延長12回ってそういえば長かったよね。

ヤクルト5-5広島(延長12回)

試合前に想像していた展開とは違った展開になった。分が悪いと思っていた先発対決では、石川が勝ち投手の権利を得てマウンドを下りたのだが、2番手の石山が追い付かれてしまい、その後は、両チームのリリーフ陣が粘りに粘りまくって4時間半越えの長期戦は、引き分けに終わった。リリーフ勝負になればヤクルトに分があるかな?とも思っていたのだが、今日は1点が遠かった。しかしビジターでこの展開でも引き分けたことはプラスに捉えて良いのではないだろうか?昨日1つ勝っていただけに今日の引き分けは悪くない引き分けである。

先発の石川は、4回までほぼ危なげない投球を披露していたのだが、5回にルーキー中村健に同点ホームランを浴び、菊池涼には勝ち越し2ベースを浴びてしまった。小園の内野安打から始まった3失点ということで、悪い意味で石川らしさが出たイニングとなってしまった。決して投球内容は悪くなかっただけにもったいないと言えばもったいないイニングになってしまった。それでも6回に味方打線が逆転に成功し、石川は勝ち投手の権利を持った中で降板となったのだが、今日は2番手の石山が踏ん張り切れなかった。先頭のマクブルームにヒット、続く坂倉を歩かせ、0アウト1,2塁のピンチを背負ってしまい、その後何とか2アウトまではこぎつけたのだが、ここで代打松山に同点となる2点タイムリー2ベースを許してしまった。現状の石山からすると特別ボールの走りが悪かったとは思えないのだが、あと1つのアウトを奪うことが出来なかった。
リリーフ勝負になればヤクルトに分があると感じていたのだが、試合展開的にも球場の雰囲気的にも苦しい空気感を感じていたのだが、それでも7回以降リリーフ陣が踏ん張ったことは大いに評価できるのではないだろうか?
7回は大西が三者凡退で仕留めるとそのまま8回のマクブルームまで続投し、しっかり仕事をすると、後を継いだ田口もピンチを招きながらも8回を無失点で切り抜けると9回は今野が危なげなく抑え、10回は木澤がサヨナラの大ピンチを招いたのだが、何とか2アウトまでこぎつけ、最後は代わったコールが田中広を三振に斬って取り、ピンチを凌いでみせた。コールは続く11回もピンチを凌ぎ、役割を果たすと最後はマクガフがこれまたピンチを招きながらもきっちり無失点で凌ぎ、試合を引き分けで終わらせてみせた。
ピンチの連続であり、見方によっては安定感に欠けるという言い方も出来ると思うのだが、これ以上求めるのは流石に酷である。どの投手も本当に良く投げてくれている。木澤やコールはまだまだ慣れが必要な段階だと思うのだが、出来る範囲の投球を見せてくれている。
そして毎度触れているのだが、内山壮の存在を忘れてはならない。正直中村が1軍に復帰して以降もこれだけスタメンとして起用されるとは思ってもいなかった。おそらく中村のコンディションを維持し続けるために、出来る範囲で内山壮を起用していくということなのだと思うのだが、ここまでハード路線で鍛えていくとは予想外である。おそらく身体も心も頭もいっぱいいっぱいの中でプレーしているはずである。内山壮の長所である打撃面で精彩を欠いていることが気になると言えば気になるのだが、捕手としてしっかりチームを勝利に導く役割は果たしてくれているため、高卒2年目の捕手としては、100点に近い得点を与えても良いようなプレーを見せてくれている。星稜高校時代から「野球の申し子」と呼びたくなるような万能ぶりを見せてくれていた選手なのだが、プロの世界で捕手としてこれだけ早い段階から戦力になっていることは驚きである。

