ヤクルト8-10オリックス(延長10回)
今のチーム状態を思えば、どう考えても勝てるような試合展開ではなかったのだが、今シーズンほとんどなかったいわゆる「神宮っぽい」試合に持ち込み、何となく「もしや…勝てるのでは…」と感じさせる展開に持ち込んだのだが、追い付くまでで精一杯という試合になってしまった。ゲームを通して見ると細かなミスも非常に多く、終わってみれば「負けに不思議の負けなし。」というゲームになってしまった。ただし、経験の浅い選手に細かいプレーを要求するのは難しいことは分かっている。経験値の低い選手はとにかく我武者羅に前向きにプレーしてもらいたい。そこから何かが生まれる可能性もあるのだから…。
先発の小川は、5月29日以来の1軍のマウンドということで、思った以上に1軍に戻ってくるまでに時間がかかってしまった印象がある。開幕当初は安定した投球を見せており、前回登板で打ち込まれた時にも、個人的には登録抹消したこと自体意外に感じていたのだが、私が考えている以上に状態が上がってきていないのかもしれない。
今日は、初回に先頭打者の西川にフェンス直撃の2ベース(岩田のファンブルで3塁まで進塁)、続く宗に2ランホームランを浴び、先制を許すと、その後も3本のヒットを許して、この回いきなり3点を失う立ち上がりとなってしまった。2回、3回と三者凡退で抑え、味方打線が追い付いてくれただけに、このまま粘っていきたかったのだが、追い付いた直後の4回に西川に2点タイムリー、太田に3ランホームランを浴びてしまい、5点のビハインドとなってしまった。結局小川は、この回でマウンドを降りることとなり、4回で92球を投げ、被安打9(被本塁打2)、与四球2の8失点でKOされてしまった。2回、3回と三者凡退に抑えたイニングは、内容も悪くなかったと思うのだが、これだけしっかり捉えられたヒット、ホームランを許してしまったということは、ボールのキレ自体がイマイチということなのだと思う。今後に不安を残す投球となってしまった。
そんなゲーム展開で投手陣の中で大仕事をしてくれたのは、2番手で5回からマウンドに上がった矢崎だった。春先に比べて、徐々にストレートとフォークの威力、キレが増してきている印象があったのだが、今日は5回~7回までの3イニングを無安打無失点で抑え、ゲームを一旦落ち着かせてみせた。現状矢崎には、便利屋の仕事を期待されているため、こういった起用もあり得るのだが、それにしても3イニングを投げ切ってくれたことは、首脳陣としてもありがたかったのではないだろうか?壊れかけた試合を立て直すという素晴らしい仕事をしてくれた。
そんな中で8回に追い付き、8-8でゲームは延長戦にもつれ込んだのだが、10回0アウト1塁での来田のバントに対して古賀が一瞬判断を間違え、内野安打としてしまうと、続く元には、きっちり送りバントを決められてしまい、最後は、今日のゲーム、ベンチスタートとなっていた中川に勝ち越し2点タイムリー2ベースを浴びてしまい、万事休すとなってしまった。
今日のゲームでは、攻撃面でも守備面でも細かなミスが目立ったのだが、最後も結局はミスでランナーを溜めてしまったことが失点に直結してしまった。
攻撃陣は、1番岩田、2番武岡、3番内山、4番サンタナ、5番オスナ、6番古賀、7番山田、8番伊藤、9番小川というスタメンとなった。正直初回に3点を失った時点で相当厳しくなったと感じたのだが、2回にオリックス先発のエスピノーザ制球を乱したこともあり、1アウト満塁のチャンスを作ると、ここで伊藤があわや満塁ホームランというレフトフェンス直撃の2点タイムリー2ベースを放ってみせた。正直初球のやや甘めに感じたツーシームを見逃した時点でちょっと厳しいかな?と思ったのだが、カウント1-1からのツーシームをキレイに捉えてみせた。無駄のないスイングで上手く捉えたなという印象なのだが、この伊藤という打者は、現時点では掴み所のない打者というイメージである。8番という打順にピッタリはまってくれている。続く小川の打席で初球スクイズを敢行するのだが、ここはキャッチャーファールフライダブルプレーに終わってしまい、同点のチャンスを逃してしまう。
これでまた厳しくなったなと感じていたのだが、続く3回にオスナのタイムリーで追い付く粘りを見せると、5点差を追いかける7回には、オリックス3番手の高島から1アウト満塁のチャンスを作ってみせた。オリックスはこの場面で山岡を投入し、流れを断ち切りに来たのだが、その山岡相手に代打山野辺がヤクルト移籍後初ヒットとなる2点タイムリーヒットを放つと、続く内山もセンター前へ運ぶと、その打球をオリックスセンター杉澤が後逸する2点タイムリー2ベースとなり、1点差に追い上げると、8回には岩田に犠牲フライが飛び出し、同点に追い付いてみせた。
正直ミスも多く、采配面でもどこかちぐはぐに感じる部分が目立ったのだが、それでも3点差、5点差というビハインドを一旦は追い付く粘りを見せてくれた。相手のミスも絡んだり、神宮だからこそという部分もあったと思うのだが、ボールにキレがあると感じた山岡相手に追い上げた場面は興奮した。
それでも終わってみれば「負けるべくして負けた試合」だと感じるし、この内容で勝つというのはあまりにも虫が良過ぎると感じた。
初回の3失点、伊藤の2点タイムリー2ベース直後の小川のスクイズ失敗、追い付いた直後の5失点、代打山野辺起用のタイミング(おそらく山岡に交代する前に代打山野辺がコールされましたよね?違っていたらすみません。)、2アウト満塁での山田の凡打、8回の不可解な代打宮本のバントエンドラン、並木の盗塁を潰してしまうような岩田のバッティング(結果は同点犠牲フライ)、1アウト1塁からの山野辺の送りバント、10回の古賀のまずい守備と目立つものだけでも9つほど気になるプレーがあった。
岩田の犠牲フライに関しては、今は積極的に行って良い立場の選手だと思うため、そこまで批判する必要はないし、延長10回裏の3塁打の走塁でも感じたのだが、無我夢中にプレーして良いと思うのだが、こういった経験を今後の野球生活に活かしてもらいたいとは思う。
P.S 普段は、オリックスのゲームを追っていないため分からない部分もあるのですが、4回表のエスピノーザに代えて代打西野、7回裏の1アウト満塁での山岡投入は、「岸田監督をはじめとする首脳陣がよくヤクルトのチーム状況を分かった中で采配をふるっているな。」という印象を持ちました。明日、明後日も苦しいゲームになりそうですね。
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