ヤクルト4-4DeNA(延長12回)
とりあえず、奥川の投球の事から触れることになるかな…などと考えていたのだが、9回2アウトランナー1塁という場面で代打で登場した古賀がDeNAクローザーの入江のインローのストレートを捉えると打球はレフトスタンドへ飛び込む起死回生の同点2ランホームランとなった。「ちょっと信じられない一発」で試合を振り出しに戻してみせた。その後は両チームのリリーフ陣が粘り、試合は延長12回引き分けとなった。勝てなかったが、敗戦目前で飛び出した古賀のホームランには驚いた。最後まで諦めてはならないということを教えてもらうゲームとなった。
今シーズンのヤクルトからすると2-4と2点のビハインドを9回1イニングで追い付くことは非常に難しいと思っていた。DeNAのクローザーを務める入江は、今シーズンはストレートに威力があり、簡単には打ち崩せない投手にレベルアップした印象がある。今日もボールの走り自体は悪くないように感じたため、代打宮本が三振に倒れた時点でほぼほぼ負けを覚悟した。ここでヤクルトベンチは武岡に代えて古賀を代打で起用した。正直「ちょっと意図が分かりづらい代打起用だな。」と感じた。ストレートに弱い印象はない左打者の武岡に代えて、ミートは上手いと感じるが、パワーにかける古賀を起用する理由が分かりづらかった。おそらくは繋いでもらって、次の増田もしくは北村拓(フルスイングできる状態であれば赤羽もあり得たか?)で勝負を掛ける予定だったのではないだろうか?
そんなシチュエーションで打席に入った古賀なのだが、入江の初球のインローへのストレートにしっかり反応すると、打球はレフトスタンドへ飛び込む同点2ランホームランとなった。9回2アウトという場面で代打で起用され、パワータイプの入江の初球のストレートをあれだけ綺麗な形で弾き返せるということは、打席に入る際にしっかり頭を整理し、準備が整った状況で打席に入ることが出来たということなのだろう。
今シーズンの古賀は、引っ張った中で強い打球を放つ場面があり、以前よりはパワーが付いてきたと感じることはあったのだが、この場面での同点2ランホームランは、失礼ながら全くの予想外だった。長丁場のシーズンの中で疲れが溜まってくる頃だと思うのだが、今日は強いスイングで入江のストレートを弾き返すことが出来ていた。こういった強い打球を打てる確率を高めていけば、元々ミートは上手い選手だけに打てる捕手としてレギュラーを確保することも夢物語ではないのかもしれない。古賀と言えば、強肩を活かしたスローイングが一番の武器だと思うのだが、バッティングでアピールを続けていけば、もっと出場機会を増やすことが出来るはずである。おそらく今日の古賀は、この一発で一気にノッていくことが出来たと感じる。10回以降はリード面でも石山、荘司、大西というタイプの違う投手をしっかりリードし、強力DeNA打線を抑えてみせた。終わってみれば、9回2アウトから登場した古賀様々のゲームとなった。
投手陣では、先発の奥川が中6日での登板ながら6回までは、1失点と試合を作ってみせた。前回の広島戦でも良い投球を見せていたのだが、今日は中6日という登板間隔の中で強力DeNA打線相手に6回1失点でまとめ、前回の広島戦では上がらなかった7回のマウンドに上がったことでまた一つステップアップした姿を見せてくれた。その7回に林のタイムリーヒット、佐野のタイムリーヒットで逆転を許してしまい、代わった星も宮崎にタイムリー2ベースを打たれてしまったため、結局奥川は、6回2/3で104球を投げ、被安打9、与四球1の4失点という数字が残った。前回の広島戦では、6回80球でマウンドを降りていたため、今日も6回までかな?と思っていたのだが、高津監督は7回も奥川をマウンドへ上げた。これまで丁寧に起用してきた奥川に対して、「今後はこういった起用法が基本になるよ。」とメッセージを送るような続投劇だったように感じる。
今日は奥川がその期待に応えることが出来なかったのだが、中6日で6回2/3を投げることが出来たという部分については、しっかり評価しつつ振り返ってもらいたい。勝ち星こそ付いていないのだが、決して悪い投球ばかりではない。前回、今回の奥川の投球内容は、現時点での完成形に近い投球になったのではないだろうか?試合日程の関係で次回の登板がいつになるのか分からないのだが、次の登板までのコンディション作りを丁寧に行ってもらいたい。中6日で100球以上を投じた肩肘のダメージについてもしっかり把握しておいてもらいたい。
本来は、書くべきことが多いゲームではあるのだが、今日は9回2アウトからの古賀の同点2ランホームランに限る。敗戦濃厚な展開から引き分けに持ち込んだことを評価するべきゲームだと感じた。
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