広島先発のアンダーソンは、初登板となった前回の巨人戦で圧倒的な投球を披露しており、非常に難しい相手だと思っていたのだが、初回にそのアンダーソンを粉砕したのは4番村上のバットだった。インコース高めのボール気味のストレートを右中間スタンドに運んだホームランは素晴らしい一発となった。もう村上のホームランについてはどんなホームランでも驚かないのだが、昨日の2発も今日のホームランも決して相手の失投を捉えたものではないレベルの高いホームランだったと感じる、こういったバッティングが出来る4番打者がチームにいることは非常に心強い。私がヤクルトを応援し始めて34年が経過するのだが、その間の4番打者と比べても村上は№1なのではないか?と感じさせるだけの凄みがある。
逆転された直後の6回には、村上がヒットでチャンスを広げると宮本のスクイズで同点に追い付き、長岡のタイムリーで逆転、内山壮のサードゴロの間にもう1点追加してみせた。好投手アンダーソンから大技、小技で奪った5得点は評価できるのではないだろうか?
7回以降は、広島の不安要素であるリリーフ陣との勝負になったため、ある程度チャンスは巡ってくると思っていたのだが、どちらかというと押され気味の展開が続き、11回、12回も攻めきれなかった。この辺りは今後の課題である。

2020年、2021年シーズンと延長12回制で行われていなかったため、シーズンでの延長12回は久々だったのだが、本当に長く感じた。選手も首脳陣もそしてファンの皆様もお疲れ様である。

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コメント

  1. 匿名 より:

    通りすがりの広島在住のプロ野球ファンです。 
    この↓記事を見てから、この2チームの対戦を注目して見ていました。
    長い記事ですが、最後の方に…
    https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=097-20210810-11&rf=yamp
    木澤投手とカープ坂倉選手が、シニアリーグの同じチームでバッテリーを組んでいた、という話って、良く知られた話だったら失礼しました。
    なお、広島の地元紙「中国新聞」の今日の記事(昨日の試合の振り返り)でも、少し触れられています(無料で読める部分がわずかですが)
    https://www-chugoku–np-co-jp.cdn.ampproject.org/c/s/www.chugoku-np.co.jp/articles/amp/165033?usqp=mq331AQIKAGwASCAAgM%3D
    先月の松山での試合が、オープン戦公式戦を通しての両者の初対戦でした(間違っていたらすみません)。
    それ以来、今日まで坂倉選手が3打数3安打、昨日はホームランと、木澤投手、投げにくいんですかね?
    二人の関係がどれほどのものかは、ファンにはわかりませんが、木澤投手、プロとして生きていくには、坂倉選手にやられっぱなしはダメでしょう!
    二人の次の対戦がどうなるか、期待します。
    長文失礼しました。

  2. sabo より:

    内山壮に12回引き分けまでマスクを託した高津監督には驚かされますね。それだけ「捕手は試合の流れを左右するポジションであり簡単に変わって良いものではない」というメッセージにも感じました

    もちろん高津監督としては勝利を最優先にした結果、代打中村のタイミングで勝ち越せず且つ内山まで打順が回らなかったので、引き分け狙いより勝ち越す狙いで攻撃力を残す選択だったとは思うのですが。

    ビジターで引き分けは勝ちと言っていいでしょう
    そろそろホームでもちゃんと勝てるんじゃないでしょうか

    延長って長いですね。15回時代とかどうだったかなと調べたら元々延長無制限にしようとしてたと知り驚愕しました。さすがに警察や近隣住民の反対で15回になったらしいですが

  3. 超匿名 より:

     開幕前に延長戦を戦う投手力があるのかどうかが、今季の懸念事項の1つと思っていました。チーム打率の良い広島相手に、耐えてドローに持ち込んめたことで、改めて今季の投手力を証明してくれました。去年のチームの大躍進を予想することも難しかったと思いますが、今年のチームの売りが投手力になるとは予想外です。

  4. FIYS より:

    ーさんへ

    コメントありがとうございます。木澤は高校時代以降怪我に苦しみましたが、それまでは世代トップを争うような選手だったようですね。坂倉との話は、知りませんでした(藤平との話は聞いたことがありましたが…)。いいライバル関係になると良いですね。

  5. FIYS より:

    saboさんへ

    高津監督の柔軟な采配は、現在のヤクルトの強さに繋がっていますよね。最後まで内山壮にマスクを被せる選択は簡単に出来ることではないですよね。
    延長15回の時代もそれはそれで面白かった記憶が残っています。

  6. FIYS より:

    超匿名さんへ

    真中氏などは、昨シーズンも延長があればヤクルトはもっと勝ちが増えたのでは?という考え方をしていたと思うのですが、客観的に見るとヤクルトのリリーフ陣は粒ぞろいなのかもしれませんね。

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