皆で石川に180勝目をプレゼント

ヤクルト2-1オリックス

石川の勝ち星というものは、おそらくチーム全体にとってもファンにとっても特別なものとなっている。年齢を重ね、長いイニングを投げることが難しくなってくる中で、石川の勝ち星が消えてしまうゲームも何度もあったのだが、この日は、リリーフ陣、野手陣の踏ん張りもあって、石川を皆で助けた中で180勝目をプレゼントできたのではないだろうか?

石川雅規
5回を被安打5、与四死球1の1失点でまとめてみせた。初回以外は毎回ランナーを許し、4回には伏見にタイムリーを浴びてしまったのだが、3回、5回のピンチは守備陣の好守もあり、無失点で切り抜けてみせた。ピンチでの集中力、低めへのコントロールは見事だった。
今シーズンは中10日以上空けての登板が続いているのだが、石川のために特別扱いを受けている印象はなく、チームの1ピースとして貢献してくれている印象が強い。安定感のある投球で試合を作ってくれている。ついに通算180勝目を上げたのだが、どこまで勝ち星を積み上げられるだろうか?

内山壮真
今日も石川とバッテリーを組んだのは、高卒2年目の内山壮だったのだが、攻守に活躍してみせた。打席では2回に一旦はチャンスが萎んだ後に坂口が四球で出塁すると、ここで打席が回った内山壮がライトフェンス直撃の先制タイムリー2ベースを放ってみせた。増井の低めのストレートを逆らわずにライトへ運んだのだが、打球が思いのほか伸びて行った。パンチ力を見せ付けてくれた。守備面でも6人の投手をしっかりリードし、僅差で進んだゲームの中でも落ち着いてプレーしてくれたのではないだろうか?ワンバウンドのボールを止める技術、盗塁を刺す技術など、経験を重ねる中で伸びて行っている。

奥村展征
山田がDHで起用され、セカンドを任されたのは奥村だった。怪我での離脱もあり、影が薄くなっていたのだが、この日は攻守に躍動した。打席では内山が先制タイムリー2ベースを放った直後のチャンスでタイムリーを放ち、この1点が決勝点となった。貴重なタイムリーが良い場面で飛び出した。守りでも足が良く動いており、堅実に守ってくれた。決して出場機会が多くない中で緊張感も強かったと思うのだが、これまでの経験を活かすような堅実なプレーが出来ていたのではないだろうか?

田口麗斗
石川が5回を投げ切り、その後継投となったのだが、その地点でスコアは2-1という僅少差であり、このリードを守らなければならないリリーフ陣にはいつも以上にプレッシャーが圧し掛かったはずである。6回は木澤、7回は石山が起用されたのだが、石山が2アウト1,2塁のピンチを招くと、ヤクルトベンチはここで田口をマウンドに送った。田口に役割の1つがこういったピンチでの火消しということになるのだが、こういった場面での集中力の高さは見事なものがある。この日も宗を低めのスライダーで三振に仕留め、ピンチを切り抜けてみせた。
巨人時代から多くの役割をこなせるタイプの器用な投手ではあったのだが、こういったピンチでの登板を任されるようになったのはヤクルトに移籍してからなのではないだろうか?気迫を全面に押し出して投げる姿はファンにも伝わってくるものがある。
昨シーズンはチャンスでに代打川端にファンは心強さを感じたのだが、今シーズンはピンチでのリリーフ田口に心強さを感じている。


A.J.コール
この日8回のマウンドを任されたのは、コールだった。「ここでコールか?」という驚きはあったのだが、結果を残すことで徐々に首脳陣からの信頼を得てきているということなのだろう。私自身は未だにコールの特徴が掴み切れず、不安を感じながら見ている部分もあるのだが、ツーシーム、カットボール、スライダーでボールを散らしながら、上手くバットの芯を外していく投球スタイルということになるだろうか?夏場に向けてもう少し球速が上がってくると更に信頼度が増すかもしれない。

今野龍太
・8回コールも驚きだったのだが、9回今野という起用法も意外だった。ここの所マクガフの登板数が増えており、疲労を考慮して今野に任せたと思うのだが、今野が普段とは違った役割をきっちりこなしてくれた。石川の勝ち星を消せないという別のプレッシャーも加味されていた中での登板となったのだが、武器であるストレートで最後まで押し切ってくれた。見事なプロ入り初セーブとなった。

2-1という僅少差を制して石川に180勝目をプレゼントできたこの日のゲームは、またチームを勢い付かせることになるのではないだろうか?山田の状態の悪さなど不安な部分もあるのだが、このまま交流戦優勝を果たしてもらいたい。

にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村








コメント

  1. 超匿名 より:

     石川には私を含めて、多くのファンが二百という数字を求めていると思います。ただ私にとって彼がこの日に達成した通算勝利数は、私がプロ野球に興味を持った頃に、大エースとして君臨していた斎藤雅樹投手の勝ち星なので、それに並んだことで感慨深いものとなりました。内容を比べたらタイトル数等で、総合的にはあちらが上ということになるでしょうけど。
     ここ最近は中村を二試合起用したら、内山が先発マスクという運用になっており、それでも内山が活躍したりチームも勝ちますからね。上手くいっていますね。

  2. sabo より:

    石川の200勝という目標は生半可な難易度ではないと思いながらも今年は絵空事ではないと思えるようになりました
    石川が日程を開けながらも安定したピッチングが出来ていることもそうですがとにかくチームが強い!!5回までにリードを奪ってリリーフに繋げば勝てるというパターンが作れている
    点を取るのも中堅として塩見山田中村、若手に村上内山濱田がいる
    これから黄金期が始まるならあと20勝というのは石川次第で十分可能な気がします
    今年中に手堅く皮算用であと4勝はいけるでしょう

    ダイジェストでしか観れてませんが奥村が攻守で良かったみたいですね
    奥村は昔から守備は上手かったですよね。去年ファームで最高出塁率を出したように打てるようになったなら内野争いは面白くなりそう

  3. FIYS より:

    超匿名さんへ

    斎藤雅樹の勝ち星に並んだということは、石川がそれだけコンスタントに勝ち星を積み重ねてきたことを感じることが出来ますよね。斎藤のような圧倒的な投球が出来るタイプの投手ではないですが、それだけに凄いことだと改めて感じることが出来ました。

  4. FIYS より:

    saboさんへ

    黄金時代がやって来るのでしょうか?メンバー的には楽しみな選手が揃ってきましたよね。

    奥村は怪我が痛かったですが、一時はレギュラーも狙える状況でしたからね。

タイトルとURLをコピーしました