揺さぶってくれるじゃないか!

ヤクルト8-7巨人

心揺さぶられる激戦となった。投手戦でも乱打戦でも不思議と競り合いを拾えてしまうのが今シーズンのヤクルトの強さである。まだ阪神は諦めていないはずである。少しでも自力でマジックを減らしていきたいところである。
試合を追いながらブログの記事のタイトルを何となく考えるのだが、この日は、そのタイトルが浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返した。私自身の気持ちもあっちに行ったりこっちに行ったりする面白いゲームとなった。まあ勝ったからこそ「面白いゲーム」という言葉が使えるのだが…
今日はボツになったタイトルを記事の中で出しながら、書いていきたい。

「やはり坂本、岡本和は超一流だ」
・ヤクルト先発の高梨は、9月後半に1軍のマウンドに戻ってきてからストライクゾーンで勝負するテンポの良い投球が出来ていた。この日もボール自体の走りは悪くない印象だったのだが、2番の坂本に甘く入ったストレートを捉えられ、先制のソロホームランを許すと、岡本和にはインコースの厳しいストレートをレフトポール際に運ばれる2ランホームランを浴びてしまい、初回にいきなり3点を失ってしまった。坂本のホームランに関しては、高梨の投げミスという一面はあったと思うのだが、岡本和のホームランについては、普通であればファールか詰まったポップフライになるボールである。あのボールを捌かれてしまっては仕方ない。
高梨は、3回にサンタナのエラーも絡んだ中で1アウト満塁の大ピンチを背負ったのだが、ここはウィーラーをダブルプレーに打ち取り、追加点を許さなかった。派手なプレーではなかったのだが、ショート元山の素早い打球処理に元山の成長した姿を見ることが出来た。
高梨は結局初回の3点以降は、巨人打線を抑え、5回3失点で何とか試合を作ってみせた。

「サンタナが来たー!」
・劣勢の展開で気を吐いたのが、前日のゲームでも貴重なホームランを放っていたサンタナだった。巨人先発の戸郷から2回に反撃の狼煙となるソロホームランを放つと、リードを2点に広げられた6回には同点2ランホームランを放ち、試合の流れを引き戻してみせた。どちらのホームランもサンタナがスムーズにスイングできるコースのボールだったと思うのだが、戸郷のストレートを左中間スタンドに運んだ1本目、外角のスライダーをバックスクリーン右に運んだ2本目共に調子が良いからこそスムーズにバットが出てきたように感じた。サンタナが7番に入っていることの効果を感じるゲームとなった。

「巨人は弱いと聞いていましたが…」
サンタナの同点ホームランで試合の流れは一気にヤクルトに傾いたように感じたのだが、直後の7回に勝ちパターン継投を担う今野が巨人打線に掴まってしまった。もちろん巨人相手に簡単に勝利することは出来ないと思っていたが、その一方で目標を見失いつつある巨人と優勝に向かって突っ走るヤクルトのモチベーションの違いにより、気の抜けたようなゲームで圧勝するイメージもなくはなかった。しかしこういった競り合いになってしまえば、巨人も簡単には諦めてくれない。今野も先頭の吉川尚にヒットを許しながらも何とか2アウトまでこぎつけたのだが、ここで坂本にタイムリーを浴び、1点を勝ち越されてしまった。ここで止められれば良かったのだが、続く丸に四球を与えると岡本和にもタイムリーを浴び、もう1点追加されてしまった。ここの所ストレートの球質が戻ってきているかな?という印象があったのだが、チームがラストスパートを掛ける中で、今野への負担も再び増えてきている。シーズン通して1軍のマウンドで投げ続けるのは初めての経験であるため、心身共に疲れは溜まっていると思うのだが、何とか踏ん張ってもらいたい。

「オスナの逆転3ランホームランに原辰徳のバット投げホームランが重なった。」
・7回表の2失点でかなり厳しい展開になったと感じていたのだが、その裏にこの回からマウンドに上がった高梨を攻め、先頭の青木が四球で出塁すると続く山田が左中間を破るタイムリー2ベースで点差を1点に縮めてみせた。一気に追い付きたい場面で村上はこの日3つ目となる四球で歩き、0アウト1,2塁というシチュエーションで5番オスナに打席が回った。オスナは一時の絶不調時からは、状態は戻しているようにも感じるのだが、村上の後ろを打つ打者の宿命として、村上が勝負を避けられる中で勝負をされる場面が多くなっている。この日は、初回は2アウト1,2塁、5回は2アウト満塁と村上が勝負を避けられる中でチャンスで打席が回っていたのだが、結果を残せないでいた。7回も村上が四球で歩いた中で打席が回ってきたのだが、ここでオスナが高い集中力を発揮してくれた。代わった畠のカウント1-1からのインコース低めのストレートをものの見事に捉えると、打球はレフトスタンドに飛び込む、逆転3ランホームランとなった。力のあるストレートを投じる畠のインコース低めのストレートということで決して簡単なボールではなかったのだが、このボールをホームランにしてしまうのだから素晴らしい。プレッシャーを跳ねのけて放った最高の一発にオスナ自身も感情が爆発していた。
この姿を見て思い出したのは、現巨人監督の原辰徳が92年にヤクルトの伊東昭光から放った同点ホームランの場面だった。いわゆる「原怒りのバット投げホームラン」である。細かいシチュエーションは覚えていないのだが、当時優勝を争っていたヤクルトと巨人が激闘を繰り広げたゲームで土壇場の9回に飛び出した同点ホームランだった。おそらく原もオスナも自分自身が思うように結果を出せない場面が続き、「ここで絶対打たなければ。」という強い想いで打席に入っていたのではないだろうか?そこで飛び出した起死回生の一発だったからこそ、私はオスナのホームランとその後の興奮した姿に原辰徳の姿が重なったのだと思う。

その後清水が中田にソロホームランを浴び、最後まで気の抜けないゲームとなったのだが、9回はマクガフがピンチを招きながらも凌ぎ、8-7のルーズヴェルトゲームゲームで勝利し、マジックを6まで減らすことに成功した。数字上はかなり優位な立場ではあるのだが、負けたら負けたで阪神の足音が聞こえてきそうな不安があっただけにこの勝利は大きな勝利である。

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コメント

  1. 超匿名 より:

     この試合前までは絶不調だったので、今の巨人に負けることは正直取りこぼしだとも思っていたので、苦戦したものの勝利に終わってほっとしました。相手にとって試合結果としては連敗が伸びたので、先週で切れた気持ちが完全に戻ってはいないでしょうが、この試合で打線の活気や岡本の調子が戻ってしまったら、まだ対戦を残しているヤクルトとタイトル争いをしている村上とっては、やっかいなことにもなりかねませんね。

  2. FIYS より:

    超匿名さんへ

    CSもありますからね。苦しいゲームでしたが、しっかり勝てたことは大きいですよね。タイトル争いも注目ではありますが…

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