小さな大投手 石川雅規引退

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ヤクルト・石川雅規、引退会見「幸せな野球人生だった。ヤクルトでよかったです」 自らの口で決断語る – サンスポ




石川雅規が引退を発表した。25年間の長きに渡ってヤクルトを支えてくれた「小さな大投手」である。石川の注目度が一気に高まったのは、青山学院大時代だった。シンカー(当時はスクリューと表記されることが多かった)を習得したことで面白いように空振りを奪えるようになり、日本代表にも選ばれ、プロ・アマ混成チームで挑んだシドニーオリンピックに大学3年生で出場している。パッと見少年野球の投手にも見えるような小柄で童顔の投手が相手打者を翻弄していく姿に衝撃を受けた。
2001年のドラフトでは目玉選手の一人だったのだが、左肘の怪我で離脱したこともあり、最後の最後で評価を下げていた。もしかすると、このことがヤクルト入団に繋がったという部分もあったかもしれない(怪我がなければ自由獲得枠で巨人が獲得した可能性が高かったか?)。
魔球シンカーと打者の内外角を広く使える投球術で石川は1年目から結果を残し、新人王を獲得した。怪我の状態も不安視されていたのだが、1年目からプロでしっかり通用するだけのボールを投げ込むことが出来ていた。その後5年連続2桁勝利を上げるのだが、打高時代ということもあり、技巧派の石川は打ち込まれる試合も目立ち始めていた。正直6年目のシーズンに低迷した際には、「石川はもう通用しなくなるのではないか?」という不安を覚えたことも記憶している。しかし、シーズン終盤に完封勝利を記録するなど巻き返すと、翌年は最優秀防御率を獲得するなど、ヤクルトのエース格に一人としてそれまで以上に存在感を放つようになった。シュートやスローカーブ(いわゆるカツオカーブ)、フォークなど新たな球種にも挑戦する中で、常に変化、進化する中でプロの厳しい世界で結果を残し続けていった。
2011年にリーグ優勝を逃した際には、石川はヤクルトでリーグ優勝を経験できないのでは?という気持ちにもなったのだが、2015年に自身の活躍もあり、プロ14年目で初のリーグ優勝を果たしてみせた。一ファンとしてとても嬉しい瞬間であった。
その後ベテランとなり、2017年のような暗黒期と言われるようなシーズンを経験することもあったのだが、常にチームの中枢で投げ続け、2021年、2022年シーズンにはリーグ優勝、2021年は日本一にも輝いてみせた。
40歳を超えて以降は、200勝という大きな目標を達成するために腕を振り続けたのだが、先日の巨人戦で初回にKOされ、左肩を痛めたことで今日の引退発表となった。

石川という投手を振り返った時に私が使いたくなる言葉は「心技体」という言葉である。
「心」の部分に関しては、冷静さよりも負けん気の強さという意味での「心」を感じさせてくれた。この負けん気の強さがプロ25年という稼働期間に繋がったのではないだろうか?石川を語る際に「負けん気の強さ」という部分は避けては通れない特徴である。
「技」の部分に関しては、投手としてのスキルの高さが上げられる。魔球シンカーもそうなのだが、決して速くはないストレートをインコースへ投げ込める技術、豊富な変化球をコースへ散らせる技術の高さがあってこその188勝ということになるのではないだろうか?新たな技術、球種を習得する能力にも優れていた印象である。
「体」に関しては、大きな故障をせずに先発ローテを守ってくれる身体の強さが印象的である。今シーズンは開幕前の練習試合でコンディション不良となってしまい、苦しんだのだが、その他のシーズンは大きな離脱をすることがほとんどなかった。大学4年次に左ひじを負傷していたのが嘘のように、プロ入り後は怪我をせずに安定してマウンドに上がってくれた。「無事これ名馬」という言葉があるが、石川はまさにそういった投手だった。マウンドの上に石川が居てくれれば、それだけでヤクルトファンの心は踊ったものである。


今日の引退会見で石川は、プロ野球生活を振り返って「楽しかった。」という言葉を頻繁に使っていた。野球が好き、投げるのが好きということが伝わってくる引退会見だった。私は1988年からのヤクルトファンなのだが、25年間ずっとヤクルト一筋でプレーした選手を25年間応援し続けることが出来たのは石川が初めてのはずである。もしかするとこれからもそういった選手とは出会えないかもしれない。25年間という長きに渡って応援し続けることが出来たことに感謝である。
石川投手、本当にありがとうございました。


P.S 私は、ドラフトの逆指名制度、自由獲得枠制度、希望枠制度などは大反対の立場を取っていたのだが、「古田捕手に受けてもらいたい。」と言ってヤクルトに入団してくれた石川は、その時から印象に残っている。古田と石川の物語も非常に面白いですよね。

※最後に石川絡みの過去記事を貼っておきます。興味ある方は是非読んでみて下さい。

正座をすることさえ許されず。 | ヤクルトファンの日記
・石川が引退を決断したゲーム

石川雅規 46歳 | ヤクルトファンの日記
・石川は最後まで足掻いてくれた

チームも自身も「崖っぷち」の中で石川が強さを見せる! | ヤクルトファンの日記
・石川自身188勝目のゲーム

石川雅規VS和田毅 | ヤクルトファンの日記
・当時は誰も注目していなかった秋田商ー浜田の思い出

晩成型の名投手ジェイミー・モイヤー | ヤクルトファンの日記
・モイヤーと石川を比較してみた

石川で王手 | ヤクルトファンの日記
・石川の日本シリーズ初勝利

石川雅規は戦力です! | ヤクルトファンの日記
・2021年シーズンの快投

石川の芸術的ピッチングに酔いしれる(一旦酔いが醒めましたが…) | ヤクルトファンの日記
・勝ちは付かなかったが、芸術的な投球を披露

石川の執念とリリーフ陣の奮闘! | ヤクルトファンの日記
・石川のベストバウト候補の1つ

あっぱれ石川! | ヤクルトファンの日記
・開幕戦でのノーノー未遂




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コメント

  1. ツバメひとすじ より:

    今後、石川選手には、ヤクルトのコーチを将来的にやってくれることを期待しています。

    「ヤ戦病院」という有難くない あだ名を頂戴しているチームですから 将来の石川コーチには、ぜひとも スワローズの選手たちに「無事これ名馬」の教えを伝授してください。
    スワローズにとって、このことは、もっとも大切なことだと確信しています。

    • fiys より:

      ツバメひとすじさんへ

      野球が大好きで探求心も強い選手ですので、現場で指導する立場になる可能性は高そうですよね。

  2. 超匿名 より:

     スワローズとしては金田投手がいても、ヤクルトとでは達成者のいない先発200勝を目指せる選手として、大台が視野に入った頃から、応援に熱が入った選手でした。一方で工藤や山本と違い体格に恵まれている訳ではないので、体力的に見て厳しいそうという思いも持っていました。200勝に届かなかったのは非常に残念ですが、あの体格で25年間現役を続けることができたことは驚異的だと思うので、異色の存在としてファンの記憶に残るのではと思います。長い間本当にお疲れ様でした。

    • fiys より:

      超匿名さんへ

      現代野球において石川の存在は、確かに異色の存在でしたよね。小さな身体で25年間投げ続け、188勝を積み重ねたことは素晴らしいことですよね。
      引退してもファンの間で長きに渡って語られる選手でしょうね。

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