使い捨てで終わらないように

ヤクルト1-8DeNA

最下位に沈むチームの「秋」というものは非常に寂しいものである。今日のゲームは個人成績という部分でも特に見どころのないゲームとなってしまい、より一層寂しさを感じるゲームとなってしまった。今日は敢えて高梨の後を継いだ長谷川、今野、久保の三投手について触れてみたい。

私は過去にこんな記事を書いている。→「日高亮の将来性と起用方法
この記事で将来性のある若手投手の起用法法について触れさせてもらっている。日高に関しては、小川監督がとにかくどんな場面でも起用し、結局このシーズンを最後に大きな活躍は出来ずにトレードでソフトバンクへ移籍し、そのまま戦力外となってしまった。現代野球においてリリーフ投手の酷使というものはどのチームにとっても大きな課題となっている。言葉は悪いのだが、どうしても「使い捨て」、「潰れ役」といった役割を担う投手が出てきてしまう。そういった役割を任されやすいのが、外国人投手やドラフト下位で獲得した投手、他球団から移籍してきた投手である。
もちろん「使い捨て」のような起用法であったとしても一瞬でもプロの世界で輝くことが出来るのだからそれはそれで大事な役回りだとは感じている。しかし若くて才能のある投手を短期間で使い潰すような起用法は長い目で見ればマイナス要素が多いような気もしている。
今日リリーフでマウンドに上がった長谷川、今野、久保については、長谷川はソフトバンクの育成ドラフトで指名され、支配下登録されないままヤクルトに移籍してきた投手、今野は楽天にドラフト9位で指名され、戦力外となってからヤクルトに移籍してきた投手、久保は大学在学中に怪我で長期離脱を経験し、ドラフト7位でヤクルトに入団した投手ということで、3投手ともに「使い捨て」のような起用法をされてしまってもおかしくないような経歴を辿っている。
高津監督は、今シーズン、リリーフ投手の起用法に関しては、かなり慎重に、出来るだけ負荷のかからないように起用している印象が残ったため、22歳の長谷川、25歳の今野、24歳の久保という若い投手を酷使するような起用は避けていたと思われる。それでも3投手ともに中々タイトな起用法であったり、便利屋的な起用法があったことは事実である。現在のヤクルト投手陣の序列からするとこの起用法は当然の起用法ではあるのだが、3投手ともに首脳陣にアピールを続けることで「使い捨て」のような立場から抜け出すことを狙ってもらいたい投手だと感じている。

長谷川は、今日で38試合目の登板となった。ここの所、疲れが溜まっている様子が見られ、自慢のストレートの球速も落ちてきてしまっている。長谷川の武器であるストレートが走らなくては、今の長谷川に相手打者を抑え込む術は兼ね備えていない。今日のゲームでは宮崎、大和にホームランを浴びるなど、1イニングで5点を失ってしまった。これで防御率も6.49まで悪化してしまった。初めて支配下登録され、ここまで本当に良く投げてくれているのだが、そろそろ体力的に厳しくなってきた印象である。打たれながら、抑える術を学べるのか?それとも打たれることで自信を失ってしまうのか?この辺りは本人次第という部分もあるように思われる。高津監督を始めとする首脳陣は残り試合が少なくなってきた中で、このまま長谷川を1軍のゲームで使い続けるのだろうか?長谷川の成長を促すためには1軍の登板で経験値を積ませることが大事なのか、一旦登録を抹消して身体をリフレッシュされることが大事なのかよく考える必要がある。

今野は、今シーズン1軍のゲームという意味では今日で12試合目の登板となったのだが、登板数以上に負荷のかかる起用法が続いていると感じる。回跨ぎが続いたり、2軍でもある程度の登板数があったりする状況である。今野に関しては、リリーフ投手としては1試合ごとの波が大きいことが課題だと感じている。ストレートが走っている日は素晴らしい投球を披露してくれるのだが、ストレートが走らないと打ち込まれてしまう。長谷川同様、ストレートの走り一つで結果が大きく変わってきてしまう投手である。この辺りの課題を自分自身で考えなければならない。長谷川、久保と比べて年齢が1番上であり、楽天を戦力外となっての移籍ということで最も「使い捨て」のような役割を任されやすい立場にある投手である。今野に関しては、そういった役割を担うことで味が出るタイプなのかもしれないが、そのためにも試合ごとの波を減らしていかなければならない。今日の投球内容は見事だった。

久保も今シーズンの1軍での登板回数は少ないものの便利屋的な起用が続いており、非常に難しいシチュエーションでの登板も多いように感じている。今日のゲームではキレのあるストレートとスライダーを軸に三振の山を築く、久保らしさを出してくれた。個人的には先発で見てみたいのだが、先日先発したゲームで中日打線に掴まってしまったことを振り返ると、現時点では、キレで勝負するリリーフとしての方が適性が高いのかもしれない。

練習して技術を高めることはプロ野球選手として当たり前のことではあるのだが、それと同時に是非、「どんな選手になりたいのか?」、「どんなプロ野球人生を送りたいのか?」という部分もしっかり考えてプロ野球人生を送ってもらいたいと思う。「太く短い」野球人生も立派な野球人生ではあると思うのだが、長谷川も今野も久保もまだ若い投手である。自分自身としっかり向き合って、成長していってもらいたい。

