日本ハムの成長

2025試合結果


ヤクルト1-6日本ハム

このブログは、ヤクルトスワローズの事を中心に取り扱っているのだが、他球団の中で最も取り上げているのは北海道日本ハムファイターズである。北海道に移転して以降、非常に興味深い独自のチーム作りをしている球団である。常識に捉われないチーム作りを継続している印象がある。古い野球ファン、保守的な考え方のファンにとっては、付いていくことが難しいと感じる場面もあると思うのだが、新庄監督が就任してから4年目で選手、チームが徐々に成長してきたことを感じさせてくれる。今回のエスコンフィールドでの3連戦は、現状のヤクルトと日本ハムの実力差を思い知らされる結果となってしまった。

まずは交流戦に入って以降のヤクルトの変化について触れていきたい。1つは先発オーダーの組み方である。交流戦に入る前から大きく低迷してしまい、交流戦に入って以降は、苦心のオーダーが続いている。打線を「線」として機能させたいという思いは勿論あると思うのだが、最近は、結果を出した若手を積極的に起用するなどオーディション的な選手起用にシフトしてきている部分もあると感じている。村上、塩見、長岡は替えの利かない選手であり、山田も以前のような姿を期待することは難しい状況である。個人的には、そんな状況の中でも目の前の1つの勝利に拘ってもらいたい気持ちはあるのだが、ここまで低迷してしまうと、どこかで来シーズン以降のチームというものも見据えながら戦わなければならない部分はあるのかもしれない。まだまだ実力不足だったとしても実績の足りない選手を積極的に起用することで成長を促そうとしている意図は伝わってくる。しかし、2017年がそうだったように、レギュラー選手から実力でレギュラーを勝ち取った形ではなく、首脳陣から成長を促すために、もしくは、怪我人が出た中でやむを得ず使わざるを得なかった選手が出場機会を増やしても、その後レギュラーを獲得できるかどうか?と言われれば、「?」が付いてしまうことは間違いないだろう。出場機会を与えられた若手選手がどう考え、どう努力するか?という部分が最も重要になってくると思われる。
もう一点意図的に変化させているのではないか?と感じるのが、走塁面である。打てない中で、送りバントを使いながら1つでも先の塁を狙おうとしていたのだが、その送りバントも中々成功率を高められない中で、チームとして次の塁を積極的に狙うよう意思統一をしているように感じる。暴走は問題外ではあるのだが、「6-4でセーフになれると感じたらGO」くらいの意識でプレーしている部分があるように感じる。得点力不足が続き、勝利も増えてきていないため、現時点では積極的な走塁がプラスに働いているという印象はないのだが、チームとして積極的に次の塁を狙うということであれば、今後も徹底してもらいたい気持ちがある。初回の先制点に繋がったサンタナの走塁はギリギリのプレーだったし、打者走者内山の走塁は勿体なかったが、その走塁に対して首脳陣がどのように感じているか?という部分に興味がある。個人的には、野球センスの塊のような選手である内山の走塁死については、プラスの評価は出来ないのだが、今後も同じような走塁をチームとして意識して取り組んでいくのか注目してみたい。
そんな積極的な走塁で1点は奪ったのだが、その後は、日本ハム先発の北山の前に力負けしてしまった。北山は、リリーフで投げているのか?と見間違えるほどの出力の高さでパワフルなボールを投げ込んでいた。特に高めのストレートの出し入れ(高めいっぱいのストライクコースのボールと吊り球のストレートの投げ分け)が見事だった。今日の球審は、多少ストライクゾーンが広めに感じたのだが、その球審の特徴も把握した中で投げ込んでいるようなクレバーさも感じる投球だった。ビハインドの展開になった中で、今日の北山を打って崩すことは困難だった。

今の打線で大量得点は難しいだけに、ヤクルト投手陣はとにかく9回で3失点以内に抑えて、ロースコアの展開に持ち込みたいのだが、3失点以内というものは非常にハードルが高いことも理解している。ヤクルト先発のアビラは、前回の登板で初勝利を上げていたのだが、今日も調子自体は悪くなかったのではないだろうか?しかし1点リードの初回に五十幡の3ベースヒットと清宮幸の犠牲フライであっという間に同点に追い付かれると、3回には2アウト1,3塁の場面で1塁走者五十幡がスタートを切り、捕手の古賀が2塁へ送球した感に3塁ランナー進藤にホームへの生還を許し、逆転を許すと、4回には押し出しで追加点を許し、最後は7回に五十幡の2点タイムリー3ベースと清宮幸の犠牲フライで3点を奪われ、6回2/3で6点を失い、負け投手となってしまった。日本ハムのしつこさを力強さが融合した打線の前に粘り切ることが出来なかった。
今のヤクルトはリリーフ陣の駒不足にも悩んでいるため、先発投手には出来るだけ多くのイニングを投げてもらいたいのだが、今シーズンから先発に転向したアビラにとっては、100球を超えた後の投球という部分にはまだ不安があるのかもしれない。

冒頭にも書いた通り、この日本ハムとの3連戦は完全な力負けである。それにしても新庄監督が就任して以降に獲得した選手、頭角を現した選手が本当によくここまで成長したと感じるし、今日の偽装ダブルスチールの場面でも感じたように、細かいプレーの精度が高くなってきているように感じる(普段日本ハムの試合を追っていないため、実際には分からない部分はありますが…)。
数字上のストロングポイントは先発投手陣ということになると思うのだが、それ程数字を残していない選手でもチームの一員としてやるべきことをやろうとする姿勢が徹底されているように感じる。新庄監督がここまで作り上げたという部分もあるのだが、それだけでなく、フロント含めてチーム全体でどういったチームを作っていくのか?という部分で意思統一が図れているように感じる。獲得する選手、放出する選手もはっきりとした意図を感じることが多く、時にドライに感じる時もあるのだが、NPBで勝てるチームを作るということはそういった厳しさも必要になるということなのだろう。
日本ハムは今シーズン狙ってリーグ優勝を勝ち取りたいシーズンになるのだろう。


P.S 偽装ダブルスチールの場面、3塁走者の進藤のスタートが抜群に良かったため狙い通りの作戦だと思うのだが、ヒーローインタビューで五十幡が「自分にとっては盗塁死なので滅茶苦茶悔しいです。」と語っていたのが、印象に残った。足のスペシャリストである五十幡にとっては、偽装ダブルスチールのサインが出たこと自体が悔しいという意味での発言なのだろうか?それとも自分もセーフになって、スコア2-1の2アウト2塁というシチュエーションを作りたかったという意味での発言なのだろうか?それとも今後を考えた中で相手に今日のプレーがどういった意図のあるプレーなのかを隠すという意味での発言なのだろうか?少し気になった。




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