あっという間に逆転を許してしまう。その後西田のホームランで一旦は同点に追いついてもらったのだが、直後の5回に糸井に勝ち越しタイムリーを浴び、結局今日も勝ち投手になることは出来なかった。5回で99球を投げ、被安打7、与四死球2の4失点で負け投手となってしまった。今の石川の実力通りの投球だったのではないだろうか?もちろん開幕戦、2戦目と勝ち投手の権利を得たままマウンドを下りたのだが、その後リリーフ陣が打ち込まれ、石川の勝ちが消えてしまったことにより、今シーズンまだ勝ちのない先発投手として見られてしまうというマイナス要素もあると思うのだが、個人的には今シーズンのここまでの石川の投球は「可もなく不可もなく」というふうに捉えている。
悪くはないのである。しかしヤクルトの先発陣にイニングを喰ってくれる投手がいないため、今後の石川の起用法は気になる所である。今日は雨の影響もあり、中10日で火曜日のゲームでの先発となったのだが、チームとして特別視せざるを得ない(勝ち星を付けたいという意味で)石川を6連戦の頭に持っていくというのはチームとして得策ではないように思う。リリーフ陣を多くつぎ込み、リリーフ陣もいつも以上にプレッシャーにさらされながら投げるゲームが多くなることが予想される。投手陣全体のことを考えるとリリーフをつぎ込みやすい、日曜日に石川を先発させる形が最もしっくりくるように感じるのだが…次回の登板はいつになるのだろうか?
そして高津監督も石川の代え時については悩まされることが多くなるのではないだろうか?これまでの試合後のコメントからも「石川にどうしても勝ちを付けたい。」という意思が表れている。1つでも勝ち星を積み重ねて、200勝を目指してもらいたいという気持ちはあるのだと思う。石川は現役選手の中では「ヤクルトのレジェンド」と呼ばれるような存在になっている。その石川の代え時を冷静に見極めることは、おそらく簡単なことではない。私自身は石川の勝利よりもチームの勝利を優先してもらいたいと思っているファンであるため、高津監督がどこまで冷徹な判断が出来るか?という部分に注目していきたい。過去にはこのブログで晩年に阪神で活躍した下柳投手のように5回~6回を3失点くらいでまとめてくれれば、というようなことを書いたように記憶しており、今もその気持ちに変わりはないのだが、下柳投手が阪神で投げていた頃の阪神は、いわゆるJFKが投げていた時代であり、勝ち投手の権利を得てマウンドを下りれば白星が付く可能性が高かった。そう考えると石川が勝ち星を増やしていくことは簡単なことではないことが浮かび上がってくる。それでも早めに1つ勝ちを付けたい所である。

野手陣の顔である山田哲人は不調に陥っている。開幕前に一旦コンディション不良で離脱したものの開幕には間に合わせ、シーズン初打席でホームランを放つなど幸先の良いスタートを切ったのだが、ここの所当たりが止まっており、中々復調する気配が見えてこない。打率はついに.211にまで下がってしまった。守備、走塁でも精彩を欠く場面があり、コンディションの面で何かしらの不安を抱えていることが予想される。山田哲自身怪我に強く、トリプルスリーという目標もあるため、試合には出続けると思うのだが、試合に出続けながらコンディションを整えていくということは中々難しいものである。これまでも山田哲は多少痛みを抱えていてもごまかしながら試合に出続け、結果も残してきたのだが、年齢を重ねる中で以前よりも身体の回復具合が遅くなってきているということはないだろうか?ここ数シーズン同じような場面に出くわすことが増えたと感じるのだが、明らかにスイングに力強さを感じないことがある。今日も「らしくない。」バッティングに終始してしまった。それでも四球を選んで先制点に繋げるなど山田哲だからこそ出来る仕事はこなしてくれているのだが、この状態が続くようであれば心配である。しっかりフルスイングできる山田哲人の姿を見てみたい。

やはり勝っている時は課題が見え辛くなるのだが、負けゲームを見ると決してチーム状況はよくないことが分かりますね。

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コメント

  1. タラちゃん より:

