弱小チームのエースの佇まい PART3

ヤクルト10-3中日

0-1の5回裏終了地点で雨が強まり、試合が中断した時には、ゾッとした。「ここまで勝ちに見放されるのか。」と…。しかしその雨は結果的には恵みの雨となった。雨の後も中断前と変わらぬ投球を見せてくれた小川とリズムが狂ったロドリゲス、雨が流れを変えた部分もあるだろう。
小川は悪コンディションでもチーム状態が悪くても、しっかり自分の仕事をこなしてくれる。ノーヒットノーランから4連勝となったのだが、いずれもチームの連敗を止める価値ある勝利である。「弱小チームのエースの佇まい」そのものである。
過去記事はこちらから→「弱小チームのエースの佇まい

小川は8回で106球を投げ、被安打4、与四死球2の1失点で8勝目を上げてみせた。初回こそビシエドにサード強襲の強烈なタイムリーヒットを浴び、先制点を奪われてしまったのだが、その後は完全に中日打線をコントロールして、8回まで投げ切ってみせた。上記の過去記事は、小川がルーキーイヤーの時に書いた記事なのだが、今も小川の精神的な強さは変わらない。チーム状態が悪くてもコンディションが悪くても自分のピッチングをしてくれるのは心強い。今シーズンの小川もルーキーイヤー同様「弱小チームのエースの佇まい」そのものの姿を見せてくれている。ストレートがよくキレており、変化球のコントロールも抜群である。昨シーズンは何故ここまで打ち込まれてしまうのか分からなかったのだが、今シーズンは投げるボールに見合った数字を残してくれている。これだけ連敗を止めるのだから見事である。これぞエースである。

9回はイノーアが登板したのだが、2アウトから2失点ということでこれはちょっと心配である、10-1の9回という場面で登板し、2アウトからの2失点というのは頂けない。これでは使いどころが難しくなってしまう。

打線は初対決となった中日ロドリゲスの前に苦しんだ。正直この投手は初見で打ち崩すのは難しい投手だと感じていた。150キロを超えるストレートとキレのいいスライダーを2つのフォームから投げ込んでくるのだが、ファストボールがよく動くため、打者は対応に苦しむことになってしまう。初回のチャンスで山田哲の抜ければタイムリーという打球を京田に好捕されてしまった時に嫌な予感は増したのだが、雨で中断後の6回にここまでほぼ完璧に抑え込まれていたロドリゲス攻略に成功する。先頭の塩見がライト前ヒットで出塁すると坂口が追い込まれながらもライト前ヒットで繋いで0アウト1,3塁で山田哲に回すと、その山田哲がしっかりライト前に同点タイムリーヒットを放ち、主軸としての仕事をしてくれた。その後のチャンスでは途中出場の雄平に勝ち越しタイムリーが飛び出すと続くエスコバーも三塁線を破る2点タイムリーヒットを放ち、ロドリゲスをKOしてみせた。雨による中断によってロドリゲスの投球が崩れたのか、ヤクルトのロドリゲス対策が当たったのかは分からないのだが、どの打者もコンパクトにスイング出来ていたのではないだろうか?
難敵ロドリゲスをマウンドから下ろして以降は、中日のリリーフ陣から得点を重ね、試合の大勢を決めてみせた。4回の守備でスライディングキャッチをした際に左手を気にした青木が次の打席を終えたところで退いてしまったのと、山田哲がまだ退くには多少早く感じる場面で交代してしまったのは気になったのだが、今日の勝利を来週のゲームに活かしてもらいたい。

エース小川が試合を作り、打線が繋がりでロドリゲスをKOし、終盤は若手が結果を残すというナイスゲームとなった。

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コメント

  1. sabo より:

    小川は初回荒れまくっててヤバいと感じましたが、すぐに2回には修正したのは流石ですね。今年はノーヒットノーランからホントに自信がみなぎっていてランナーが出ようが際どい球をボール判定されようが打者にカットされて我慢比べになろうが動じませんね。あとはスタミナが今年は違うのかも。ギアを上げる余力を感じますね。完璧にエースです。

    広島大瀬良が登録抹消された今、セリーグで規定イニング到達してるのはたった四人。菅野大野西小川。BIG4と呼びましょうか(笑)
    DHの無いセリーグで毎週6イニング投げることがいかに難しいか。
    日程も違う今年は特に感じますね

    ロドリゲスは良いピッチャーだった。なんで中日はこういった投手を連れてこれるのか。ただ変化球の決め球が良すぎるピッチャーって意外と終盤打ち込まれるんですね。雨の中断の影響もあったと思いますがあのスライダーに打者が慣れたのもあると思います。


    そして遂に宮本丈が打率.305で3割に乗りました!やはり3割は気持ちいい!

  2. JEF九郎 より:

    昨日の小川投手については、FIYSさんの記事、saboさんのコメに同意なので割愛。
    2013年シーズンは、当時新宿区内に住んでいたこともあり、年間20試合以上観に行った記憶があるのですが、やはり土曜日に行くことが多かった事もあり、小川投手・バレンティン選手コンビの活躍のお陰で、チームはビリ独走状態なのに、観戦成績は大きく勝ち越していたことが鮮明に記憶に残ってます。今年もまさにの活躍っぷりですね。(残留してほしい…。)

    あとは宮本選手もそうですが、何気に雄平選手が調子を戻しているのが気になってます。チャンスに強いですし、代打適性も高そうなので、ポリバレントな活躍に期待してます。

    一方で私の大好きな川端選手。7/25のサヨナラから暫くはアウトになってもまずまずの内容でしたが、最近はまた力弱い飛球に戻ってしまいました。今の状態だと後半から出てくるパワー系投手の直球は跳ね返せない気がしてしまいます。一度調整して再起を期待したいです。

  3. FIYS より:

    saboさんへ

    規定投球回数に乗っているのが4人だけというのは、時代の流れを感じます。この辺りは20年前や30年前だったら考えられませんからね。そう考えると小川の存在は非常に大きいですよね。

  4. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    確かに2013年シーズンの小川、バレンティンコンビは凄かったですからね。チームは最下位でしたけど、小川は勝率も高かったですからね。

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