弱小チームのエースの佇まい

ヤクルト2-1巨人

期待していた以上の面白いゲームを見ることが出来た。やはり巨人に勝つのは気持ちいい。

今日の小川の姿に古き良き時代の弱小球団のエースの姿が重なった。ルーキーとは思えない精神力の強さは「あっぱれ!」である。現在最下位に沈む球団に所属しながらハーラーダービー単独トップに立つ8勝目をあげた。この活躍には本当に頭が下がる。沢村との投げ合いは、90年代前半の投手戦を思い出させてくれるようだった。

試合は初回から動く。小川が初回をきっちり無失点で抑えると、その裏ヤクルトは先頭の山田がヒットで出塁する。今日昇格即スタメンとなった上田がバントを決めると沢村の悪送球も重なり、0アウト1,3塁とチャンスを広げる。続く荒木はセカンドゴロに倒れるが、セカンド寺内がファンブルし、相手のミスで1点を先制する。その後のチャンスでバレンティンが三振、ミレッジがダブルプレーに倒れ、追加点は奪えなかったが、ここから小川と沢村との熱い投手戦が始まる。

小川は毎回ランナーを許す苦しい投球となるものの、表情一つ変えず、強力巨人打線に立ち向かう。5回には連打で0アウト1,2塁のピンチを招くが、沢村にバントを決めさせず、長野、亀井も巧みな投球で打ち取る。

すると打線がその裏2アウトから山田の2ベースでチャンスを作ると、上田がレフト前ヒットで続く。巨人のレフト高橋由は前進守備を敷いており、どう考えてもホームを狙えるタイミングではなかったのだが、城石コーチの判断は「Go」。しかしクロスプレーにもならず、楽々アウトにされてしまう。チーム状態の悪さもあるのだが、いくらなんでもあのタイミングで回すのは…無謀である。

これで流れが巨人に傾いたわけではないだろうが、直後の6回2アウトから村田にヒットを浴びると、続くボウカーにライトフェンス直撃の3ベースを浴びて、同点に追いつかれてしまう。続く高橋由を打ち取り、勝ち越しは許さなかったが、坂本、阿部を上手く打ち取っていただけに痛い失点となってしまった。

今日の小川はコントロールが安定せず、本調子ではなかったと思うのだが、課題であるセットポジションで粘り、簡単に得点を与えないところに投手としてのスキルの高さを感じさせてくれた。7回も続投し、無失点に抑えると、いつものことなのだが、続投を志願するように7回裏のヤクルトの攻撃が始まった直後からベンチ前でキャッチボールを始める。この姿が正に、「古き良き時代の弱小球団のエースの姿」だった。この後森岡が四球を選ぶとバッテリーエラーと中村のセカンドゴロで1アウト3塁の場面で小川に打順が回る。小川はもちろん打席に向かうのだが、小川監督に呼び止められ、代打を送られる。この後代打田中浩にタイムリーが飛び出し、2-1と勝ち越しに成功するのだが、正直小川にそのまま任せても面白いかな?と個人的には思っていた。小川は表情こそ変えないものの、内に秘めた闘志が、外に漏れてしまうくらいに伝わってくる。この場面も「自分で打って決めてやる!」という思いがひしひしと伝わってきた。この小川の気持ちに賭けた方が、勝ちに近付けるのではないかとさえ感じた。この姿もまた「古き良き時代の弱小球団のエースの姿」だった。
これで得点が奪えなければ本当に小川の力投を見殺しにしてしまうような場面だったが、キャプテン田中浩が気持ちが伝わってくるような執念のタイムリーで1点を勝ち越す。この後のチャンスで追加点が奪えず、嫌な空気も漂ったのだが、8回9回は石山、山本哲が完璧なリリーフを見せ、2-1で巨人に勝利した。

今日はテレビ観戦できたのだが、本当に面白い試合だった。まずは小川ー中村の若き同級生バッテリーを大いに褒めたい。小川も中村も細かいミスはあったとは思うのだが、素晴らしいバッテリーではないか。いいものを見せてもらった。
そして小川の力投に応えるような田中浩の勝ち越しタイムリーと石山、山本哲の好リリーフ。ここの所ブログで「光が見えない」と書いたが、小川ー中村のバッテリー、山田、上田の1,2番、石山、山本哲の好投と中々どうして面白いではないか!ヤクルトの未来を担っていくような選手の活躍に今日に関しては胸が躍った。

テレビ観戦した日は書きたいことが多くなってしまって困るのだが、チームの気持ちを高め、ファンにも希望を与える小川の投球はエースの投球である。もちろんボールが高めに浮くことが多かったり、6回の失点の仕方は良くなかったが、それでもこれだけ投げれるのが素晴らしい。疲れが溜まってくると高めに浮いたストレートは打ち込まれてしまう不安が残るが、とにかく行けるところまで行ってほしい。

ちょっと興奮して文章が散らかってしまっているが、巨人に勝つのは気持ちいい!

P.S 今日の試合を見て、私は石山の立ち姿が好きなことに気付いた。左足をスッと上げた時の姿が何とも投手らしく美しい。まだまだ荒削りだが、魅力十分のドラ1ルーキーである。

もう一つ、巨人の沢村のふてぶてしさも何となく良かった。上手く説明できないのだが、私が小学生時代の投手戦を思い出させてくれた。この沢村に関しては、インスラのコントロールが安定してくるとかなり厄介な投手になりそうですね。

もう一つ、小川はフォーク、チェンジアップの他に縦スラ?も投げていますか?テレビを見ていて少し気になったもので…

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コメント

  1. リボル より:

    小川は頼りになりますね!
    嬉しい勝利です。

    8回、9回は中継陣が奮闘しましたし。

    打線も両外国人に加えて若手が活躍しはじめました。

    これからチームに勢いがついてくると良いのですが。

  2. FIYS より:

    > リボルさんへ

    小川は凄いですね。

    久々にテレビ観戦できたのですが、面白い試合でしたね。楽しみが増えてきましたね。

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