    石川をカード初戦避けるようにと、ずっと開幕前から言っていた通りの展開に。
    昨年の小川同様。相手のエースとぶつかり、勝てていない間に調子まで崩してしまう悪循環。
    まさにこれに入っている。
    今年はスライダーでストライク取れない印象でカウント悪くしてしまっている印象。
    1度リフレッシュ休暇で、
    抹消して1度先発飛ばすなり、中10日か11日で来週土日どちらかの読売戦での先発もありかな。
    スアレスが日曜か来週のベイスターズ戦の先発濃厚で、高梨も抹消しなかったわけで、
    石川抹消して、7/17先発予定の吉田大喜登録でしょうし、
    ちょうど良いのかな?
    3,4回先発して1度抹消。石川に関してはこれくらいのペースで良いかと。カード初戦に投げないようにと。

    哲人は、
    わき腹痛めてはいるでしょうから、調子がよろしくないのかな?
    抹消してもいつ復活できるかわからないし、
    いるだけで打てなくてもフォアボールは取れて、得意の2塁盗塁ある。
    だましだまし使っていくしかないかな?かわいそうだけど。代わりいないし。

    坂口もずっとでていて、成績下がっているので、1週間に1度。個人的おすすめは金曜日。相手エース来るわけですし、
    若手や出番少ない選手使ったらと。

    最後に、
    木浪のHR。
    浜風あったとはいえ、長打力ない打者がポールの真ん中に当てるくらいの当たり。
    ボール飛びすぎだろうと思うわ。里崎はそうではないって言っていたが、投手やコーチなど打球当たって頭部負傷にならないこと祈ります。
    加藤球じゃないけど、反発係数低いボール使わないと危ないよ。

  2. sabo より:

    石川は……うーん、どうでしょうね。高梨同様に調子が良くてもスタミナの問題で5回あたりで変えないとならないんですよね。
    そして上半身のコンディション不良ですか。
    うーん、いなくなったらなったで先発の駒が……
    良くも悪くも比較的安定している(ように投げる技術がある)石川だったので。

    ここまでヤクルトはチーム打率(チーム得点圏打率)もチーム防御率も悪い中で勝ってきたのは守備を固くしながら併殺やファインプレーで投手を助けて、攻撃は相手のミスにつけこむように得点して接戦を制することが出来たからです
    そういう意味ではこの試合はまあ仕方ないかな
    今は勝てる試合をいただく。もったいない負け方をしないことですね
    力で勝ち抜くのは山田の調子が戻ってからですね

  3. 超匿名 より:

     今シーズンの石川は勝ちやすい交流戦もないですし、打たれた試合でも勝利投手になっている小川と対照的に、勝ち運のようなものを持っていないですね。さらに故障により抹消らしいので、彼にとっては色々な意味で厳しいシーズンになるのかもしれません。 
     石川の200勝については、少し前に巨人の大エースで投手タイトルの常連だった斎藤をブログで取り上げておられましたが、その斎藤をもってしても名球界入りに届かなかったことで、投手のメンバー入りの難しさを思い知ったものです。長嶋氏が監督時代に、斎藤を200勝させることが俺の責務だと言っていたと記憶しています。投手出身の高津監督は、より石川の記録達成に対する思いが強いのではないでしょうか。

  4. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    石川の中10日、11日での起用は全く問題ないと思うのですが「上半身のコンディション不良」という文言に引っ掛かりを感じています。

    山田哲は自分のスイングが出来ていない中でゲームに出ている姿を毎年のように見ている気がします。素晴らしい精神力だと感じる反面、コンディショニングという課題が常に付き纏っていることを感じさせますよね。

  5. FIYS より:

    saboさんへ

    そうですね。粘り強く戦い、山田哲の復調とともに快進撃というような形を作りたいですよね。

  6. FIYS より:

    超匿名さんへ

    正直200勝という数字は石川にとってもまだまだ遠い数字ですよね。長いイニングを投げられる状況ではないので、どうしても後ろの投手の頑張りが必要になりますからね。石川登板時には普段のゲームとは違った意味で高津監督は難しい判断をしなければならないでしょうね。

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