高橋奎二が結果で応える!

ヤクルト6-0阪神

若武者高橋と復活を期す藤浪による見事な投げ合いだった。その投げ合いを制したのは高橋だった。自己最長の8回を無失点に抑える素晴らしい投球だった。山田哲離脱後の初戦を5-20という大差で失いながらも、昨日、今日と連勝し、阪神相手に2勝1敗と勝ち越してみせた。特に今日の高橋の快投は、リリーフ陣を休まし、チームを立て直す大仕事となった。

高橋に関しては、これまで記してきた通り、ボールの質は一級品である。おそらく今日くらいのボールを投げ込んでいたゲームは、これまでにもあったはずである。今シーズンも勝ち投手にはなれなかったもののキレ味鋭いストレート、変化球は投げ込んでくれていた。しかし無駄なボール球が多かったたり、ランナーを許して以降バタついたり、球数が多くなる中で早い段階でバテてしまったりとどうしても投球が噛み合わず、結果を残すことが出来なかった。
しかし今日は初回に許したランナーを牽制で刺すなど初回を無失点で立ち上がると、その後も勢いのある阪神打線を真っ向勝負で抑え込んでいった。4回に先頭の近本にヒットを打たれながらも、サンズ、大山、ボーアを完璧に抑えきったシーン、勝ち投手の権利が掛かった5回をあっさり三者凡退で抑えたシーン、ヒットと四球に吉田大成のエラーが重なり、1アウト満塁のピンチを迎えながらも陽川を150キロのストレートでダブルプレーに仕留めたシーンなどは特に重要なポイントだったと思われる。いつもなら躓きそうな初回を凌ぎ、4回はクリーンアップを力勝負で抑え、鬼門となりそうな5回をあっさり終え、8回の大ピンチも気持ちで踏ん張ってみせた。8回で108球を投げ、被安打3与四死球2の無失点という最高の結果を残してくれた。これまで素晴らしいボールを投げていても中々結果で応えられなかった高橋が、ようやくそのボールに見合った数字の投球を見せてくれた。これぐらいの結果は残せるだけのボールは元々持っていたはずである。高橋自身がヒーローインタビューで答えていたように「毎回今日のような投球が出来るわけではないのだが、毎回今日のような投球が出来るように頑張ってもらいたい。」今日残した数字は高橋の能力からすれば決して驚くような数字ではない。これが高橋の実力である。

相手先発の藤浪も気になる投手なのだが、前回の広島戦から長年に渡るスランプから脱却できそうな光が見えてきている。今日も打者からするとかなり打ちづらいボールを投げていたと思われる。そんな藤浪から先制点を叩き出したのは、7番ショートでスタメン出場となった吉田大成のバットからだった。藤浪の荒れ球に対抗するために8番の西田以外は左バッタをズラリと並べたのだが、この2回は、先頭の山崎がヒットで出塁し、続く宮本がきっちり送り、チャンスで吉田大成が藤浪の力強いストレートをレフト線に弾き返すタイムリー2ベースを放つという流れるような攻撃で先制点を奪ってみせた。高津監督の期待に応える左打者3人の見事な仕事ぶりだった。
その後は藤浪の力強い投球に中々追加点が奪えなかったのだが、7回に相手のエラーからチャンスを作ると坂口のタイムリー内野安打に北条の落球も重なり、一挙3点を奪って、試合の流れを引き寄せてみせた。この回だけで阪神が3つのエラーを犯したのだが、そのエラーにしっかり付け込むことが出来た。
誰も山田哲の代わりにはなれないのだが、宮本にしろ吉田大成にしろ難しい場面でしっかり送りバントを決めるなど、自分が出来ることをこなそうとする姿が見られた。まだまだミスはあるのだが、若手の必死のアピールがチームを活性化させることになりそうである。

今日は兎にも角にも高橋奎二である。首脳陣、ファンの期待に結果で応えるナイスピッチングだった!

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    これぞプロ野球の醍醐味という感じの、両投手の投げ合いのようでしたね。
    最初スコアーだけを見たときは、火曜日の大連敗からのカード勝ち越しに歓喜していただけだった私ですが、ダイジェストながら両投手の好投を見て少し興奮しました。ボールのキレもそうですが、気持ちの入った凄い勝負だったと思います。
    今後の高橋は勿論期待してますが、敵ながら藤浪投手の今後にも注目したいです。

    ※ 結果は野手陣の集中度合いで決まりましたかね。私の中では今年一番と言っていい程の好ゲームだったと感じました。

  2. 超匿名 より:

     渇望していた若手先発投手に勝ちが付くナイスゲームでしたね。高橋にはまずは昨年を上回る5勝を目指してもらいたいです。今日の投球はチームとしても、週末はナゴヤドームで雨天中止が期待できないので、中継ぎの休養という意味でも大きなゲームとなったと思います。
     山田を欠く状態でのカード勝ち越しですので、チーム力は上がっていると見てよさそうですね。

  3. sabo より:

    シンクロニシティといいましょうか、野球ってお互いの先発が好投する投手戦になったりお互いに打ちまくる打撃戦になったりするんですよね。

    この日は高橋藤浪が一年で一番になるかもしれないほどのピッチングでした。
    8回無失点は高橋やリリーフ陣だけでなくチーム全体に力を与える結果だと思います

    石川スアレスに続いてイノーア抹消、原抹消(中10日濃厚)、高梨リリーフ転向と先発の不安なニュースが多い中で一気に気分が上向きました

    それにしても阪神に勝ち越し。屈辱の敗戦を見事に「倍返し」ですね(笑)

  4. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    いい投げ合いでしたね。私も藤浪はこんなところで消えてもらいたくない投手だと感じているため、何とか復活してもらいたいと思っています。

  5. FIYS より:

    超匿名さんへ

    チームを救うと言っても過言ではない高橋の投球内容でしたね。

  6. FIYS より:

    saboさんへ

    投手陣が厳しい中で今回の高橋の好投は希望の光になりましたね。

  7. タラちゃん より:

    高橋よく投げてくれましたよ。
    相手が真っ直ぐ狙いになるかと思うので、
    スライダー?チェンジアップの最低どちらかでカウント取ることできると球威あるので抑えることできるなと。

    藤浪も良かった。とも思ったので、しっかりと試合作り、それも8回まで無失点と、ここまでリリーフを酷使せざる負えない展開だったのですごく助かりました。

    吉田大成ヒット出たり、きっちり送ったりできたけど、ゲッツー焦ったのは痛いね。守備しっかりできたらエスコバーは相変わらずの守備範囲の狭さ(UZR-9.4)&早打ち。西浦の打撃もすっかりと湿り、廣岡いるけどいまいちですし、チャンスあるかと思うので、ノックをきっちりまず受けましょう!

  8. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    いい投げ合いでしたよね。高橋も素晴らしかったです。

    エスコバーは、守備位置が独特な気がするんですよね。三遊間を閉めていることが多くないですか?気のせいですかね?

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