「中村VS内山壮」というタイトルは流石に時期尚早か?

ヤクルト7-3ロッテ

初回にエラーも絡む中でロッテに3点を奪われ、劣勢のまま試合は続いていったのだが、投手陣が粘る中で終盤に追い上げ、8回に一気に逆転に成功してみせた。重要な場面で決勝点となる勝ち越しタイムリー2ベースを放ったのは、内山壮だった。昨シーズンリーグ優勝、日本一に大きく貢献し、日本シリーズではMVPも獲得した正捕手中村がいるのだが、高津監督をはじめとする首脳陣が起用したいと思わせるだけの結果を残し続けている内山壮の存在感が日に日に強くなっている。流石に時期尚早だとは思うのだが、「中村VS内山壮」というタイトルを付けたくなるような内山壮の成長ぶりである。

NPBで2度目の登板となったスアレスは、初回にエラーも絡む中で先制点を許すと、中村奨に2ランホームランを浴びてしまい、いきなり3点を失うスタートとなってしまった。しかしその後は、粘りの投球を披露し、前回同様5回3失点でまとめてみせた。本当によくまとまったサウスポーという印象なのだが、その反面決め球に欠ける印象も残る。コントロールは悪くないのだが、球数は増えてしまい、今日も5回で96球を要してしまった。この辺りがスアレスの今後の課題になりそうである。今の所凄みを感じることはないのだが、もう少し登板を見てみたいという気持ちにはさせてくれる投手である。
6回から継投に入ったのだが、木澤が2イニング、石山、清水が1イニングずつを投げ、しっかり無失点で凌ぎ、チームの逆転勝利に繋げてみせた。木澤がマウンドに上がった時点では、0-3とリードを許しており、展開的にももう1点取られてしまうとかなり厳しくなると思っていたのだが、リリーフ陣がその1点を与えなかった。投手陣の粘りが生んだ逆転劇である。

打線は、今日も繋がりに欠け、ロッテ先発の小島相手に毎回ランナーは出すのだが、そのランナーをホームに返すことが出来なかった。ズルズルとイニングを消費する展開になってしまい、完全な劣勢となっていたのだが、6回に山田が3試合連続となるソロホームランを放った辺りから、少しずつ試合の流れが変わり始めた。7回にはここの所好投を続ける東條相手に太田が変化球に体勢を崩されながらもバットのヘッドを走らせると、打球はライナーでライトスタンドに飛び込むソロホームランとなり、点差を1点に縮めると、続く8回に代わったゲレーロから先頭の代打川端ヒットで出塁するとそこからチャンスを作り、オスナのタイムリーで同点に追い付くと、その後の1アウト満塁の場面で内山壮がゲレーロの154キロのストレートを逆方向に弾き返す走者一掃のタイムリー2ベースで試合を一気にひっくり返すことに成功した。スタメンマスクを被り打席以外の仕事量も多いのだが、大事な場面で集中力の高さ、バッティング技術の高さを示してくれた。
星稜高校時代から「野球の申し子」と呼びたくなるようなセンスの良さがあったのだが、高卒2年目の開幕して2か月強という段階でこれだけ内山壮のことを称賛する記事を書くことになるとは思わなかった。多くの投手をリードしながら僅少差のゲームを守り切るゲームも多いし、バットで貢献できるゲームも増えてきている。もちろんヤクルトの現在の正捕手は今シーズンから背番号27を背負っている中村なのだが、内山壮が物凄い勢いで成長し、スタメンマスクを被る試合を増やそうとしている。捕手として脂が乗る年齢に差し掛かっている中村が簡単に内山壮にレギュラーを奪われる訳にはいかない。今日のゲームでも内山壮の勝ち越しタイムリー2ベースの後で代打で登場し、ダメ押しとなるタイムリーヒットを放ってみせた。
それにしてもこのタイミングで「中村VS内山壮」というフレーズを使うことになるとは思ってもみなかった。おそらく他球団ファンから見ても面白い正捕手争いになっていくのではないだろうか?

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コメント

  1. 超匿名 より:

     ヤクルトファンには古田のイメージがありますからね。打てる捕手の内山には順調に成長してくれるとありがたいですね。ただ中村も27を継承してあっさり正捕手の座を奪われてしまっては、それはそれでなんだかなと思います。
     ここまで交流戦の全カードで勝ち越しでしたね。佐々木との対戦はありませんでしたが、ペナントレースを考えたら、打ち崩せる期待値の高くない投手ですから、ワクワクする対決が見れずに残念というより、助かったという気持ちが勝りました。

  2. sabo より:

    コロナ禍以来の現地観戦でしたが最高の試合になりました

    内山壮は漫画の主人公のような存在感があります
    まだまだ身体づくりが終わってないような細さでありながら遠くまで飛ばせるのは「野球の申し子」「バッティングセンスの塊」といった感じですね
    ゲレーロの打席でもファール打ったらバットのグリップを少しだけ短く持ち直して調整したりしてて既に完全にプロ野球選手です

    そして一番凄いのは成長の早さ。野村監督の言っていた「立場が人を作る(成長させる)」の通り、序盤の中村の不在によってスタメンマスクを任されたことが促進剤になったと思います
    それとヤクルト投手陣も内山壮を育てました。(投高打低でありましたが)とにかく失点しなかったとこ。勝ち試合のマスクを被れたことがキャッチャーとしての自信を与えたと思います

    このあたりの「抜群のセンス」があって更に「運」もある感じが主人公感あるんですよね

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    中村は正捕手の座を守りたいですよね。
    内山壮の成長スピードは半端ないですよね。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    現地観戦お疲れさまでした。良いゲームを観戦できましたね。

    内山壮については、プロの世界で埋もれてしまう危険性もある選手だと思っていたのですが、センスの良さをプロの世界でも如何なく発揮してくれていますよね。

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