もう一山に備えろ

ヤクルト3-0中日

高梨ー清水ーマクガフと繋いでの完封勝ちで引き分けを挟んで7連勝を達成し、貯金を16まで伸ばし、首位の座もキープした。「今」だけを切り取れば、このまま突っ走れるのではないか?という気持ちにもなってしまうのだが、数字上はまだまだ三つ巴の状況である。残り試合数はまだ28もある。必ずもう一山、二山あるはずである。その山場に備えていく必要がある。そういった意味では久々の1軍マウンドとなった高梨が結果を残したことはプラスに働く。

高梨ー中村のバッテリーは、シンプルな組み立てで中日打線を抑えていった。力のあるストレートをストライクゾーンへ、同じ角度から投げ込まれるフォークを低めに集め、中日打線に的を絞らせなかった。こういったシンプルな配球が出来たということは、ある程度高梨のボールが走っていたということなのだと思う。突然コントロールが乱れて、落ち着きをなくしてしまうこともなく、7回を無四球、無失点でまとめてみせた。
7月7日の登板以降、1軍のマウンドから遠ざかっていたのだが、久々の登板で好投できたという事実はチームにとっても高梨自身にとっても大きな出来事となった。これだけ1軍のマウンドから遠ざかってしまった理由は、高梨自身の状態の悪さもあったかと思うのだが、それだけではなく、いつの間にか先発陣が整備されていたという側面もあったと思われる。そう考えると高梨自身は、今日の登板は「背水の陣」と言ってもよいような状況だったのだが、そこで結果を残してみせた。タイトなスケジュールが続く中で、このタイミングで高梨が戻ってきてくれたことは非常にありがたいことである。
リリーフ陣は、8回清水、9回マクガフと3点のリードをきっちり守ってみせた。前日のゲームでは2人とも登板機会はなく、田口ー星のリレーで逃げ切ったのだが、その勝ちをしっかり活かす形で連勝を継続することが出来たところにチームとしての勢いを感じる。

打線は中日先発のエース大野に対して、3回に先頭の塩見が2ベースで出塁すると続く青木がセンター前へタイムリーヒットを放ち、先制点を奪うと1アウト後に村上がレフトスタンドに飛び込む2ランホームランを放ってみせた。結局この3点がモノをいう展開で勝利を収めることが出来た。おそらく青木、山田の状態はあまり良くないと感じるのだが、塩見の状態が上がっていること、そして何より4番に村上がどっしりと座ってくれていることが大きいと感じる。今日のホームランは大野の高めのストレートをレフトスタンドに運んだ一発であり、村上でなければ打てなかった一発と言っても過言ではない見事なホームランだった。2015年のリーグ優勝時には山田がトリプルスリーを達成し、スーパースターとして打線の核を担っていたのだが、今シーズンは村上が真の4番として君臨し、打線を引っ張ってくれている。優勝争いのプレッシャーは村上にとっては初めての経験のはずなのだが、そんなプレッシャーをもろともせずに結果を残し続ける姿は、プロ4年目の21歳とは思えない。こんなに頼りになる4番打者は中々現れないものである。

前日のゲームの記事にも書いたのだが、今のヤクルトは些か上手く行き過ぎている気がする。実力以上の結果が出ている状況ではないだろうか?この日のゲームでもピンチを上手い具合にダブルプレーで凌ぐ場面が2度あったし、打線も4回の3点以外は沈黙してしまった。ヤクルトファンとしては、このまま突っ走ってもらいたい気持ちが強いのだが、やはり実力的には阪神、巨人を明確に上回っているとは思えない。私はあくまでも無責任なファンであり、143連勝が理想なのだが、そうはいかないことはもちろん理解している。このまま優勝まで勝ち続けてほしいのだが、そうはいかないのである。必ず訪れるもう一山、二山に向けて、備え続けなければならない。

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