P.S 今日は試合の振り返り記事になっていませんね。それ程までに特に書くことがないゲームとなってしまった印象です。

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コメント

  1. JEF九郎 より:

    実戦経験や練習にも個人差はあれども、役割によって質重視か量を熟す必要があるかがあると思いますが、私は野手と投手を大雑把に分類するなら、野手は量、投手は質かなと思ってます。(物理的な体への負担、一人でマウンドに上がり、ミスが勝敗にそのまま直結する心への負担も含めて)

    そういう観点では長谷川くんは38試合プレッシャーの掛かる中継ぎをこなした点、下がり調子を考えると、一足先に閉幕でもいいかなぁっと思ってしまいます。、、、かと言って、代わりに2軍から上げたい投手ももう居ないのが辛いところですが。。。

    少し話を変えますが、高梨はほんのちょびっとだけ昨年から良化を感じますね。相変わらず勝負所の5回〜6回が怪しいですが。来年もう少し期待したいと思います。

    更に話題を変えますが、先週末神宮で法政の高田孝一君と明治の入江君の投げ合いを見てきました。球の質だけなら高田君が一枚上手に見えましたが、私個人的には序盤は丁寧に変化球を低めに集めつつ、中盤には敢えてギアを上げて高めの釣り球を織り混ぜて打者を翻弄する明治入江君の姿に惚れ惚れしました。自分目線で最高の球を投げよう投げようと問答するのではなく、頭を使って相手をよく見て対峙している姿が好印象です。
    また、打つ方でも大活躍で、二刀流とはいかないでしょうが、打席に立つ機会のあるセリーグで見てみたい選手だと思いました。

  2. sabo より:

    たまたまだとは思いますが嶋に変わってから抑えられたのは嶋の印象が良くなりますね
    今野にも久保にも積極的にコミュニケーションを取り、衣川バッテリーコーチにも積極的に話していたのは、これこそ嶋に求めていたキャプテンシーだと感じました

    野手に関しては山崎の起用が中途半端なのが山崎の不調を長引かせてる気がしますね
    守備だけ見ても田代より山崎の方が守備範囲広いし、使うならスタメン。打撃不調でスタメンにできないならファームに落として二軍で調整。その方が良いと思いますね

  3. 超匿名 より:

     数字上の可能性は残っていても、最下位脱出さえ現実的な目標ではなくなってきているので、勝利に対する選手のモチベーション低下は無理ないものがありますかね。
     この敗戦で借金が20になり、大型連勝が期待できないチーム状態なので、試合数が例年より少ないのに、チーム再建どころか去年より借金数が多いという結果でシーズンを終えそうです。主力選手の去就によっては危急存亡の秋を迎えるというのが大袈裟ではない気がしました。
     試合については長谷川はお疲れですね。松本友のスイング鋭いな、太もも太過ぎくらいしか印象に残りませんでした。
     

  4. タラちゃん より:

    なんか、高津監督のコメントが、高梨に苦言と打線の悪い原因わからん。そのような事を。

    高梨は球数は相変わらず行ってるが6回3失点なんで非難どころがGJ!な結果。
    よほど、高津監督はじめ首脳陣の期待が大きいのか?としか思えない頓珍漢な内容のコメントだったので、相当精神的にヤラれているのかな?

    で、打線。
    これはずっと前から言っている。
    エスコバーのスタメン確約契約か打席数の出来高あり、スタメン外すことできず、ショートUZRマイナス2桁の状況でサード起用になり、
    村上1塁、坂口外野と当初の構想から外れている状態。
    そして、
    サード、ショート壊滅的。マトモなショートが西浦のみなのでエスコバー獲得、村上サードで攻撃力担保のはずが、ファースト?ブレるなと。

    そして、
    ブレても良い、村上4番という昭和の野球理論を何をこだわって試合しているんだ。頓珍漢だわ。
    今は、
    打てる選手を初回に必ず立たせ、1打席でも多く勝負させるのがセオリーなのに、
    OPSリーグ1位、2位の村上、青木を4,5番っていう素人以下もしくは昭和の感覚の打順組む断末魔の状況。
    打線は監督がヘッドなのか打撃コーチに一任しているのか気になるところ。

    昨日は頓珍漢っていうか的外れなコメント出ていたので、そこが気になりましたね。

  5. FIYS より:

    JEF九郎さんへ

    長谷川にとっては今シーズンは経験値を上げるという意味でプラスにはなったはずです。しかし身体のダメージは心配ですね。

    入江は私の中では作新学院時代の野手入江の印象が強いのですが、夏に大化けした今井達也よりも春までは投手としての評価も高かったんですよね。時間は掛かりましたが徐々に開花してきましたかね?

  6. FIYS より:

    saboさんへ

    山崎と田代の起用法はやはり少し不可解ですよね。おそらく山崎に何らかのコンディション不良がある可能性が高いですかね?

  7. FIYS より:

    超匿名さんへ

    山田哲、小川、石山辺りの去就は非常に気になりますね。

    松本友はとにかく結果を出す必要性がありますからね。必死に喰らい付いてもらいたいですね。

  8. FIYS より:

    タラちゃんさんへ

    エスコバーの契約に関しては分かりませんが、個人的には単純にエスコバーを脅かす日本人選手がいないことが問題だと思っています。

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