第104回全国高校野球選手権大会で印象に残った選手

高校野球

今日は毎年恒例となっている夏の甲子園で印象に残った選手を挙げてみたいと思う。今大会も残るは仙台育英ー下関国際による決勝戦のみとなった。コロナ禍や野球人口の減少、選手の健康問題(特に投手の酷使)などが議論に上がることが多くなり、高校野球も曲がり角に差し掛かっているように感じる。おそらくプロのスカウトもこれまでとは違った視点も交えながら、プロの世界で活躍できそうな選手を探しているのではないだろうか?
それでは、今大会で印象に残った選手を上げていきたいと思う。
過去記事はこちらから→「第103回全国高校野球選手権大会で印象に残った選手」、「第94回選抜高校野球で印象に残った選手

投手
前田 悠伍(大阪桐蔭) 2年
・選抜に続いて、この投手が最も印象に残った。準々決勝の下関国際戦では、9回に逆転タイムリーを浴び、負け投手となってしまったのだが、ストレート、変化球のキレ、コントロールともに抜群だった。1年後どのような投手に成長してくれるか楽しみである。大阪桐蔭の投手というとがっちりとした投手が多い印象であり、身体を大きくするとともに柔らかさという部分が無くなってきてしまうのではないか?という不安も付き纏ってくる可能性があるのだが、前田の場合はどうだろか?しなやかさを残したままパワーアップする姿を見せてくれるだろうか?牽制、フィールディングといったマウンド捌きも抜群な投手なだけに、今後の1年が前田にとって重要な1年となりそうである。

猪俣 駿太(明秀日立)
・選抜の時も良い投手だと感じたのだが、夏も長身ながらボディバランスに優れた投手だと感じさせてくれた。ストレート、横変化、縦変化のボールを器用に操ることが出来ており、身体が出来上がってくれば、そのままボールの質も上がってきそうな投手である。現楽天の西垣の報徳学園時代を思い出した。数年後プロの舞台で投げている可能性のある投手ではないだろうか?

日高 暖己(富島)
素材としては、この投手は一級品なのではないだろうか?180㎝を超える身長からオリックスの山本似のフォームから質のいいボールを投げ込むことが出来ており、コントロールも高校レベルでは問題ないレベルにある投手である。見栄えが良く、守備、走塁、打撃と言った野球の基本となる動作が全て様になっている。現在は外野手に転向したオリックスの佐野皓大の大分高校時代がこういった印象だっただろうか?まだ時間は掛かるかもしれないが、本気で鍛えればまだまだ伸びそうなところが魅力的である。

山田 陽翔(近江)
・昨年、今年と大いに甲子園を沸かせてくれた世代トップランナーの選手である。昨年までは、個人的に野手山田の方が楽しみかな?と感じていたのだが、本人が投手志望であるとの報道もある中で、投手山田を再評価させてもらった。安定して140キロ台を超えるストレートを投げられること、縦、横のスライダーのキレの良さ、サイズの小ささを感じさせない角度のあるフォームなどを見ていると、今後投手として勝負しても面白いのかな?という印象が残った。日高とは逆に伸びしろという部分で不安もあるのだが、今後が楽しみな甲子園のスター選手である。

盛永 智也(国学院栃木) 2年
・開幕戦に登場したこともあり、目についた投手なのだが、NEXT山田陽翔になれる投手だと感じる。力強いストレートと空振りを奪える変化球があり、マウンド捌きも落ち着いている。中学時代から注目されていた投手ということだが、サイズもあり、今後が楽しみである。

生盛 亜勇太(興南)
・この投手のことは全く知らなかったのだが、しなやかさと力強さが共存した好投手だと感じた。しなやかな腕の振りから投げ込まれるストレートのキレが素晴らしかった。終盤市船打線に掴まり、初戦で姿を消してしまったのだが、もう少し見てみたいと思わせる好投手だった。即プロというタイプではないと思うのだが、身体作りを行いながら、実戦経験を積んでいけば、プロも目指せる投手だと感じる。

上山 颯太(三重)
・この投手は、高校レベルという意味では高いレベルでまとまっていた。特にチェンジアップが素晴らしかった。横浜高校打線に通用していたため、今後大学に進んでからも追ってみたい投手であると感じた。

その他では、北信越を代表する投手である田中晴也(日本文理)、2年次から甲子園を沸かせてきた森下瑠大(京都国際)の名前も挙げたかったのだが、甲子園では怪我の影響もあり結果を残せなかったため、名前を挙げるのは控えさせてもらった。本調子での登板を見てみたい投手である。

野手
浅野 翔悟(高松商) 外野手
・高校球界の超有名人である。高校1年次から結果を残し続ける完成度の高いスタープレーヤーである。サイズの小ささを気にする声も聞かれるが、打撃技術の高さは超高校級と見る。似たタイプを探すと現中日の平田の大阪桐蔭時代、現オリックスの池田の大阪桐蔭時代が挙げられるだろうか?守備、走塁への意識の高さ、貪欲さという部分で行けば、平田の大阪桐蔭時代は素晴らしかった印象があり、浅野はそこまでのレベルに達していないかな?と感じる部分はあるのだが、打撃という部分では平田と肩を並べるくらいの力があるのではないだろうか?池田もバランスの良さが目立った外野手なのだが、池田以上にパワーがある印象があり、打撃面では浅野が上回っているように感じる。
高校生にして完成度の高さがウリになる稀有な存在の外野手である。ドラフト上位で消える可能性が極めて高い選手である。

仲井 慎(下関国際) 遊撃手兼投手
・大阪桐蔭を破る大金星を上げた下関国際の主力選手である。元々野球センス抜群の選手というイメージがあったのだが、ここ1年で身体が逞しくなり、力強さが加わってきた。今大会では投手としても結果を残しているのだが、個人的には何でもできる渋い内野手として、プロの舞台でプレーする姿を見てみたい。ファンの間で投手派と野手派で意見が対立しそうなくらい、投手としても野手としても抜群のセンスを持った選手である。

松尾 汐恩(大阪桐蔭) 捕手
・最強大阪桐蔭を束ねたフットワーク抜群の捕手である。おそらく何でも出来てしまう選手なのだと思う。打ってよし、守ってよし、走ってよしという3拍子揃った選手である。いわゆる野球偏差値も高い選手であり、幼い頃からトップを走ってきたことが伺える好プレーヤーである。上の世界で捕手として勝負するのかどうか?という部分は、最終的には本人が決めることなのだが、現ヤクルトの内山壮の姿を見ていると、捕手としてプロの世界で勝負するという選択肢もありそうである。

渡部 海(智辯和歌山) 捕手
・上記の松尾とは対照的に「捕手らしい捕手」と感じさせてくれる選手である。初戦で敗れてしまったため、ほとんど見ることは出来なかったのだが、落ち着いた佇まいが印象的だし、打撃もパワーがある所が見て取れた。ロッテの松川が1年目から結果を残していることも多少渡部にとっては追い風になるのではないだろうか?高校レベルではトップクラスの実力を持った捕手だと感じる。

その他では、センバツで活躍した黒田義信(九州国際大付属)も楽しみにしていたのだが、今大会では目立った活躍はなかったため、名前を挙げるのは控えたのだが、サイズもあってスピードもある選手はそれだけでも魅力的であるため、今後が楽しみである。

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